中国初の国産空母進水~なぜいまさら空母なのか?高嶋ひでたけのあさラジ!

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4/27(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④

南シナ海支配への影響は?
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)

中国遼寧省大連で進水式に臨む初の国産空母

中国遼寧省大連で進水式に臨む初の国産空母 China's first domestically built aircraft carrier, the Type 001A, takes water at Dalian Port in Dalian city, northeast China's Liaoning province, 26 April 2017. 写真提供:時事通信


自国での空母完成は中国で長年の夢だった

中国が建造していた初の国産空母がほぼ完成し、きのう午前に進水しました。中国にとって国産空母の建造は長年の悲願で、習近平指導部はさらなる海洋進出を狙い、2隻目以降の国産空母の開発を加速させていく構えです。

高嶋)遼寧は鼻先で笑われましたが、今回は本物なのでしょうか。

森田)中国は国策に掲げる“海洋強国”を築くために、空母の研究開発は欠かせないとしています。2012年にウクライナから購入し、回収した、旧ソ連型空母“遼寧”がありますが、今回は大連市で作っていた初の国産空母。きのう進水し、今後試験航行を経て、2020年ごろの就役を目指します。今回の空母は“通常動力型”で、既に動力や電力など、主要系統の装備は完了しています。遼寧と同じように、船首部分に傾斜が付いた、スキージャンプ式の甲板で艦載機の離艦を行います。遼寧よりも12機多い、36機の艦載機を搭載できるということです。また、上海での建造が伝えられている、2隻目の国産空母には、高圧蒸気で艦載機を発進させる、カタパルトを搭載する可能性があり、このほかに原子力空母の建造も計画しているようです。今回の空母の建造費は公表されていませんが、少なくともおよそ8000億円におよぶとされています。一方、アメリカ軍は現在カール・ビンソンなど10隻の原子力空母を持っているので、力の差は歴然ですが、習近平指導部は、「現在制作中の2隻目の国産空母で技術的な飛躍を図り、世界1流の海軍を作りたい」と話しています。

高嶋)順調に進んでいるのでしょうか。

山本)順調ではありますね。ただ、やはり「いまさら空母か?」という感じはしますね。あれは20世紀の兵装ですから。とは言いながらも、大国になった以上は空母が欲しいというのが彼らの願望でしたから、そのルートに従ってやっている、ということですね。2隻目というのは、基本的なパターンは1番艦の遼寧、旧ヴァリャーグですね。これと基本的には同じで、その点では驚くべきポイントでは無いのですが、そう言いながらも南シナ海が管轄になりそうということで、南シナ海問題には新しい脅威かと。これは間違いないと思います。

高嶋)中国の空母と言うのは、原子力ですか?

山本)いいえ、通常動力型ですから、油を焚いてエンジンを回す。航空母艦をアメリカがなぜ原子力化しているかというと、大量の航空燃料を積まなければならないから、というのがひとつあるわけです。これですと、当然ながら飛行機と別に自分の船用の油を積まなければならない。キャパに限りがありますね。


南シナ海での力関係に大きな影響がある

高嶋)南シナ海辺りは、だいぶ力関係が変わっていくのですか?

山本)それは変わりますね。どうしても周りには小さい国が多く、しかも真ん中に滑走路を備えた人工島を3つこしらえていますから。これはやはり中国の南シナ海支配という展開から見ると、こういうのを海南島とかに持ってくるのを見ると、かなり野心的ですよね。そこについては物を言わないといけないと思います。ただ、軍事を純粋に見るとやはり、いま3番艦で準備をしているといわれるカタパルト。飛行機を米軍のように、パチンコのように打ち出すあれが付いてきて、しかもそこから先に原子力空母の建造が見えてくると、これはかなりのものだな、と認めざるを得ないですね。

高嶋)いまのところは、自力で2隻目の空母を作ったはいいながら、アメリカとの差は、もう毅然の物であると。牛歩だけれど、3隻目を造船して、それで完成の域を目指す、みたいな。

山本)4隻くらいまで見えているようですね。ただ空母、艦隊は金食い虫ですから、結局は中国経済に跳ね返ってくるのです。そこのかみ合わせがポイントですね。

高嶋)ある意味では中国にも大国の見栄のようなものがあるのでしょうね。

山本)もちろんあるでしょう。願望ですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
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