ロシアゲート事件で米司法長官証言へ 高嶋ひでたけのあさラジ!

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6/13(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

捜査次第では弾劾も~トランプ大統領の救いは家族愛のみ?
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター手嶋龍一(外交ジャーナリスト)


そもそも「ロシアゲート事件」とは?

トランプ政権とロシアの関係から発したロシアゲート事件。フリン前補佐官が駐米ロシア大使と接触していた疑惑について、コミー前FBI長官が米上院の公聴会でフリン前補佐官への捜査をやり過ごすよう大統領から指示があったと証言している。

高嶋) 例のロシアゲート。今度セッションズ司法長官が証言するということですが。いろいろな話が飛びまして、まとまりにくいですが。この辺を専門の手嶋さんから順序立てて教えていただけますか?

手嶋) 一番わかりにくいのは、どうしてロシアゲート事件と言うのか。これは72年に、当時のニクソン共和党陣営が再選のために政敵であった民主党本部に5人のコソ泥を忍ばせて盗聴器を仕掛けるというようなウォーターゲート事件になぞられて、ロシアゲート事件と言っている。今回はあろうことか、公正であるべきアメリカの大統領選挙に当時対立をしていたロシア、とくに軍の情報機関がサイバースペース、つまりインターネットを通じて民主・共和両党に侵入をして機密情報を、という疑惑。そしてあまつさえ、共和党側が介入を呼び込んだのではないかというのがロシアゲート事件。ただ同時に、政権発足前から高官に就任が内定していた人、フリン補佐官がその代表ですが、こういう人たちがひそかにロシア側と接触をして。当時クリミア半島の併合で、大量経済制裁というのを掲げられていましたよね。それを解除する交渉をしていたのではないかと言われて。これが捜査の対象になっている。捜査の対象であるフリンさんについては「ほっといてほしい」という働きかけがあって、このことが捜査を妨害していたのではないかと。ここのところ司法妨害とか捜査妨害とか言われているものは、日本よりもよっぽど重罪。もしこれに大統領自身が手を染めているとすれば、訴追の対象になり、弾劾されるかもしれないということです。


モラー特別検査官による捜査しだいでは大統領弾劾も

高嶋) コミー前FBI長官はカッコよく見えまして。かなりのことを言っているなと。だけど選挙中のことを考えると、選挙の後半にヒラリーさん側に不利な調査を始めたり、動きがわからなくて。FBI長官をクビになってから反トランプに回ったのか、よくわからない。その辺はどうですか?

手嶋) 見てくれは大変良いですが、困った人です。軽率といってもいいかもしれません。なぜならば捜査機関というのは民主・共和両党、終盤では大接戦ですから。そのときにトランプさんの国務長官時代の機密情報をスマホでやりとりをしていたということについて、また捜査をする。批判を浴びると止める。おそらくヒラリーさんにとっては「あんたのおかげでトランプが大統領になれた」と思っている。その人がいろんなことを言っている。後ろめたさもあると思いますが、トランプ政権の高官の捜査をしていた。これについてトランプさんは忠誠心を疑って「ほっといてくれ」と言った。これが大問題になっていて、セッションズ司法長官も今度議会に呼ばれるようですが、これまた一連のロシアと秘密交渉をしているということになって。さっき言った選挙の介入、ロシアとの交渉、司法妨害。この3つがないまぜになって進んでいる。

高嶋) 心証は黒ですか?

手嶋) いや、まだわかりませんね。しかしすべてはモラーさんという特別検察官が政権とは独立して捜査をする。ここがつまり有罪に値するとして訴追をするということになりますよね。そうすると舞台は今度アメリカ議会に移る。そこで弾劾されるかどうか。


トランプの唯一の強みは家族愛

高嶋) ウォーターゲートのときは、最後にニクソンさんが投げだしましたけど。トランプさんはどうでしょうかね?

手嶋) ここで今日家族と一緒にというように同居するようになったと伝えられていますが、ニクソンさんの場合はパトリシア夫人とはホワイトハウスに入る前からすでに関係が冷え切って大変孤独だった。一方トランプさんの唯一の強みは家族に囲まれていること。家族との強い絆は粘り強いですよね。

高嶋) 家族愛ね。絆がしっかりしているのでそう簡単にぽっきりとは折れないだろうと。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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