今日、年間最多勝をかけた日馬富士との一番にも「今日は今日。明日は明日」 大相撲大関・稀勢の里寛(30歳)スポーツ人間模様

By -  公開:  更新:

稀勢の里が11日目、全勝の鶴竜を小手投げで下し、十一月場所は面白くなってきました。

稀勢の里

全日本力士選士権で優勝し、「選士権章」を腕に巻く稀勢の里=両国国技館 写真提供:共同通信社

稀勢の里、力はあります。今場所、遠藤、正代に負けた時は「またか」と思いましたが、この3日間は豪栄道、白鵬、鶴竜とそうそうたる顔ぶれに勝ち、念願の“横綱”は向こうから降りてくるような勢い。しかし、これが稀勢の里なのです。

今日は1敗で優勝争いのトップに並んだ横綱、日馬富士戦です。ここも気合が入るのは当然。年間最多勝がかかっています。ともに66勝。「今日は今日。明日は明日」といった、お決まりの言葉を繰り返しているだけですが、先場所とは気迫が違います。

28日の倉敷では、支度部屋へ、こんなはり紙が出された。『横綱、大関がけいこしているのに、よく寝ていられますね。よくご飯を食べていられますね』と。玉ノ井親方が書き、三役以下の力士へもっとけいこを! と喚起したわけです。これも、稀勢の里がすごいけいこを連日していたから。あまりの気迫に、貴乃花巡業部長が、「少し、セーブしたらどうか」とアドバイスしたほどです。

親方衆からは、「とてもいい感じだ。伸び伸びとしているところがいい」とかなりの評判でした。

では、どうして立ち直ったのでしょうか。やはり、10月3日に開催された全日本力士戦士権。力士が出場するため、選手権ではなく、戦士権です。ここで見事、初優勝を飾った。歴代の優勝者は、師匠の隆の里の名前が…。初めて、優勝の味をかみしめたのです。

現役大関で、本場所の優勝経験が1人だけありません。このコンプレックスを背負いながら、これまで期待されては挫折するという経験を重ねてきた稀勢の里。後半、このままの勢いで優勝し、「来場所は綱とり」という景色をもう一度見たいところ。今日の日馬富士戦、注目です。

radiko_time_1202

11月24日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

Page top