5/16(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
浙江省とヨーロッパを繋ぐ貨物列車を共通化
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター富坂總(ジャーナリスト・拓殖大学教授)
中国「一帯一路」会議 130ヶ国1,500人が参加高嶋)中国の一帯一路の会議が幕を閉じまして、最初の内は「嫌に大風呂敷だな」と思っておりましたけども。あのトランプさんがあれだけの保護主義をやり、そしてEUの方もなんとなく落ち着かないみたいなことを見ると、なんか中国が「反保護主義」なんていうのを掲げてね(笑)。
それで参加者が130ヶ国の1,500人で、ロシアやイタリアとかも行っていたし、29ヶ国は元首クラスが来ているって、なんかすごいことになって来ましたね。富坂)世界経済で期待できるものが段々無くなってきているというというのもありますしね。これは中国がひとつの発展モデルを終えたので、その代りとしていわゆる公共事業を外に出す段階に入ったということですね。
日本はODA(政府開発援助)といって、援助と言っているのですけど実は公共事業を外でやったようなもので、あれは全部日本の企業が受けて戻しているのですよね。物は現地にできるのですけどね。だからそれと同じようなことをやろうということで始まっているのですけども。
投資というのは集中的にやると効果が出ますから、例えば「これからはミャンマー!」「いやインドネシアだ!」「いやフィリピンだよ!」というのだったら「一気にやっちまえ」というのが元々の発想ですね。
まるで“新シルクロード” 浙江省とマドリードを18日間で繋ぐ貨物列車富坂)そんな中で、この“風呂敷”だけではなくて現実に動いている部分があるので、これは非常に面白いなと思っている。例えば今浙江省の義烏(ぎう)というところから実はヨーロッパまで貨物列車が通っているのですよ。
高嶋)え!? 浙江省からスペインのマドリードまで貨物列車が通っている? 線路を作っているということですか?
富坂)はい。これ途中で枝分かれしてエストニアのカリに行ったりロンドンに行ったりテヘランに行ったりアフガニスタンに行ったりと、いろいろ枝分かれをしながら一本太いのは18日間掛けてマドリードを行ったり来たりしているのですよ。
高嶋)えらい具体的になっているのですね。
富坂)そうなのですよ。例えば今の時期だったらこれから売れる扇風機を積んで行ったり、簡単な家電も積んで行ったりして、帰りにチーズとかオリーブオイルとかワインを積んでマドリードから帰って来るわけです。
そういう小ロットの商売が出来るようになったとよく言われるのですけども、これまでは海路や空路だと飛行機は高い、海だと遅いということで、大量に売れる物しか持って来られなかった。そうすると大企業の大メーカーしか中国貿易に関われなかったのですけど、18日間で来る、途中だったら1週間くらいで来るわけです。
その来る途中の人たちは「え、だったら1週間で小さいロットで持って行ってこれをバッと売れば良いじゃないか」って中小の人が入って来られるようになった。そうすると本当に皆が知っているメーカーじゃなくて地元の、例えば日本酒で言うと小さい蔵元が商品を持って行けるようになったという感じですね。中小が入って来ると俄然活性化しますし。
それと同時に結局少なくともこれ11ヶ国を跨ぐ物の移動になりますので、一々各国で通関手続きをやっていたらもう膨大で、作業がどうしようもない。だけどこれ通した方が皆良いので、共通化してしまおうということなのですよ。
最初の報道で、例えばG7でイタリアしか行っていないよとかそういう少しズレた報道が出たのですけども、来て欲しかったのはここの沿線国なのですよ。要するに共通化みたいなのができて、中国が駅とか工業団地などを作っていくので、コンセントひとつまで中国の方式になっていく。そういうものもねらいだと思いますね。高嶋)ワインのシャトーを買っているとかニュースになっていますけれども、そんな鉄道が敷かれているのですね。そして通関手続きなんかは関係無いという風にしているということは要するにEUみたいになっていくということですよね。
富坂)そういうことなのです。EUのように理念から入って、上から下にいろいろ細かいところに置いていったのではなくて、逆に上は無しで下からだけということですね。
高嶋)なるほど。