被災後は48時間を乗り切ることが大切だと言われています。自衛隊や消防等の公の救助が来てくれるまでの時間です。
さて、その象徴とも言える給水車がやってきました。水をもらいに並びます。ペットボトルやポリタンクなど水がたくさん入る容器が必要です。田中さんのお宅でも知り合いから大きなポリタンクをもらいましたが、水を入れると重過ぎて運べません。家中を探してキャリーカートを見つけ、ポリタンクを括り付けて給水車から水を運んだのです。
40日間毎日の水の運搬。その経験から生まれたのが、この防災セットが全部入っている3WAYバッグです。
リュックにもショルダーバッグにもなり、何と言ってもキャスター付きで楽々運べます。そして!ここが一番大事なのですが、なんと内部にウォータータンクが内蔵されていて18Lの水が入るのです(走行時は12~15L)。その為、ご年配の方も女性もお子さんでも給水車から水を楽に運べます!このバッグは最強ではないでしょうか。
厳選された基本セットにご家庭ごとに工夫するとさらに充実。赤ちゃんがいるご家庭ならおむつや離乳食、小さいお子さんならちょっとしたおもちゃ、持病がある方はお薬手帳といったアレンジです。小銭も入れておきたいものの一つです。
さらに、自動車用の非常用持ち出しバッグ=車載用防災セットも作りました。
車を運転中に災害に遭遇したら、左に寄せて止め、キーはつけたままで避難します。その時、このセットを活用して下さい。
車内備蓄ならではの道具を用意しました。
① 万が一、車内に閉じ込められてしまった場合に窓ガラスを割って脱出できるハンマー。
② 伝言板も入れました。車を置いて避難する時、車の持ち主である自分の電話番号やその他の情報を書き置きできます。
他に、長期保存飲料水・氷砂糖、ゴミ袋、多機能ツール、軍手・ロープ・笛セット、AM/FMラジオ付自家発電ライト、簡易トイレセット、使い捨てライター、ガーゼ付救急絆創膏、マスク、ポケットティッシュ、タオル、リフレクター付バンド、収納ポーチ、ボールペン付きメモ帳、アルミシート、雨合羽もセットされています。
自動車用の非常用持ち出しバッグ=車載用防災セットも、バッグに大きな工夫がされています。風雨や熱に強い素材、夜間の移動にも安心な反射板がついています。ショルダーバッグにもリュックにもなります。
そしてなんとリュックとして背負った時に被れるフードが内蔵されています。傘や帽子がない時に助かります。被災時は、とにかく1分1秒でも早く、遠くても歩いてでも家に帰りたい人がいます。そんな時にこの自動車用の非常用持ち出しバッグ=車載用防災セットが車内にあれば安心です。
こうして生まれた非常用持ち出しバッグ=防災セット。
では、その置き場所はどこがいいのでしょうか。田中さんは「自宅の中の避難しやすい経路の中で、物に埋まらないところ」が理想だと言います。納戸に置いてある方も多いようですが、納戸は地震で物が散乱し埋まって取り出せなくなるそうです。
さらに「物を備えることと知識を備えることが減災につながる」と教えていただきました。例えば、自分の通勤・通学経路で災害が起きた時どうしたらいいのか…ルート中の安全対策考えておくことなどです。歩いている道の右側が安全なのか左側がいいのか、倒壊しそうなものはないか…実際に考えたことがありますか?
非常用持ち出しバッグ=防災セットについての詳しい説明の後、田中さんがポツリとつぶやいた一言が印象的でした。
「うちの商品は使われない方がいい」
使うことがないようにと願いながらも、備えは必要。
「備えあれば憂いなし」
被災体験の知恵が詰まった非常用持ち出しバッグ=防災セットが防災に対する心構えも教えてくれました。
※あの日、自分が被災者になって判ったことがありました「ニッポン放送オリジナル本当に必要な26種類の防災セット」製造秘話その① はこちら>
※3つの必要なもの~それは“食料・灯り・情報”「ニッポン放送オリジナル本当に必要な26種類の防災セット」製造秘話その② はこちら>
レポート:ひろたみゆ紀
ニッポン放送オリジナル 本当に必要な26種類の防災セットはこちらから>
自動車用の非常用持ち出しバッグ=車載用防災セットはこちらから>