ノミが室内で増殖して人も皮膚炎に(筆者の体験談)!愛犬と愛猫の寄生予防は万全に【ペットと一緒に vol.24】

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みなさんは愛犬や愛猫のノミの寄生予防策はバッチリですか?
筆者は以前、室内で繁殖したノミにより、強烈に痒い皮膚炎になりました。その経験と、ノミに有効な予防策をご紹介します。

痒すぎる!ノミによる皮膚炎の経験談

筆者はオーストラリアのホームスティ先で、「ノミ刺咬症」で苦しんだことがあります。
最初は「なんか足首にポツポツと赤い斑点があって、すごく痒いな」と思っていたのですが、あるときズボンの中をなにか小さな虫が動く感覚があり見てみると、ノミ! 30年前、祖母と必死で猫のノミを「ノミ取り櫛」で取って以来の再会です。メスのノミを指でつぶすと卵が飛び散ると聞いた覚えがあるので、30年前と同様に、まずは粘着テープにノミをくっつけました。

その後、床に這いつくばって探してみると、2~3匹が元気にカーペットの上でジャンプしているではありませんか! 慌てて洗面器に水を張って自室に戻り、粘着テープにノミをつけては水の中へ……。
オーストラリアで迎えて同室で生活していた愛犬リンリンにも、2匹ほど寄生していました。

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オーストラリアは晩秋でしたが、気温が13度あればノミは活発化するのです…

さっそく翌日、生後3カ月の愛犬にはスポットオンタイプの駆虫薬を投与。
さらに、ホストマザーのアドバイスで、くん煙剤も使用。

ところがノミは減りません。数日後にはなんと、寝ていると背中や太腿にゴソゴソとした感触すら覚え、飛び起きて布団をめくったところ、ベッドの中にまでノミがいたのです。サナダムシ(瓜実条虫)の卵を宿しているノミをうっかり飲み込んでしまうと、人や犬や猫は消化管内で二次感染するし……。と、おちおち寝てもいられなくなりました。

環境中にいるノミのうち、実は、くん煙剤などで死滅させられる成虫は5%ほどにすぎないとか。残りの95%の幼虫とさなぎと卵は、多くの殺虫剤ではダメージを受けないのだそうです。

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「室内では洗えるラグを活用するのも、ノミやダニ対策にいいかもね」

ノミは手ごわい!

体長2ミリほどのノミは気温が13~14度になると活発になり、産卵を開始。卵が成虫になるまでに、梅雨から夏は2週間程度、春と秋は3~4週間程度かかります。

室内でノミを発見したら、とにかく徹底的に掃除をするに限ります。

オーストラリアでも、ホストマザーと毎日数回、掃除機を家中くまなくかけ続けました。洗濯機で洗えそうなものはすべて洗い、なんとホストマザーは古いカーペットは捨てて新調までする徹底ぶり。

不思議なことに、ホームステイ先には私のほかに4名が暮らしていたのですが、ノミが原因で皮膚炎になったのは私だけ。犬や猫では「ノミアレルギー性皮膚炎」と言われるとおり、ノミの唾液に対して、ホストファミリーはアレルギー反応が起こらない体質だったのでしょうか?

ちなみに、「Kyoneが犬の行動カウンセリングの出張研修に毎日3~4件行くから、どこかからノミを連れて帰って来たに違いない」と疑われていたのですが、そのときのノミの発生源は隣家の猫ちゃんでした。遊びに来る小学生が「ボクはなんともないけど、お姉ちゃん2人も、Kyoneみたいに赤いボツボツが全身に広がってて大変なんだ」と言ったことで、隣家の猫ちゃんに寄生したノミが隣家から持ち込まれたという結論に。
そもそも出張カウンセリング先の方々は、ほぼ漏れなく愛犬のノミの予防策は行っていたようですから。

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ノミとダニは草むらに潜んでいます。お出かけ前には、しっかりノミ・マダニ予防を!

ノミ寄生の最良の予防策は?

ノミは寄生を予防するのが重要です! と、皮膚炎の経験から身をもって感じました。
気温が13度を超える日が続くようになるころから、動物病院で処方をしてもらい、ノミ(&マダニ)の駆除薬を投与しましょう。動物病院で処方される駆虫薬はノミの卵の孵化を阻害してくれるので安心です。
スポットオンタイプのほかチュアブルタイプなど数タイプあるので、動物病院で相談しながら愛犬や愛猫にマッチするタイプの駆虫薬を選んでみてください。

とはいっても、1回の投薬ではすべてのノミはいなくなりません。未成熟期のノミを根絶するために、また、新たなノミが愛犬や愛猫に寄生するのを防ぐためには、定期的(毎月1回のケースが多い)な駆虫薬の投与が大切になります。

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定期的な予防が大切です!

実は昨年、ノミ予防が遅れてしまい、我が家の愛犬にも1度ノミが寄生したことがあります。散歩から帰宅して愛犬の足を拭こうとした際に発見!
その後、険しい形相で必死になって掃除機をかけたのは、言うまでもありません。

室内飼育の猫でもノミがつくので要注意だと、「猫の診療室モモ」の谷口史奈院長は語ります。「4月半ばのつい先日も、お花見の際なのか、飼い主さんが衣類につけて自宅に持ち込んだと思われるノミをつけた室内飼育の猫ちゃんが来ました」とのこと。
谷口先生が推奨するとおり、終生室内で過ごす猫にも、予防的に駆虫薬の投与をする必要性を感じます。
もちろん、愛犬への予防策も怠らず、筆者のように苦しまないですむように、快適な春~秋をお過ごしください。

連載情報

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ペットにまつわる様々な雑学やエピソードを紹介していきます!

著者:臼井京音
ドッグライターとして20年以上、日本や世界の犬事情を取材。小学生時代からの愛読誌『愛犬の友』をはじめ、新聞、週刊誌、書籍、ペット専門誌、Web媒体等で執筆活動を行う。30歳を過ぎてオーストラリアで犬の行動カウンセリングを学び、2007~2017年まで東京都中央区で「犬の幼稚園Urban Paws」も運営。主な著書は『室内犬の気持ちがわかる本』、タイの小島の犬のモノクロ写真集『うみいぬ』。かつてはヨークシャー・テリア、現在はノーリッチ・テリア2頭と暮らす。東京都中央区の動物との共生推進員。

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