セッションズ司法長官の公聴会はまるでロッキード裁判!高嶋ひでたけのあさラジ!

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6/15(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

ロシアゲート トランプ政権徹底抗戦 司法長官が共謀否定
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

ドナルド・トランプ大統領,マイク・ペンス副大統領,ジェフ・セッションズ司法長官

ドナルド・トランプ大統領,マイク・ペンス副大統領,ジェフ・セッションズ司法長官=20170515-写真提供:時事通信


ロシア疑惑に全面否定のセッションズ司法長官

18日、セッションズ米司法長官が上院情報特別委員会の公聴会で証言。ロシアとの不透明な関係を巡るロシアゲートに関して、駐米ロシア大使との接触はしていないとし、トランプ政権の閣僚としてロシアとの疑惑を全面的に否定した。

高嶋)ロシアゲートの、司法長官。セッションズさんですが、日本の、昔のロッキード裁判みたいな……

佐藤)久しぶりに思い出しましたね。小佐野賢治さん。疑惑が出てきて、何を聞かれても「いまご質問になられたことは、記憶にございません」と甲高い声で。

高嶋)それを思い起こさせるようなこの人ですが……わかってやっているわけですよね?

佐藤)わかっていると同時に、この人は自分の生き残りだけ考えている。トランプに味方して嘘をつくのもイヤだし、だからと言って、トランプに対して引き金を引くのもイヤだ、という感じで腰が定まっていない。となると、「忘れちゃった」というのがいちばん良いのです。とりあえず「記憶にございません」で逃げているのでしょう。イメージが悪いですね。

高嶋)「本質」は、たとえばこのセッションズさんも政権が発足する前にとキスリャクいう、中米ロシア大使と2回も会って、ウクライナ問題について喋っている。あれは本当は何ですか? ウクライナの件を許してしまおうとしていたのですか?

佐藤)いや、そうではなく、「ウクライナ問題についてどうしようか」という話をして、クリミアの9割は「ロシアに行きたい」と言っているわけです。それで、ドネツク、ルハンスクに対して、事実上武装部隊を送り、義勇軍みたいな形になっている。「アレを何とかすれば、もうクリミアはいいのでは?」というのは、外交官や情報の専門家は常識的に思うわけです。「いつまでもこれでロシアと大喧嘩していたら、テロ等の対策はできないでしょう」と。

高嶋)その持ちかけが、法律に触れた。

佐藤)接触すること自体が法律に触れる、ということなのだけれど、それはアメリカによる法律の解釈ですからね。率直に言うと、難癖の類ですよ。日本の田中眞紀子さんの、十数年前の騒動。とにかく外交問題で、あれがおかしい、これがおかしいとわっと文章が出たでしょう。そうではないのです。「田中眞紀子さんを追い出せるなら、何でもいい」と。その中でロシアが出てきただけで、ロシアにとっては迷惑千万な話だと思いますね。
支持率が30%を切った時、トランプの「岩盤」は崩れる

高嶋)生身の人間からすれば、こんなヤバい事態はない。それと、1つ。トランプさんの支持率が、とうとう6割が不支持となって。「支持する」というのは、38.5くらい。

佐藤)でも、この「38.5」が大きくて。この岩盤のトランプの支持がどれくらいか、ということなのだけれど、その岩盤は「状況はよくわからないけど、絶対にトランプだな。体を張っているし。俺だって張っているし」という感じの人たち。この岩盤の支持が崩れたら危ない。
では、何故そういう支持になってしまうか? ドイツにニクラス・ルーマンという社会学者がいて、こう言うのです。「1回信じてしまう。何故変なことをしているのに信じるのか? 「信じない」と言えば、何故こんな人を信じたのか、自分がみじめになるから」という。みじめになりたくない心理が働いているから、無意識のうちに支持してしまう。でも、逆に1度それが崩れると、もうボロボロになる。
だから、「トランプの岩盤はどこか?」ということで、ある人は「38%」と言う。ある人は「35%」と言う。でも、もし支持率が30%より下がることがあれば、そのときは崩壊に一挙に近づきますね。だから、この岩盤は、けっこう、ハンマーでもなかなか割れないものがあるのです。30%台というのは。

高嶋)トランプさんは本能的にその辺をわかっていますね。

佐藤)よくわかっています。生き残る本能だけは強いですから。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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