今日11/5が誕生日!元祖国民的アイドル天地真理【GO!GO!ドーナツ盤ハンター】

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昨今のアナログ盤ブームで、改めて注目されているのが歌謡曲のレコード(ドーナツ盤)。
デジタル音源より音に厚みがあり、またCDでは味わえないジャケットの大きさも魅力の一つ。
あえて「当時の盤で聴きたい」と中古盤店を巡りレコードを集めている平成世代も増えているようです。

11/5は天地真理のバースデー!今年はデビュー45周年に当たります。
1970年代、老若男女を問わず人気を集め、キャラクターグッズも登場するなど(「ドレミまりちゃん」なんて自転車もありました)社会現象を巻き起こした「元祖国民的アイドル」。
まさに「昭和の白雪姫」でしたが、改めてその偉大な足跡を当時のレコードでたどってみましょう。

【ビギナー向け】・・・『ひとりじゃないの』(1972)

ひとりじゃないの,天地真理

天地真理が世に知られるきっかけになったのは人気ドラマ『時間ですよ』ですが、実は一度、オーディションで落ちています。
舞台となった銭湯「松の湯」の従業員役に応募したのですが、最終審査で落選。しかし拾う神ありで、おかみさん役の森光子が「あの子、もったいないじゃない」と、新しい役を作るよう提案。
それで生まれた役が、主演のマチャアキが憧れる「となりの真理ちゃん」だったのです。
途端に「あれは誰だ?」と爆発的人気になり、視聴率もアップ。大女優の慧眼、畏るべしです。
これはデビュー第3弾シングルですが、作詞の「小谷夏」は『時間ですよ』の演出家・久世光彦のペンネーム。
この曲で紅白歌合戦に初出場、紅組のトップバッターとして、白のパンツルックで登場したときのことは今も鮮明に覚えています。
売れてはいても、毎日寝るヒマもなく、遊びにも行けず、実は孤独だったそうですが、その彼女が「真理ちゃんスマイル」を浮かべながら、「ひとりじゃないって素敵なことね」と歌っていたのは、いま考えると皮肉と言わざるを得ません。
『新世紀エヴァンゲリオン』の映画版で、登場人物がこの曲を歌うシーンがありましたが、庵野監督は当時小学6年生、直撃世代です。孤独なアイドル・天地真理の内なる叫びが、伝わる人には伝わっていたのかもしれません。入手は容易ですので、ぜひ一枚備えておいてほしい名曲です。

【上級者向け】・・・『想い出のセレナーデ』(1974)

想い出のセレナーデ,天地真理

デビュー以来、11曲連続でオリコントップ10入りを果たした天地真理。この曲は結果的に、最後のトップ10ソングになりました。
作詞・作曲は、全盛期を支えた山上路夫・森田公一コンビ。9月に出た曲ですが、秋から冬にかわるこの時期に聴くと、何とも言えない切なさが心にグッと沁みてきます。
あなたの元にいそいそと、季節の花を抱えて通っていたあの日。あんなに通じ合った二人の心が、なぜ今は離れ離れに…。美しい旋律に乗せて別れを歌う天地真理。うっすらとした笑顔の中に潜む寂しさ。当時は「真理ちゃん=微笑み」というイメージがありましたが、私が思うに、彼女の魅力は『恋する夏の日』のような天真爛漫な曲よりも、むしろこういう愁いを含んだナンバーにこそ表れていたような気がします。
本曲を最後に天地真理の名前はヒットチャートから消えていきましたが、ぜひ記憶に留めていただきたい佳曲です。中古価格は少し高く700円〜1,000円ぐらいで取引されていますが、手に入れる価値は十分あります。

【その他、押さえておきたい一枚】

『水色の恋』(1971)

水色の恋,天地真理

記念すべきデビュー曲。キャッチフレーズは、歌詞にも出てくる「白雪姫」。デビュー前から歌っていた愛唱歌でもある。

『虹をわたって』(1972)

虹をわたって,天地真理

デビュー第4弾シングル。初の主演映画の主題歌で劇中、歌うシーンあり。共演はジュリーとショーケン!

【チャッピー加藤】1967年生まれ。構成作家。
幼少時に『ブルー・ライト・ヨコハマ』を聴いて以来、歌謡曲にどっぷりハマる。
ドーナツ盤をコツコツ買い集めているうちに、気付けば約5,000枚を収集。
ラジオ番組構成、コラム、DJ等を通じ、昭和歌謡の魅力を伝えるべく活動中。

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