東京六大学野球は昨日の第7週第3日に、明治が立教を下し優勝したのですが、それよりも注目されたのが法政VS東大戦。
注目の東大・宮台康平(みやだいこうへい)は登板せず、ネット裏のスカウト陣もガックリしていました。
昨年春、左肩を壊して連投を回避している。通常、六大学のエースは第1、第3戦に登板することが宿命づけられています。
不安を抱えることで、来秋のドラフトではマイナス材料となりそうです。
ただ、現時点では大学生のナンバーワンサウスポーと、なかなかの評価です。
各球団は、200人程度をリストアップし、取捨選択を行い、最終的に約30人の獲得リストを作成します。
現在のプロ野球では、大卒 = 即戦力という公式ができ上がっています。
ただ、ニュースからいうと、明治の優勝はインパクトを与えませんが、東大が勝利をあげれば話題になる。
京大初のプロ入りを果たした田中に続いて、ロッテは獲得に前向き。
日本ハムも大いに興味を示しています。
加えて、当時、専大は東都の2部リーグながら、黒田を発掘したことで知られる広島の苑田スカウトまで訪れたことで宮台の評価が急上昇しました。
小学3年から野球を始め、中学までは軟式。
湘南高時代注目されたのが3年春の県大会で、ベスト8入りを果たしています。
神奈川県は、横浜、東海大相模、桐光といった私立の名門が揃う激戦区にもかかわらず、トップクラスの進学校がシード校などを撃破したのですから話題にならないわけなどありません。
ちなみに、同校の偏差値は72。卒業生には、石原慎太郎前都知事、ノーベル化学賞に輝いた根岸英一先生などが名を連ねています。
1日12時間も勉強し、現役で東大文科1類へ合格。
3年からは法学部と文武両道の体現者といえるでしょう。
東大野球部の浜田一志監督との出会いも、素質を開花させた要因です。
夜間、塾の講師をしながらOBとして強化に取り組みました。
元巨人・桑田、元中日・谷沢両氏を臨時コーチとして招へい。
さらに、オフになると、1日5000カロリー摂取で選手のスタミナや、肉体改造を行っています。
身長マイナス100の体重がない選手は試合には使わない。
これまでは5、6回でガス欠気味だったナインが、ゲキ変して、最下位とはいえ、04年以来の3勝。
宮台が1試合13奪三振という東大記録を更新して、同校史上最高の投手になったのは、そんなサポートがあったのです。
宮台はMax145キロ。タイプとしては、スピードのあるヤクルト・成瀬といった感じ。
今季は6試合に登板し、44イニングを投げ、防御率は2.05という安定感を誇ります。
7月の日米大学野球の代表候補として推薦されました。
もし、代表になれば、東大からは83年、現NHKの大越健介投手以来、2人目の快挙ですが、さて-。
(原文)青木政司
5月24日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」