5/26(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
決め手はやはりテープの存在?
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(キャノングローバル戦略研究所主幹・外交評論家)
「ウォーターゲート」と比較される「ロシアゲート」決定的な違いはロシアの関与高嶋)サミットも始まるしいろいろありますが、今、アメリカのトランプ大統領が外遊しています。国内の方はあの「ロシアゲート」でもう沸騰しています。
今日伺いたいのは、ロシアゲートという今回のトランプ大統領の大騒ぎと、それからニクソンの時代の「ウォーターゲート」との決定的な「こんなところが違うんだよね」という、そこを詳しく教えてください。宮家)似ているところはたくさんあるのですが、共和党の政権が民主党の選挙のときの全国大会の変な情報を取ろうとして、それをやった・やらなかった、それが結局バレてしまって隠蔽しようとした、そして「司法妨害だ」と、こんな話ですよね。それで最後にテープがあるか無いかで大騒ぎして、テープが出てしまい、「はいそれまでよ」という話です、ウォーターゲートは。
今回、決定的に違うのはロシアが関与しているということです。高嶋)そうか。少なくともウォーターゲートのときには海外に出ていない?
宮家)あれは要するに部下のコソ泥みたいな奴を使って、それで金を払ってやっただけの話なのです。今回のようにアメリカの大統領選挙そのものに影響を与える為にロシアがもしかしたらトランプ政権の連中とつるんだのではないかと、そこまで言われています。
事実関係はまだ分かりません。もしそれが本当であればものすごい内政干渉だし、逆に言うとそういう外国の敵対的な勢力かもしれない人たちと結び付きながら大統領選挙に勝って大統領になる、こんな人を選んで良かったのか、この人たちが本当にアメリカの安全保障にとって問題ではないかということです。高嶋)大本の話は、その事の重大さはそこにあるということですね。
宮家)そう思います。
事態を重要視していないトランプ大統領~テープの存在が明暗を分ける?高嶋)しかし何か妙な物で、あのトランプさんはどこ吹く風で、ああいう性格でああいう無責任なことをいつも右向いても左向いても言っているという。なんとなく大変なことが起きているのだと思えないというところがありますよね(笑)。
宮家)ニクソンは弁護士だったので、何をやっているか自分でよく分かっていたと思います。だから発覚してからすぐに隠蔽の命令を出しています。
だけどトランプさんは何をやっているかよく分からないのかもしれないですね。もしかしたら「これすごく悪いことなのだ」とかそういう発想も無く、とにかく今おっしゃったようにのらりくらり、口八丁手八丁でやれば何とかしのげるのではないかと思っているかもしれない。高嶋)じゃあいつかこれがトランプ大統領を縛る大変なことになるという。やはり問題はテープですか?
宮家)やはりテープでしょうね。テープが出たら僕は決定的だと思うのだけど。
高嶋)だってコミーさんをクビにしたときに「テープが出たらどうすんだ」と言ったのは大統領ですよ。
宮家)報道しているのはね。「馬鹿じゃないの? 逆でしょ」と。そんなこと言ったら「テープあるだろ」と言われて「ないない」って、いやいやニクソンのときも「ない」って言ってあって、それで今度は大統領権限で出せないって言ったら最高裁が「出せ」って言って、それで結局墓穴を掘ったわけですよね。だからやっぱり「考えていない」ってそういう意味なのですよ。トランプが考えていたらテープのことなんて自分から言いませんよ。
高嶋)もしトランプ大統領がニクソン大統領であったとしたらそんなことを絶対しないし、ニクソンじゃなくても歴代の大統領をイメージしてもそんなことをするわけがない。
宮家)反共のニクソンがロシア・ソ連とつるむなんてことはあり得ません。だからそういう意味では現代的な問題なのかもしれません。
終わりの始まり?高嶋)このサーバーの、北朝鮮の関与まで指摘されるとか、中国は元よりのこと、もう今本当サイバー戦ですからね、いろんな意味でね。
宮家)ロシアはヨーロッパの選挙にも同じように介入しています。だから決してアメリカだけではないのです。
高嶋)なるほどね。サイバー=外国の関与、そしてその“御本尊”の能天気ぶり? こういうような要素がカクテルになって果たしてどういう風になっていくか。
宮家)それはもう終わりの始まりだと思いますよ。残念ですけど。でもペンスさんがいるじゃないですか。
高嶋)中間選挙まで持ちませんかね?
宮家)分かりません。それは共和党の議員がどう考えるかだと思います。