3/31(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！②
二等書記官らも出国～北朝鮮には勝てなかったマレーシア
7:02～ひでたけのニュースガツンと言わせて！：コメンテーター宮家邦彦(外交評論家)
マレーシアから北京へ向かう機内で記者がキム・ウクイルさんかと問うと男性(左)は「違います」と答えた=20170330クアラルンプール 写真提供：共同通信社
金正男氏の存在はなきことに？高嶋）金正男氏の遺体引き渡しについて、北朝鮮とマレーシアが了解をして二等書記官らが出国、ということなのですが。これに対して宮家さんは「北朝鮮の勝ち」と表現されました。何を指してそうなりますか？
宮家）まず「金正男」とは誰も言っていないでしょう？ 彼らは否定しているわけですよね。それから御遺体を北朝鮮にいる遺族に送り返す。つまりマカオに行かないということですよね。しかもビザ無し渡航制度を再導入することについて前向きに協議する……これはどう見ても北朝鮮の思う通りではないですか。マレーシアにも異論はあったのかもしれないけれど、結局尻切れトンボになってしまいましたね。
高嶋）金正男さんの遺体を北朝鮮に引き渡すということは、彼の家族はマカオと北京ですから。幽閉の身のジョンチョル、弟の彼に渡すということは無いから、いわゆる政府に返すということになるのですよね。
宮家）そうですよね。
高嶋）これはどういう風に向こうは利用しようと考えているのでしょうか？
宮家）分からないけれど、私だったら跡形もなく無くしてしまいますね。だって困るでしょう？ そもそも“正男さんではない”のだから。キムチョルさんだからね。「そんな人いたかな？」という話になるのですよ。要するに存在して欲しくない人……
高嶋）マレーシア政府は疲れてしまったのですかね？ どうですか。
宮家）やはり平壌に人質を取られていたことが大きいのではないですかね。やはりマレーシアにも国民がいてね。説明しなければいけないから、永久にはやれないでしょう。相手は変な人たちですから。
高嶋）ノーマルとアブノーマルとが対決したら、そりゃあ……
宮家）アブノーマルが強権使ったらそりゃあノーマルはなかなか対抗できないでしょう。
高嶋）やはり人命尊重というか、第一に……まず国を返すという、そこから入ったのですかね。
宮家）あんなことの為に人質を犠牲にするのかと言われたら何もできませんよね。酷い話です。
高嶋）実行犯の女の子がいますよね。毒を擦り付けた。あの2人がつかまりましたよね。
殺人を認めるとマレーシアでは死刑になるそうですが、あれの扱いはどうなりそうですか？宮家）認めないでしょ、彼女たちは。だって死刑になりたくないからね。でもそうやって頑張ると、微罪とは言わないけれど、何年かは刑務所かもしれないけれど、下手したら解放されるわけですよね。そうしたら今度は北朝鮮に狙われてしまうという。どっちみち彼女たちはかわいそうですね。もし本当に使われたのであればね。
北朝鮮が崩れても ハンソル氏に居場所はない高嶋）このプロセスの中で、ひとつだけ救い、と言ったら怒られますけれど、金正男は「お前何やってんだよ」という感じがしたじゃないですか。「薄汚い顔して」みたいな。ところが息子であるハンソル氏。これが妙に清潔感にあふれていて、頭も良くて英語も非常にうまくて。それで彼が父から言われていたことというのがね、なかなかに良いことを教わっているわけですよ。食事しているときに「飢餓にあえいでいる人がいる」とか。それで彼は自分の志として、「いずれは朝鮮半島に帰って、民の為に統一をしたいし、いろいろと力を尽くしたいのだ」というようなことを言っていて。今はどこに行ってしまったかわかりませんけれどね。いずれ彼を立てて、あるいはアメリカだの中国だの、どういう動きをするかは分からないけれど、北朝鮮が沈没した暁に、このハンソルが出て、さわやかな国家に変身する……ダメでしょうか？
宮家）いや、どうですかね……今の段階であんなこと言ったら、北朝鮮に狙われるに決まっているじゃないですか。それから北朝鮮でおかしなことになってですよ、それで金正恩のシステムが崩れていくとするでしょう？ そうなったら彼が出て来れる状況ではないですよ。もう国は潰れて、下手したら戦争になるかもしれないし、逆に言えば韓国による統一だって動くかもしれないし。その時にあのボンボン（ハンソル氏）の出番があるかな。私はちょっと疑問ですね。北朝鮮の政権が一回崩れたら「あなた誰？」という話ではないですか。
高嶋）とりあえず金正男に対してね。北朝鮮が遺体をどういう処置、扱いをするのか。
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