6/7(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
「加計」前提か 新たな文章を民進党入手 国会会期末にらみ攻防
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
民進党、新たな文書入手「加計学園選定を前提にしていると窺える」
学校法人加計学園の獣医学部の新設計画を巡り、民進党は事業者が決まる前の去年11月の時点で文部科学省は、加計学園の選定を前提にしていたと窺える文書を入手したと明らかにしました。
一方総理の意向と記載された民進党などが入手した文書の存在を、文部科学省の複数の現役職員が認め、省内で共有していたなどと証言しました。
民進党が新たに入手した文書は『国家戦略特区獣医学部新設にかかる想定問答』というタイトルでして、記載の内容から去年11月9日の国家戦略特区諮問会議に伴う文部科学大臣の記者会見などに向けて作られた文書と見られております。この諮問会議で獣医学部の新設方針が決まり安倍総理が表明しましたが、結果的に文部科学大臣の会見は開かれませんでした。
この想定問答の文書の質問の中に「今治市において獣医学部を設置する特定事業者はどこなのか、特定事業者はどのように選定されるのか」こういう質問事項が記載されています。加計学園が事業者に決まったのはこの11月のあとの今年1月でしたから、民進党としては「計画は今治市、加計学園ありきで、新設を要望していた京都府の可能性が排除されているのではないか」と主張しています。
一方総理の意向などと、内閣府とのやりとりを記載された文書につきましては、文部科学省の複数の現役職員がその書類の存在を認めました。前川前事務次官もこの存在を明言しておりますが、政府や文部科学省は依然として調査で存在を確認できなかったという姿勢を崩してはおりませんで、再調査を拒否しています。
さらに菅官房長官は一昨日の国会の中で「前川前次官は自ら進退を示さず、定年まで次官を続けたい」と言っていた。このように答弁をしたのですが、これに対して前川前次官は弁護士を通じて「続けたいと申したことはない」とコメントを出しています。これについて菅官房長官は昨日の会見で次のように弁明しました。菅官房長官) 反応について報道で見たのみであり、詳細について承知しておりません。ただいずれにしろ辞任の件について、私が承知している事実に基づいて発言をしたということです。
民進党、解任決議案の提出に踏み切る
承知している事実について発言をしたと反論しています。こうした中、野党の民進党としては昨日、参議院法務委員会の秋野公造法務委員長の解任決議案の提出に踏み切りました。
テロ等準備罪を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を巡って、来週中の成立を阻止しようというためですが、加計学園問題に絡んで内閣不信任決議案の提出も検討しています。民進党の山井国会対策委員長です。山井国対委員長) 今の安倍一強政治が隠蔽政治、そしてお友達優遇政治を呼んでいるという安倍政権の罪はますます深まっていると私は思っております。内閣不信任案に関してはまた今後検討していきたいと考えております。
民進党は金田法務大臣の問責決議案の提出も検討しておりまして、与党の中では小幅の国会会期延長論も出始めています。
早く幕を閉じて火を消したい政府
高嶋) 国会のやり取りを見ていると、全てに対して出所とか入手経路が不明だとか、みんな同じ答えで本当にムッとくるくらい。どの調査を見ても前川さんが言っていることが正しいと思う人が多い。それから感じ悪いと言っている人が圧倒的に多い。最後には蓋。それが安倍さんの今のやり方でかね。後で相当のしっぺ返しがくる気がしないでもないのですが。何が原因ですか?
