男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグ。
リーグ戦も残り7試合。
すでに西地区はシーホース三河、中地区は川崎ブレイブサンダースが地区優勝を飾り、チャンピオンシップ進出を決めていますが、東地区は優勝争い大混戦の真っ只中です。
1位・栃木ブレックス。4ゲーム差で2位・アルバルク東京。さらに1ゲーム差で3位・千葉ジェッツ。
直接対決は絶対に落とせない中、土日に行われたアルバルク東京対千葉ジェッツは3位の千葉ジェッツがアウェーで連勝。一気に差を詰めました。
その第1戦で勝利の立役者となったのは石井講祐選手。
第4クォーター、さらにオーバータイム(延長戦)で立て続けに3ポイントシュートを決めるなど17点をマーク。リーグNO.1の3ポイントシューター(4月16日現在、成功率42.4%)として役目を果たしました。
前回に引き続き、千葉ジェッツ・石井講祐選手には得意の3ポイントシュートの極意、そして重点強化選手に選ばれた日本代表、プライベートについてもお話を伺いました。
土曜日のアルバルク東京戦は“打てば入る”と思えるほど3ポイントシュートが絶好調だった石井選手。しかしチームが石井選手のシュートで追いついても、突き放しても、笑顔や派手なガッツポーズはありません。
漫画「SLUM DUNK」の好きな選手は「仙道(陵南)ですけど、三井(湘北)みたいな活躍がしたいですね」とプレーにおいてもクールなシューターに惹かれるそうで、大好きなNBAでもシューターを好きになることが多いそうです。
そんな石井選手が3ポイントシューターとして目覚めたのはいつ頃だったのでしょうか?
「3ポイントを打ち始めたのは高校3年生くらいからです。バスケットを始めたころは全然は届かなくて、だんだん距離を伸ばしてきて高3くらいでちゃんと届くようになってきましたね。」
まさに“努力に優る才能は無し“
それでも3ポイントシュートの極意のようなものがあるのか、聞いてみました。
「身体の感覚ですね。足の入り方とか、力の入れ方、手首の向きとか色々あるんですけど、しっくりくる感覚が人それぞれにあると思います。人によって骨格や体の柔らかさも違うので、感覚がわかるまで沢山の量を打つことを繰り返し、繰り返しやることが大事です。そうすると、だんだん掴んでくると思います。」
これから3ポイントの上達を目指す子供たちには「子供の時はちゃんと打てるフォームで、シュートの届く距離で大丈夫です。自分も小さい時は届く距離でしか打たなかったので、結果的にシュートフォームが固まってよかったのかもしれませんね。試合でも意識しないで体が勝手に反応するくらいになるまで練習できれば、自信になると思います。」とアドバイスを頂きました。
これだけ3ポイントを決めている石井選手。スランプなどはあるのでしょうか?
「スランプ…そうですね。シュートが入らない試合はもちろんあります。今は試合に入るまでにメンタル面も意識するようになりました。たまたまメンタルトレーナーの方に知り合う機会があり、2年くらいトレーニングを受けています。」とスランプをスランプとは捉えない気持ちの強さがシュート成功率の高さに結びついているのかもしれません。
あとはやっぱり“練習”。
「常にシュート練習をしっかりやります。“フリースローを10本連続で決めるまで終わらない”とか自分で条件を決めて練習していますね。」という日頃のたゆまぬ努力が実を結んでいる石井選手。インタビューをしていて感じる実直な人柄や、試合の時の冷静なプレーから黙々とシュート練習する姿がイメージできるのですが?…
「そうですね、嫌いじゃないです(笑)」と、はにかんだ笑顔で答えてくれました。
チームの勝利はもちろんのこと、今季の石井講祐選手には個人的な“目標”もありました。それは日本代表・アカツキファイブ入りです。去年12月、日本代表候補重点強化選手に初めて選出され、強力なライバルらと共に強化合宿に参加しています。
「今シーズン初めて代表に選んでもらって、そこを目標にしてやってきました。第一段階としてメンバーに残り続けるのが大事ですし、合宿でしっかりアピールしたいですね。最終メンバーに残れるかどうかは、(相手やライバルと)数センチのこと、細かいことを詰めていけるかどうかだと思います。(その距離は)近づいてきている実感はありますし、縮めて成長していければ限界は無いと思うので。」
“限界は無い。”それまで優しかった石井選手の声色に、グッと力がこもりました。
普段プレーでは見せないような感情、そして秘めたる闘志をインタビューの終盤に垣間見ることができました。
そんな石井選手のオフの楽しみのひとつが温泉。
「オフはのんびりケアしたり、フラっとどこかへ出かけたりしますけど、特にスーパー銭湯には1人で行きます。その日の気分によって車で立ち寄りますね。」温泉や湯船に物静かにたたずむ石井選手の姿、絵になります。
さらに「小さいころから恐竜が好き」という石井選手。
「塾の迎えを待つ間、恐竜図鑑ずっと見ていた」ことがきっかけで、大人になっても好奇心は変わりません。幕張や上野の恐竜博にもしばしば足を運んでいたということで、お気に入りの恐竜は「ティラノサウルスですね。ペーパークラフトが部屋に飾ってあります。最近もろくなってきて首が折れていることもありますけど…」と趣味のことを話す時にはお茶目な一面も見えました。
アルバルク東京を破り、月末は首位・栃木ブレックスとの大一番を控える千葉ジェッツ。逆転優勝へ向け、その勢いを加速させるべく週末は千葉ポートアリーナで仙台89ERSを迎えてのホームゲームが行われます。
最後に石井講祐選手からBリーグ・千葉ジェッツの観戦アピールをお願いしました。
「バスケットボールは会場に来て一度見て貰えれば、コートも選手との距離も近いので楽しさがわかると思います。ぜひだまされたと思って(笑)一度会場に来て欲しいです。来てくれれば3ポイントシュートもしっかり決めますので。」
日本一、3ポイントを決める男・石井講祐選手の3ポイントを見れば、“見に来てよかった”と思えること間違いなし。
ぜひライブで、洗練されたシュートフォーム、ボールの放物線、ネットが揺れる乾いた音を体感しにアリーナへ!
千葉ジェッツ vs 仙台89ERS
開催日:4/22(土)15時~、23(日)15時~
会場:千葉ポートアリーナ(JR京葉線「千葉みなと駅」より徒歩15分、JR「千葉駅」より徒歩16分、京成電鉄「千葉中央駅」より徒歩12分、千葉モノレール「市役所前駅」より徒歩8分)チケット:https://chibajets.jp/ticket.html
千葉ジェッツ:https://chibajets.jp/
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次回は4月25日(火)の更新予定。
横浜ビー・コルセアーズを引っ張る“オフェンスマシーン”川村卓也選手にお話を伺います。
(清水久嗣)