6/1(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
「スターウォーズ計画」がミサイル防衛システムに繋がっている
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
アメリカ軍がICBMの迎撃実験に成功したと発表アメリカ軍は、アメリカの本土にまで飛来するICBM(大陸間弾道ミサイル)を想定した初めての迎撃実験を太平洋上で行い、成功したと発表しました。一方アメリカ海軍横須賀基地を拠点とする原子力空母“ロナルド・レーガン”(CVN-76)が、空母“カール・ヴィンソン”(CVN-70)に続いて日本海に展開したのに合わせ、海上自衛隊の艦艇が今日にも共同訓練を実施する方向で調整しています。
高嶋)昔レーガン大統領のときに「スターウォーズ計画」なんてありました。すごく金を使ったようですけど、上手くいかなかったのですか? あれは。
佐藤)いや、あれが今のミサイル防衛システム(MD)に結局繋がっているのですから、生きています。
高嶋)では訓練をしたのは、元を辿ればレーガンさんだと。
佐藤)あのスターウォーズ計画というのは実はソ連を“スターウォーズ”に乗せることだったのです。ソ連は経済力が無いでしょう。無理をしてスターウォーズを始めようとしたが為に国民経済がものすごく厳しくなって、あれがソ連崩壊の原因ですよ。だからスターウォーズ計画はふたつの目的があって、ひとつは鉄壁な防衛システムを作るということと、あともうひとつは経済競争にソ連を巻き込んで壊すということ。ソ連崩壊はスターウォーズ計画が無ければありえなかったです。それくらいの意味合いはあります。
ICBM迎撃に成功したアメリカ 中距離弾道ミサイルの迎撃とは方式が違う高嶋)単刀直入に訊きますけど、北朝鮮は3月に確か4発同時に、映像で撮影をやっていましたよね。4発パーッと行くの。あれ全部落とせますか? 昨日なんか実験成功したと言っていますけど。
佐藤)まず、中距離弾道ミサイルですからいずれも。だからひとつも落とせません。要するにカテゴリーが違うのです。
今アメリカでやっているのは大気圏の外に出てもう1回戻って来る、これを落とすのはすごく難しいと言われている、それの実験で、北朝鮮はまだ戻して来る技術が無い訳ですよ。
それで今やっているのは全然別のミサイル、もっと近距離のやつですから。高嶋)落とすも落とさないも無いのですか?
佐藤)全然違う迎撃ですから関係無いのです今起きているのとは。
アメリカによる北朝鮮からのミサイル迎撃成功率は8割高嶋)違うもので結構ですけど、そうしたら、北朝鮮のミサイルは落とせないのですか? 今のもので。
佐藤)だいたい8割くらい落とせると言っています。ということは100発撃って来たら20発は命中するということ。それをもってよく守れていると見るか、これじゃまずいと見るか、そこは見方が割れますね。
高嶋)野球の打率で言えば大変ですけどね。あれでしょ、イージス艦を日本はどうのこうのって言っているでしょう、増やそうみたいな。
森田)イージス艦で配備しているようなものを今度は地上型に持って行って迎撃しようではないかということも今考えているのですね。
日本人の危機管理意識の低さ高嶋)あのね、電車が止まったことがあって、Jアラート(全国瞬時警報システム)が鳴って「あ、これはやっぱり危機感を感じなきゃいけないのかな」みたいに、現象的には思うのですけど、全くそんな気が起きないのですよ。これ駄目ですか私?
佐藤)これね、嫌な話だけども、本当に危機感を持って対応しているイスラエルみたいな国というのは、ミサイルが落ちてくるからですよね、実際に落ちた経験があるからですよ。これは落ちるまでは実感として誰も持たないです。
高嶋)だから漁船とか飛行機とか、この間のやつもEEZ(排他的経済水域)にどうのこうのっていうと、過りますけど、だけど何かちょっとこう、甘く見ているというか、感じていないと思います。
佐藤)これだからテロもそうなのですけどね、極端なことを言ったら北朝鮮がやっているのは国家テロですから。だからそういうようなことというのは起きないと問題の危険というのはやはり分からない訳ですよね。
高嶋)だったら私の神経というのは相当駄目ですかやはり?
佐藤)それが普通ですよ。では少し思い出してみましょう。カルト集団がまさかサリンを使うなんて思わなかったでしょう? しかしその前だって異臭事件が起きていたし、明らかにサリンを使った事件が長野県でも起きていた。
高嶋)松本サリン事件!
佐藤)でも、それなのだけども、東京であんなことが起きるって誰も思わなかったでしょう。あれとよく似ていますよ。
高嶋)ということは佐藤さん。(ミサイルが)来るということじゃない(笑)。
佐藤)だから僕らは常に最悪情勢を考えなければいけない。来るという前提で考えています。
高嶋)前提でね。その辺がまあプロの考えと違うところなのでしょうけれど。