写真提供:産経新聞社
関取最重量といえば211キロのこの人、東前頭七枚目・逸ノ城です。
勝ち越しをかける今日11日目は結びで横綱・日馬富士と対戦することになっています。
今場所は好調で、初日から5連勝を飾り、平幕ながら単独首位に立ちました。
「はたくことを頭から消した。楽をして勝てないこともわかっている。」と話しています。
最近は、ブームが過ぎ去った印象もありますが、幕下付け出しデビューから、わずか6場所で関脇へ昇進。
怪物の異名をほしいままに、横綱昇進は目前か?と誰もが感じました。
しかし、そこからカベに当たり、番付を上下するありさま。
目が覚めたのは、初場所後に湊親方から、「十両へ落ちるのは、時間の問題」と突き離されたひとことでした。
「弱い自分にさよならをする」ということで、3月場所前から体幹トレーニングや、160キロのタイヤを引っ張りながら走るなどの有酸素運動も取り入れたそうです。
そして同時に禁酒を始めた。
上り調子だった時は、190キロ台でした。
「これ以上、体重が増えないように気をつける。200キロなんて、人間の体重ではないでしょう。牛か象。」
など、軽口を叩いていましたが、5月場所では5勝10敗だったものの、214キロにまでなっていた体重が210キロに。
実際にわずか4キロとはいえ、マイナスの成果が出たおかげで、すっかり気を良くしている。
また、けいこも積極的に行うようになりました。
目立ったのが、春巡業。
自分に厳しく力士にも厳しい貴乃花巡業部長が「毎日のけいこで良くなった1人」と名前をあげています。
対戦相手の取り口をDVDで予習し、取組後には勝敗にかかわらず、その一番を独自に分析。
遅ればせながら、ようやく関取らしくなったといわれます。
「お酒を飲んでも、いいことはひとつもない。ウーロン茶と水を飲んでいます。やっぱり、勝つのはうれしい。懸賞金を貯金しているから励みになる。」
熱い夏を乗り切るのは食事も大切。この季節といえば、うなぎをイメージしますが、逸ノ城の好物は鶏のから揚げ。
江南市の宿舎に近い料理店から朝げいこの後、毎日約1キロが届けられるそうです。
ダイエット向きの食事とはいえませんが、我慢ばかりしていては、ストレスが溜まる。
まずは、きょうの一番に注目しましょう。
(原文)青木政司
7月20日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」