6/23(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
米中「外交・安全保障神話」対北朝鮮、深い溝
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・外交評論家)
無言で国務省を後にした中国の楊潔篪代表ワシントンで21日、アメリカと中国の外交安全保障対話が開かれ、北朝鮮の核ミサイル開発問題をめぐりアメリカが更なる圧力強化を中国へ迫った。しかし中国側は会見を行わず、会合は終始平行線だったように見える。
高嶋)米中両政府が21日に外交安全保障対話の初会合を開いたと。それで最大の懸案の北朝鮮の問題で、アメリカ側は核ミサイル開発を続ける北朝鮮への更なる圧力強化を中国に迫ったということです。
共同記者会見も行われなかった中国側の代表の楊潔篪(よう・けっち)国務委員は無言で国務省を後にしたという。どうも塩梅良くいかなかったようですね。宮家)いきませんでしたね。これ平行線で元から上手くいかない会議なのですけどね。今回は共同記者会見も無いし成果文書も無いって言うから、もう普段よりも悪いですね。これは困ったことです。
高嶋)言いたいことだけを言って妥協点無しという。
宮家)そうです。それで要するに彼らはアドリブが効かない人たちだから、変なところに出て行ってアメリカにガンガンやられるのは嫌だから、もう逃げたのでしょうね。しょうがないですね。中国側も北朝鮮のことを言われても、北朝鮮が潰れたら中国は大変なことになりますからね。それを分かっているから一応口では「制裁強化」とか言うけども、実際にはやらないのではないですかね。
アメリカ側は会合後ティラーソン国務長官とマティス国防長官が会見高嶋)極めて異例で、ティラーソン国務長官とマティス国防長官の2人が会見をしたという。それで宮家さんに言わせればトランプ政権というのはこの2人で持っているようなものだと。だから安全保障でこういう持っているようなしっかりした人が居て良かったですね。
宮家)グッドニュースはティラーソンさんとマティスさんなのだけど、バッドニュースはあの2人しかいないということなのですよね。
つまりその後の副長官、その下の次官、それから日本で言う局長クラスの次官補。これ皆、議会承認の対象になるわけですよ。これ決まっていないのですよね。ということは日本と同じで、一昔前は大臣と政務次官以外全部官僚でしょう。そういう非常に変な状況になっていて、全部代理・代行です。高嶋)それでも政府は動いているのですよね。それでこの間も初閣議みたいなことが言われましたよね。
宮家)5ヶ月経って初閣議というのも、その5ヶ月間をお前らは一体何をやっていたのかと言いたくなるでしょう。しかもトランプ礼讃ばかりでしょう、何ですかあれは。
高嶋)すごいですよね。たまたまあれが映像になったのかどうか知りませんけども。
宮家)あれわざわざ映像にしたのだと思いますよ。
高嶋)トランプさんを絶賛している人が2~3人いました。
宮家)余程トランプさんは人から馬鹿にされていると思っているのではないですかね。何だか、やらせ100%でしたね。
アメリカの外交はマティス国防長官が支えている高嶋)それで宮家さんに伺いたいのは、私は「狂犬マティス」なんて初めてトランプさんが言ったときに知ったのですけど、そんな名前から顔つきからとんでもないことをやるオヤジかと思ったら、この人一番まともですよ。
宮家)顔も怖いし名前も怖いのだけど、非常に鋭い、しかもバランスの取れた軍人ですよね。日米関係と言ったって基本はやはり日米安保ですから、今までの経験から言っても日米関係を本当に支えているのは国防省。だから国防長官でこういう人が来れば大丈夫。幸いです。
高嶋)結論としては中国が「言われたって動くもんじゃない。そんなことは百も承知だ」というようなことで。そしてマティスさんは「戦争をする気は無い」と言っているのですよね。ということはこれから北朝鮮問題に対してはどういう風に動かしていこうと思っているのですか?
宮家)アメリカは戦争をしたくてもできないし、やるとしても先の話です。今できることといったら、中国の会社や中国人が北朝鮮とつるんでいるはずなので、その人たちを制裁の対象にする。だけどそれは、中国が党大会の真っ最中にそんなことをされたらメンツ丸潰れだからそこは避けたい。そのせめぎ合いになるだろうと思いますね。
高嶋)それは効きますか?
宮家)効くと思います。お金が流れているから。だけどそのくらいでは潰れそうもないですね。