米中は競い合うのではなく協力し合う関係へ 高嶋ひでたけのあさラジ!

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5/8(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

麻生財務大臣がアジア開発銀行(ADB)基金に45億円拠出表明
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

アジア開発銀行第50回年次総会で各国の総務と記念撮影に臨む麻生太郎副総理・財務金融相(前列中央)右は中尾武彦総裁=20170506午後パシフィコ横浜会議センター 写真提供:産経新聞社

アジア開発銀行第50回年次総会で各国の総務と記念撮影に臨む麻生太郎副総理・財務金融相(前列中央)右は中尾武彦総裁=20170506午後パシフィコ横浜会議センター 写真提供:産経新聞社


アメリカ・日本のアジア開発銀行(ADB)と中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)

高嶋) アメリカと日本が主導してやっているアジア開発銀行、それから中国が主導するアジアインフラ投資銀行。この2つが争っている感じですが、アジア開発銀行がアジアのインフラ需要を2030年までで考えると26兆ドル、約2900兆円必要だと。ところが2016年の融資額はアジア開発銀行がたったの175億ドル、約2兆円。一方AIIBに至ってはわずか17億ドル、約190億円に留まっていると。これガタイはやたらデカいけど、実際に投資機能というか、アジアを盛り立てる為の金額というのはない袖は振れぬとなっている。

須田) 圧倒的に足りないですね。ただADBの問題点というのは融資のノウハウだとか回収ノウハウはあるけど、お金があまりない。それでも2兆円やったというのは「よくやった」という部類に入ると思います。なぜかというと、アジアの資金需要はあまりにも大きすぎる。15年間で2900兆円ですからADBだけでは賄いきれない。片やAIIBは、ノウハウはまったくないけど金だけはあると。だからAIIBのほうは実績があまり上がっていかない。だったら両方で協力してやったほうがアジア各国にとってはメリットがあるのでは? あるいは発展途上国が必要としている水道、電気という需要に応えていったほうが将来的に日本や中国のメリットになるのではないですか? そこに電気が通れば家電製品も買ってくれますよね? 水道施設に関しては日本の業者がたくさんノウハウを持っていますよね? お金を出せば両方がWin-Winですよね? というのが今回のADBとAIIBの協力の背景にあります。

高嶋) 昔のイメージで考えると間違えますね。今の開発途上国というのはものすごい勢いで豊かになりつつある。要求してくるものというのもただ井戸を掘ればいいとか、そういうものではレベルが全然違う。

須田) 毎日風呂に入りたいとか、朝から晩まで電気を付けたいというニーズが出てきています。ただ問題なのはADBというのは日本が単独でやっているわけではなく、親分がいます。これは誰かというとアメリカ。世界銀行のアジア支店みたいなものですから。アメリカが首を縦に振らなければ、いくら日本が頑張ってみたところでAIIBとの協力体制は築けないと思います。

高嶋) 日本が45億円を拠出するということで、これもけっこうデカい活字になってしまって。

須田) ただこれは資金であり資本。資金調達をする、自己資本に入ってくる部分で、45億円そのものを融資するわけではありませんから。それはそれで日本もよくやっているなと思います。


Win-Winのためにアメリカと中国の関係性は変わりつつある

高嶋) 結論を少し急ぎますけど、アジア開発銀行とアジアインフラ投資銀行、アメリカ・日本対中国。これからは一緒になって考えていきましょうということですか?

須田) 一緒になったほうがお互いにメリットがありますよね、さあアメリカは首を縦に振りますか? というところに来ています。

高嶋) トランプ政権はどうでしょうね?

須田) どうでしょうかね。AIIBに日本とアメリカは参加していませんから。参加するか否かというところがポイント。だから日本としては先に参加されてしまうと、つらい立場になりますから。アメリカの動きをじっと見ていかなければならないということですね。

高嶋) 前はアメリカと中国が競い合っているという図式で観ていましたけど。今や姿形はすっかり変わったということですね。

須田) そうですね、構図は変わった。仲良くやったほうが、お互いにメリットがあるのではないかという流れになりつつあると。

高嶋) それほど資金需要が大きいということですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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