U25世代の選抜チーム日本一決定戦は、東海北陸選抜が制す!

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25歳以下や競技経験の浅い選手らによる車いすバスケットボールの地域選抜チーム日本一決定戦「TOYOTA U25日本車いすバスケットボール選手権大会 2025」が8月30日から2日間にわたって、愛知県豊田市のスカイホール豊田で開催された。全国の10ブロックから9チームと、25歳以下の女子日本代表チームの計10チームが参加し、トーナメント方式で頂点を争った。試合は、決勝で関東選抜Aを下した東海北陸選抜が優勝。3位には、甲信越選抜が入った。

6連覇中の関東選抜Aを下し、見事優勝を果たした東海北陸選抜のメンバー

6連覇中の関東選抜Aを下し、見事優勝を果たした東海北陸選抜のメンバー

王者に雪辱! 東海北陸選抜が関東選抜の牙城を崩す!

若手選手の日本代表への登竜門ともいえる今大会。毎年“卒業”してメンバーが入れ替わるなか、関東選抜が2017年から6連覇中(新型コロナウイルスの影響で中止となった大会を除く)で、今大会もAチームが準決勝で甲信越選抜を破って決勝に駒を進めた。対戦相手の東海北陸選抜は22・23年が準優勝で、昨年は3位。今年は日本車椅子バスケットボール連盟の男子ハイパフォーマンス強化指定選手および男子次世代強化指定選手が5人そろい、初戦から安定した力を発揮して決勝の舞台に立った。

序盤から試合を構築したのは、東海北陸選抜だった。キャプテンで男子ハイパフォーマンス強化指定選手である古崎倫太朗(2.5)が前半だけで19得点と気を吐き、13点差をつけて折り返した。後半に入ると、関東選抜Aの健常者プレーヤー・野本陵太(4.5)がゴール下で強さを見せて連続得点を決めて追い上げる。さらに、植田紘公(2.5)のブザービーターで3点差まで迫る粘りを見せた。

東海北陸選抜の古崎(中央)は攻守でチームをけん引し、大会MVPを受賞した

東海北陸選抜の古崎(中央)は攻守でチームをけん引し、大会MVPを受賞した

迎えた第4Qも一進一退の攻防が続くが、東海北陸選抜が相手のゴール下でプレッシャーをかけ続けてリズムを取り戻すと、男子U23日本代表で6月の世界選手権でも初出場ながら存在感を示した岩田晋作(4.5)が3連続でシュートを決めて、再びリードを広げた。試合時間が残り2分を切ってからも、高い集中力を保つ東海北陸選抜。最後は古崎がシュートをゴールネットに確実に沈めて相手を突き放し、55-46で勝ち切った。

試合後、古崎は「後半に入り、僕たちのディフェンスが機能しない時間があったけれど、その後に修正できたことが勝利のポイントになったと思う」と、熱戦を振り返った。攻守に活躍した古崎は大会MVPを受賞。24歳で今大会が最後のエントリーとなるが、「尊敬する先輩たちが獲ってきたものを僕ももらうことができて、すごく嬉しい」と、笑顔を見せていた。

守備から試合を作った甲信越選抜が3位!

また、決勝に先だって行われた3位決定戦は、甲信越選抜が近畿選抜に70-54で勝利した。前半は甲信越選抜が有利に進めて28-26と先行する。だが、近畿選抜は第3Qに入ってすぐに同点に追いつき、再びリードを許したものの、タイムアウト明けから5連続得点と猛追し、1点差に迫った。一方の甲信越選抜も積極的なプレスディフェンスを仕掛けて相手の勢いを食い止め、甲信越選抜の2点リードで最終Qへと突入した。

近畿選抜は得点力のある岡田壮矢(3.5)が連続ゴールを決めて、逆転に成功。しかし、甲信越選抜は焦ることなく丁寧にプレッシャーをかけ続け、チャンスを作って確実にゴールネットを揺らしていく。終盤には、キャプテンの知野光希(2.0)、女子の健常者プレーヤー・源田遥奈(4.5W)がスチールして速攻の起点となり、それぞれパスを受けた渡辺友希(3.0)が鮮やかに決めて10点差に。甲信越選抜はそこからさらに得点を重ね、熱戦を制した。

チームをけん引した知野は試合後、「昨年は4位だったので、リベンジできて良かった」と笑顔を見せ、「後半に流れを相手に渡してしまったけれど、プレータイムが少なかった選手もそこでしっかりと耐えたからこそ逆転できた。普段は別々のチームに所属しているのでプレーに齟齬が生じる分、たくさん話し合い、試合ごとに互いの理解が深まり、良い連携ができた」と、一丸となって勝ち取った勝利に胸を張った。

得点源として、また攻撃の起点として活躍した甲信越選抜の知野(中央)

得点源として、また攻撃の起点として活躍した甲信越選抜の知野(中央)

<試合結果>
1位 東海北陸選抜
2位 関東選抜A
3位 甲信越選抜
4位 近畿選抜
5位 関東選抜B
6位 中・四国選抜
7位 九州選抜
8位 東北選抜
9位 東京都選抜
10位 女子U25選抜

文・写真/荒木美晴

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