失業率低下するも賃金上がらずで真っ青な黒田日銀総裁と安倍首相!?高嶋ひでたけのあさラジ!

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4/3(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

大手は儲かっても中小零細企業に利益配分が行かない
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

合同企業説明会に参加する就職活動中の大学生ら=20170301午後1時半ごろ京都市左京区みやこめっせ 写真提供:産経新聞社

2月の完全失業率2.8%も賃金が上がらない矛盾

高嶋)すごいなと思ったのは、2月の完全失業率というのが先週の金曜日に発表になりました。2月の完全失業率“2.8%”に改善された。これは専門家に言わせると「ほぼ完全雇用に近い」と。

須田)そうですね。1994年6月以来の低水準という状況になっているわけですね。

高嶋)これは大変なことなのですか?

須田)ええ。この数字自体を取ればね、大変なことだと言っても良いのではと思いますね。それで、これに付随する数字としてはですね、東京とか名古屋の有効求人倍率というのが2.00を超えているのですよ。

高嶋)1人の学生に対して、求人が2人。

須田)2人いる、という状況で。そうすると普通に考えると日本経済も完全復活だという風にも思えるのですが、私は必ずしもそうは見ていないのですよ。

高嶋)どうしてですか?

須田)どうしてなのかというと、ここまで失業率が下がっているのに、殆ど賃金が上がっていないから。たしかに春闘などを見ると、一部大手企業はベースアップを実現したり、いい方向に言っています。ただ、日本企業の99%は中小零細企業ですから。中小企業の殆どの所が「とても賃金なんか上げられる状況にありません」というのが実態なのです。

高嶋)なるほど。ずいぶん矛盾していますね。

須田)そうですね。これは壮大なる矛盾ですよ。そしてこの状況を受けて、真っ青になっている人たちが何人かいまして。私は2人上げたい。

高嶋)真っ青。

須田)真っ青な人たち。1人目は、黒田日銀総裁。もう1人が安倍首相ですね。安倍首相はこの状況、森友学園以上に真っ青になっているのでは、と私は思いますね。どうしてかというと、アベノミクス第1幕に、3本の矢というのがありました。その1本目が“異次元の金融緩和策”というのがあった。なぜこれがあったのかというと、賃金を上げるためなのです。実は日本に限らず、たとえばアメリカのFRBでも、金融政策の基本をどこの指標においているかというと失業率なのです。つまり金融緩和をすれば失業率がどんどん下がっていく、そうすれば賃金も上がっていく。間接的に賃金を上げていくために金融緩和をやる、というのが中央銀行の常とう手段というか、目的なのです。


これまでの経済学の常識では説明できない矛盾

高嶋)なぜ日本はそういう状況あっているのに賃金が上がらないのですか?

須田)これがなかなか説明がつかないのですが、私の個人的な説明をさせていただくとするなら、言ってみれば日本は輸出立国貿易立国ですよね。日本の主要産業は“自動車”、“電機”、“機械”なのですよ。いずれも基本構造はよく富士山の裾にたとえられるように、大手企業があって、その下に沢山の星の数ほどの中小零細企業が連なっている。言葉を変えれば“部品メーカー”とか“協力企業”とか“下請け企業”と呼ばれていますね。大手企業はもうかっているけれど、結果的に中小零細企業に利益配分が行かない。なぜかと言うと、製品価格が上がらないから。例えば薄型テレビです。10年前には1インチあたり1万円したのですよ。30インチのテレビは30万円で売られていた。ところが現在では1インチあたり1000円。10年間で10分の1に値段が下がっている。

高嶋)当初は昔の鄧小平ではないですが、「潤うやつから最初に潤え」と。そうしたらだんだん下の方も豊かになってくる、と。

須田)それを狙った。

高嶋)それで、例のトリクルダウン。(アベノミクスで)言っていましたよね。私もダウンがあると思っていたのだけれど、私も周囲の人間(ラジオ関係者)もかなり厳しくて。「給料が上がった」と笑うやつは一人もいないですね。

須田)そういった意味で言いますと、最終的に大手企業が造っている製品価格が上がっていかないものだから、中小企業に利益配分できないのですよ。部品単価があげられない。むしろ、下がっているくらい。

高嶋)その辺が凄い矛盾ですね。これはいままでの常識ある経済学でいうと、こんなことは「?」と首をかしげるのですか?

須田)説明できないですよ。私の友人の高橋洋一先生も説明できません。

高嶋)高橋先生に分からないことは無いのでは……

須田)無いのですけどね、快刀乱麻なのだけれど、「なぜここまで失業率が下がっているのに?」というところがありますね。

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高嶋ひでたけのあさラジ!
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