今日は去年トリプルスリーを達成して、一気に全国区の有名選手になりましたヤクルトスワローズの山田哲人内野手のお話です。
まだ23歳、あの杉村チーフ打撃コーチとマン・ツー・マンのたいへん過酷なティーバッティングを乗り越えて、とうとう花開きました。
その彼が今季、背中が重いと、よく口にしているという。
1970年代から、背番号1はヤクルトの看板野手に与えられました。
若松-池山-岩村-青木と続き、4年間は空きの状況でしたが、昨年、トリプル3を達成するなど、文句なしの山田が継承者に。
たぶん、その歴史の重さを感じているのでしょう。
オープン戦こそ打率1割台と不振をかこっていたものの、杉村コーチは
「全く心配をしていない。やることは、しっかり行っているし、バッティングは全く崩れていない」
そうタイコ判を押していたのです。
確かに、その通りでした。
打率3割5分3厘、セ・リーグトップタイのホームラン12本と、昨年以上の成績を残しています。
では、なぜオープン戦でいまひとつだったかといえば、キャンプでウエートを置いたのが守備だから。
バッティングは「さすが」という声が聞こえても、守備の拙さに首をひねっていたのが本音だったのです。
当然のように、そうした声は本人の耳にも届く。
「目標はダイヤモンドグラブ賞」と口にしました。
一方、すごいなぁと思うのは、アディダスのCMに起用されたことでしょう。
プロ野球選手では初、サッカー日本代表の香川と同様の扱いです。
こうなると、自然に鼻が高くなる選手が多い。
でも、山田は全く変わりません。
神宮球場ではグッズショップへも顔を出して「売れていますか?」と声をかける。
「やっぱり、自分のグッズが売れるとうれしい。もっとやらなくてはいけない、と励みになるから」
と話していました。
ちなみに、杉村コーチは
「あとはONになれるか、というところまできたと思う」
と前置きして
「どんな意味かといえば、ここで打ってくれ。その場面で期待に応えるのがONですからね」
と言っています。
山田に対して、ものすごい高評価をしているビッグネームがいます。
現在は、頸部の不安と右肩痛で登録を抹消しているものの、広島・黒田が大絶賛。
昨年、初対戦し「こんなすごい右バッターがいたとは」と心の底から驚いた。
セは今年も大混戦ムードでヤクルトは5位といっても、首位と3ゲーム差です。
山田哲人選手、このまま突っ走っていけるでしょうか?
(原文)青木政司
5月11日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」