コミー前FBI長官「トランプは嘘をついている」高嶋ひでたけのあさラジ!

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6/9(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

コミー前FBI長官議会公聴会で初証言~捜査中止要請は「指示」
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・外交評論家)

米上院情報特別委員会の公聴会で宣誓するコミー前FBI長官=20170608 写真提供:共同通信社

米上院情報特別委員会の公聴会で宣誓するコミー前FBI長官=20170608 写真提供:共同通信社


公聴会での初証言~トランプ氏の発言が「捜査妨害」にあたるかが争点

ロシアによる、アメリカ大統領選挙への干渉疑惑に関し、FBIのコミー前長官は8日、議会上院の公聴会で初めて証言し、トランプ大統領からの調査中止要請を「指示だと受け取った」と述べました。コミー前長官が、司法妨害をほのめかす「指示」という表現で解任を批判したことは、今後の捜査の影響だけでなく、政権にいっそうの打撃となりそうです。

FBIのコミー前長官は、日本時間の11時ごろから、上院の情報特別委員会の公聴会で初めて証言しました。公聴会が開かれた上院の議員会館には、証言を見届けようと100人以上の傍聴希望者が早朝から殺到し、傍聴者用のモニター室も設けられました。5月9日に突如解任されたコミー前長官は、この日の公聴会の中で、「トランプ政権は解任理由やFBIについて嘘を付いている」と批判しました。また、「政権は私とFBIを中傷することを選んだ」と非難しました。「解任により捜査の方向性を変えようとした」とも述べ、トランプ大統領が疑惑捜査への介入を試みた、という見方を示しています。事前に提出した書面の証言によると、コミー前長官は、トランプ大統領と、2人きりで3回会い、6回、電話で話したとのことです。その内容をメモに残していたということで、これについてコミー前長官は「彼は嘘をつくかもしれない。だから記録に残すことが本当に大事だと考えた」と証言しています。その書面の証言によると、「2月14日に大統領執務室で、トランプ大統領から大統領補佐官を辞任したフリン氏の捜査について、大目に見てほしいと厳命された」とのことです。これについてコミー前長官は「捜査中止を求められた指示だと受け取った」という風にしたのですが、司法妨害に当たるかどうかについては、判断を保留し、「モラー特別検察官が決めることだ」と述べています。このときに「捜査中止を求める大統領に、なぜそれは間違っていると言えなかったのか」と質問されると、「私がもっと強ければあらがえたかもしれない。しかし、会話の中で、思考が固まってしまった」と述べる場面もありました。また、コミー前長官はこれに先立つ、1月27日に夕食にも招かれ、トランプ大統領から「長官職を続けたいか?」と訪ねられた上、「必要なのは忠誠心だ」と繰り返し忠誠を求められたということです。一方、これに対してトランプ大統領のカソウィッツ弁護士が記者会見を開き、「フリン前補佐官について、トランプ大統領は大目に見てほしいと言っていない」と主張し、「捜査妨害の意図がなかったことも明確になった」とも主張しています。
また、コミー前長官がトランプ大統領との会話内容を、メディアに明らかにするように知り合いに依頼したと認めたことについて、「機密情報も含まれていて、情報漏洩として捜査されるべきか、関係当局の判断を仰ぐ」と、このようにトランプ大統領の弁護士は主張しています。


トランプ大統領に「ノー」と言える人がチームにいない

高嶋)トランプさんって基本的に何か間違えていませんか? 1つは、「大統領職」というのは万能だと思っている。もう1つは、あくまでもビジネスをやってきたときの、オーナーというか社長というか、そういう目線でコミーさんに「おまえ、FBI長官をもっとやりたいか?」とか。あんなことを言ってはいけない気がするのですが。

宮家)子会社の社長では無いのだからね、不動産屋ではないのだから。トランプさんは政治家としては素人ですよ。

高嶋)全部その目で見て、「フリンは良い奴だから捜査はこの辺にしておけ」みたいなことも言えてしまうのですよね。

宮家)それを言っては終わりでしょうが、まず第1にね。第2に、やはりトランプチームの中に、大統領に「ノー」と言える人がいないのですよ。「それはまずいですよ!」「それ以上やったらだめですよ!」と誰も言えないから、暴走するのです。ただ、そうは言うけれど、昨日3時間くらい聞いていて、致命的なものが出たわけではありません。これはまだ
くすぶるけれど、もちろん火は消えていないけれど、司法妨害が基本的な問題になるので、この問題については特別検察官にモラーさんが任命されていますから、コミーさんもこの点については特別検察官に一任して、「彼が決めることだ」と言っているから。この問題はまだ続くし、くすぶるし、絶対消えないし、まあ、ダラダラと……


共和党の議員がどこまでトランプにつきあうか

高嶋)気の早いところはすぐに「弾劾が~」と言いますが、このハードルはかなり高いようですね。

宮家)私は、共和党の議員がどう考えるかだと思うのです。上下両院とも過半数は持っているわけですから。特に今度の中間選挙で再選を控えている人たちね。トランプと一緒に選挙をやった方が再選の可能性が高いのなら、我慢してでもやる。しかも、上下両院は過半数を持っているわけですから、その気になれば法律を作れるわけですよ。トランプが黙っていればよいのです。変なことを言うからおかしくなってしまうわけで。黙らせて、法律を作って、そして国民にアピールして、再選する……その方が良いかどうか。

高嶋)今の話を本当に噛み砕いて議員心理で言うと、「トランプを上に乗せて選挙に勝てるのなら、それはそれでいいかもしれな。けれど、コイツをおいておくと、自分の地位もマズいかもしれない。なら、引きずり降ろせ」みたいな。

宮家)それがすべてだと思いますよ。彼らがトランプ氏を尊敬しているとはとても思えないので。どうやって自分が政治家として生き延びるかを考えていると思います。

高嶋)数字だけで言うと、発議は下院の半数ですか。

森田)そうですね。発議はそうですが、上院の3分の2の賛成が弾劾には必要です。

高嶋)今後、どのような展開になっていくのでしょうか?

宮家)今、共和党の人たちは追いつめられている気がするのだけれど、まだまだトランプでやろうとすると思うのです。ですから、すぐに弾劾に動くことは少ない。中間選挙まではくすぶったまま。そして、恐らくそこで共和党が負ける。そういうときに本当の対決が始まるのではないでしょうか。


過去最低の支持率34%~このままでは持たないトランプ政権

高嶋)支持率は、現在、34%という数字が出ています。過去最低ですね。これは、やはり次の大統領選挙は34%では持たないですよね。

宮家)持たないでしょうね、どう考えても。だから必死で温暖化のパリ協定から抜けたり、ハッタリをやっているわけですよ。パフォーマンスを。でもパフォーマンスだけでは支持率はダメですね……

高嶋)ということは自滅するということですか。諫める人もいなければ、アドバイスできる人もいない。トランプさんのああいう性格を押さえる人は無理だろう、ということになると。

宮家)よほど優秀な側近が筋書きを作って、そしてしっかりと戦略を立ててやらないとダメ。彼のように衝動的にものを言ったりTwitterで書いたりするような人はね。これは、私は墓穴を掘っていくと思います。

高嶋)やはり、コミーさんの発言というのは、非常に意味が深いし、大きいということですね。

宮家)だと思います。徐々に来ています。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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