「あと8試合全て勝たなくてはいけない」サッカー日本代表FW・原口元気(25歳) スポーツ人間模様

By -  公開:  更新:

原口元気,サッカー日本代表,先制ゴール

サッカーW杯予選原口元気の先制ゴール 写真提供:時事通信フォト

先制ゴール、決めてくれました原口元気!
ハリルホジッチ監督は、「もっとゴールを決められた」と渋い表情でしたが、とにもかくにも、これで日本代表は波に乗るでしょう。
浅野とともにスタメン出場を果たした原口は「ホッとしている」と胸をなでおろしたそうです。

実は監督からの指示は「浅野の後ろで裏をとれ。」
ところが、負けん気の強さは人一倍で「裏をとるよりも、外へ開いたほうが、自分の実力を発揮できる。」とあえてオレ流を貫きました。
事実その通りの結果になって、千載一遇のチャンスをものに。

浦和時代は2009年1月、17歳でクラブ史上最年少のプロ契約を交わすなど、とてつもない資質を示した逸材。
でも、サッカーバカといってもいいほど、協調性がなく、自分のプレーが絶対のタイプでした。
生意気小僧というあだ名がついたほどで、チームメートとのいさかい、起用を巡って監督に反抗的な態度をとるのは日常茶飯事で、大きな事件として報道されたのは2011年12月10日チームメートの岡本拓也とけんかをして、左肩脱臼で全治3週間の大けがを負わせ、謹慎処分を受けたことです。

大きな転機は2014年5月、ドイツのヘルタ・ベルリンへ完全移籍。
かわいい子には旅をさせろとはよくいわれることですが、ブンデスリーガ在籍も3シーズン目で本領を発揮しています。
リーグ開幕戦でキッカー紙のマン・オブ・ザ・マッチへ選出。
原口を知る誰もが「プレーはもちろん、性格も大人になった。」
2015年に入籍したタレントの香屋ルリコ夫人までが、そう話しているそうです。

敗れたとはいうもののUAE戦では、いまひとつだった大島に替わって途中出場して不慣れなポジションでも懸命にプレーをしていた。
先発出場は、ハリルホジッチ監督が調子の良さを見逃さなかった証拠に違いありません。
「若い力を入れて、もっと競争力をあおりたかったから。」
と説明しています。

「ハリルさんがいろいろといじってくれるのが、わかる。ありがたいです。」
と原口は話しました。
このあたりが、代表落選の鹿島の金崎との決定的な差。もし、以前の原口だったら「ボランチ?ふざけんな」とふてくされてしまったからです。
ただし本当は、自身のポジションの左フォワードでレギュラーをつかみたい。
でも実はこのポジション、代表でも最大の激戦区で、清武、宇佐美、武藤、それから香川も本来なら、ここ。

「技術的に、ここ(アジア)で日本が負けるわけがない。負けるとしたら、相手の気持ちが上回り、ズルいことをやってきた時。」

となかなかのことをいいます。

きのうの試合でも原口のフィジカルは際立っていました。
2014年から個人トレーナーと契約し「試合中、止まることを覚えろ。」と足裏の筋力強化に取り組んでいます。
以前は名前のように、元気に突っ走っていただけだったのを、強弱をつけ戦況を独自で判断しながら動くようになった。

「(ワールドカップ最終予選は)あと8試合、すべて勝たなくてはいけない。」

2点目をあげた浅野とともに、ハリルチルドレンに加わった原口に浮かれた様子はありませんでした。
楽しみな選手です。

9月7日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

Page top