目標はレギュラー・3割・30盗塁!巨人・立岡宗一郎外野手(26歳) スポーツ人間模様

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昨日のヤクルト戦、巨人の立岡が地元熊本で3安打の猛打賞と大活躍。これぞ故郷に錦の典型といえるでしょう。相手先発も、同じ熊本出身の山中でしたが、球場は巨人ファンばかり。最近の東京ドームでは感じられない、昭和のムードが漂っていました。

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5回巨人1死一塁、立岡がこの試合3安打目となる右前打を放つ=2017年4月18日 熊本 写真提供:共同通信社

立岡は地元では、中学時代からスポーツ万能として名をはせていた。軟式野球部では投手。130キロ台中盤のストレートを投げたそうですから、それはもう、ケタ違いのポテンシャルです。

野球だけにとどまらず、陸上の短距離選手としても多くの大会へ出場。かなりの成績をあげています。ただ、目標はプロ野球選手。鎮西高へ入学してから、自らの意志で野手へ転向しました。

「松井さんのようになる」。松井さんといっても、松井秀喜ではなく、松井稼頭央(現楽天)でした。全国大会出場の実績はなかったものの、2008年のドラフトでソフトバンクから2巡目指名を受ける。王監督が勇退し、秋山体制のスタートでした。秋山2世とまで評され、とにかく期待が高く、与えられた背番号は7。

ところが、ソフトバンクではプロの壁を思い知らされるばかりでした。10年に1軍へ昇格を果たしましたが、出場したのは、わずか1試合。それも、代走で翌日には登録を抹消されて再び、2軍でした。そうはいっても、ウエスタンでくさらず、アピールを繰り返す。

見ている人はいるもの。報告を聞いた巨人・原監督が「絶対にほしい」と、トレードでの獲得を画策した。
12年、シーズン中の6月、2対2の交換トレードが成立。もし、巨人へ移籍しなかったら、果たして昨日のようなスポットを浴びることがあったのでしょうか。

環境を変えたのはプラスでした。そうはいっても、ピンチをチャンスへ変えたのは立岡の努力。移籍直後に出場したイースタン戦で、アクシデントが発生します。守備で味方と交錯して、左ひじのじん帯を断裂。

激痛が走って、右打席ではバットが振れない。そこで左打ちへ挑戦しました。わずかな期間でモノにしてしまうあたり、やはり必死になればできる。脚にスランプはありません。何でもないセカンドゴロがヒットになる。これが生き残りの道でした。ブレークは15年。自己最多の91試合に出場して、規定打席未到達ながら、打率3割4厘をマークします。

立岡は、

「目標は1番、センターで3割、30盗塁です」

と言います。さらには、

「もちろん、130試合以上、出て-」。

層が厚い、巨人の外野陣です。FA移籍した陽や、ギャレット、不調の長野が足踏みしている現在、レギュラーの地位を固めなければなりません。

熊本同様に、鹿児島で行われる今夜のヤクルト戦も結果を出し続けることが必要。サバイバルが続きます。

4月19日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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