鈴木) 最初に総理が「まったくに関係ない」と言い切った。そして菅さんにしてはいつも冷静なのに珍しい言い方をしたなと思うのですが、「怪文書」と言った。これがずっと縛り続けている。そうすると次から次に「いやいや、関係あるんじゃないの?」と思わせるような証言とか証拠文書がどんどん出てきている。最初に言ったものを守らんがために、とにかく言い続けるしかないと。この問題は長くいけばいくほど、尾を引けば引くほど政権へのダメージが出てくる。支持率も調査ではかなり急落しているところもあるわけで。官邸や政府としてはこの問題を早く片付けたいわけですよね。私が知っている官邸の関係者は「とにかく早く幕を閉じたい」。国会の会議は18日に終わる。共謀罪もありますよ? だけど終わらせて火を消したい。
高嶋) 国会のやり取りを見ていると、全てに対して出所とか入手経路が不明だとか。そういうふうに答えろよ、みたいにみんな同じ答えです。
鈴木) 冷静に見ると普通のことができないと言っているように見える。
高嶋) 当たり前のことすらやらないということですか?
鈴木) 加計学園で言えば文科省職員が「実は文書を共有していたんだ」と証言し始めたのだから、今までは「ない」と言っていたけども「証言し始めたなら聞いたらいいじゃないですか」「いや、そこは聞く必要がない」。普通のことをどうしてしないのですか? というふうにはなってきている。
高嶋) 馬鹿にするのもいい加減にしろよ、とだんだんなってきます。
加計学園獣医学部の認可の決断は8月末
高嶋) 森田さん、加計学園の認可、これからのスケジュールはどうなっていますか?
森田解説委員) 今後は建設予定地の実地検査をしまして、8月末に認可の方向です。あるいは判定が保留という決断も出る可能性もあります。8月末がひとつの。
高嶋) ハードルがあるわけですね。飛び越えてしまうのでしょうかね、安倍さんは。
鈴木) 前川さんの証言が1発でドーン! じゃなくて、次々に新しいことが出して。徐々にやっているのは、8月末の認可に向けて文科省が動いているのではないか、と証言する官僚もいる。こういうことが出てくると、世論も含めて予定通り認可しましょうということにはならない。そこに向けて小出しにしているという見方もある。ただ安倍さんにしてみれば「一切便宜を図ったことはない」「忖度もない」「国家戦略だ」「風穴を開ける」。ここまで総理が言っているのに、認可を取り消すのもなかなかできない。そこでどう折り合いをつけるのか、どんな理屈をつけるのかということですよ。
じわじわと自民支持率低下、小池都知事の攻めどころ!
高嶋) 総理の感情の起伏を伺いたいのですが。森友のときには籠池さんの証人喚問は総理の意向だったという話もあるくらいで。今度は前川さん。
鈴木) 証人喚問すればいいですよね(笑)
高嶋) あの辺が総理もけっこういい加減ですよ。
鈴木) 前川さんを呼ぶということはマイナスになるという判断ですよね。森友も今回もそうだけど、総理大臣たる者は身内に一番に厳しくないと駄目じゃないですか。それがそうなっていないことが一番の問題。総理としての姿勢がどうなのかということは、安倍さんの口からもう少し素直に聞きたい気がしますよね。
高嶋) 世間では森友と籠池で『もりとかけ、蕎麦屋論争』と言っている人もいますけど、これで強引に突き進もうとするとどこかでほころびが生じてくるような。
鈴木) やっぱり支持率が下がってきて、じわじわとボディブローのように効いてくる。
高嶋) これ都議選は関係ないですか?
鈴木) 今のところ大きな争点にはなっていませんが、小池さんを応援すると言って自民党を離党した若狭さん。彼の理由のひとつに、自民党は加計学園の対応がなっていないとあげている。若狭さんあたりが街頭でガンガン言い出すと、東京は無党派が多いですからこの問題が響く可能性はあります。しかも自民党は総理や菅さんが全面に出てきて応援すると言っていますから。攻める側としてはターゲットになりますよね。
高嶋) ということは今日最初に出た、自民党って最近感じ悪いよね、という人が出てきて、それに対して勘の良い小池さんが攻めないわけがない。
鈴木) 攻めてくる可能性はありますよね。
高嶋) そうするとこの論争もけっこう影響が出るかもしれませんね。
鈴木) またさらに広がる可能性はあります。