6/27で81歳の誕生日!横尾忠則デザインのジャケットたち【雑学と音楽 ザツオン Vol.22】

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音楽にまつわる雑学を楽しむコラム【ザツオン】

「巨人の星」の星飛雄馬や「あしたのジョー」の矢吹丈の原画をド派手に原色アレンジした『少年マガジン』表紙の印象的なデザインとか!サブカル流行していた「ピラミッドパワー」でパイプ組み四角錐の中で座禅瞑想とか! 昭和のボーイズガールズたちを虜にした不思議な男。そうです!芸術家の横尾忠則さんです!6月27日は横尾さんの81歳誕生日!そこで今回の『雑学と音楽 ザツオン』は独特のグラフィックデザインで国内外のミュージシャンたちのアルバムを手がけた横尾忠則さんの特集です!横尾さんデザインジャケは数多くありますので、自分が好きなアルバムをまとめてみました!

1936年兵庫県西脇市に生まれた冒険漫画と郵便切手が大好きな少年が高校入学して絵画に開眼!カット投稿していた神戸新聞社にスカウトされて、グラフィックデザイナーとして働いたのち独立!1965年に東京/銀座の松屋テパートで開催されたグループ展「ペルソナ」に参加して“日本のポップアート”の寵児として大ブレイク!ザ・ハプニングス・フォーのシングル「あなたが欲しい」(1967年)を手がけます!女優の浅丘ルリ子さんのアルバム『心の裏窓』(1969年)藤純子さんのアルバム『緋牡丹博徒』(1970年)をジャケ創作。そして、1974年に写真家/篠山紀信さんと初めてインド旅行してスピリチュアルな世界に興味を持たれたようで…。そうです!あの世界的アーティストのアルバムジャケットをデザインです!

ギネス新記録となった革新的デザインのジャケ!
サンタナ『Lotus/ロータスの伝説』(1974年)

サンタナ,ロータスの伝説,LOTUS

1973年の初来日公演を録音したサンタナの3枚組ライブアルバム!7月3/4日の大阪厚生年金会館がSQ4チャンネル(懐涙)で熱狂再生でした!「ブラック・マジック・ウーマン」のイントロは今でも鳥肌が立ちますよね!サンタナ氏の依頼による横尾さんデザインの“22面体ジャケット”はギネス世界記録にも認定されました!漆黒のジャケット中央には魚眼レンズで撮影された青空と白い雲と赤い蓮/ロータスを背に、上下には円形のチャクラを配した尊きブッダ像!四隅に描かれたサンタナとアルバムタイトルの文字は“デヴァナーガリー文字”という、サンスクリットの表記などに使われるインド文字/書体だそうです。祈祷絵画・瞑想・オカルト・地球外生命体という、当時の横尾さんのアタマとココロにあったワールドワイドな宗教的興味が全て盛り込まれた芸術作品ですね。このアルバム『ロータスの伝説』が43年の時空を経て、未公開音源7曲を追加収録した「完全版」として今年4月に世界発売されました。リリース当時カットされた幻の未公開音源7曲を発掘、演奏曲順通りの追加収録が奇跡的に実現!そして、7インチサイズですが“22面体ジャケット”も復活でした!この後も横尾さんはサンタナのアルバム『Amigos/アミーゴ』(1977年)を手がけ、蛍光色ジャングルナイトにマヤ文明の男女が佇むというサイケなデザインにしたのであります。

そして、横尾さんが子供たちにも認知されたのがコレ?!
ムー一族『ムー一族 オリジナルサウンドトラック盤』(1977年)

ムー一族オリジナル・サウンドトラック

1974年、久世光彦さんプロデュース/演出のTBSドラマ『寺内貫太郎一家』で、居酒屋女将/篠ヒロコさんの恋人役柄で影のあるビミョーな演技力で怪演。そして、3年後の1977年『ムー』では番組タイトルとサントラ盤をデザイン!叫び系アート、凄いですねぇ。荒木一郎さん作曲のインド音楽なオープニングテーマ!そのオープニング映像は動画サイトで見られたりいたしますのでドウゾ。生放送でドラマを実施してビックリしたものです!拓郎/郷ひろみサンと金田/樹木希林さんの「お化けのロック」でアナタもお茶の間ダンスったのでは?!いやはや懐かしいですなぁ。

昭和歌謡界最強歌姫の“ゼロ・グラビティ”なジャケ!
山口百恵『COSMOS MOMOE』(1978年)

山口百恵,COSMOS MOMOE

アルバム『COSMOS』です!シングル「秋桜」じゃありませんよ!通算44枚目のアルバムです!全編12曲丸ごと宇宙コンセプト!時代の最強アイドル19歳を宇宙デブリの如くデザインした傑作アート!有名ブランドのバッグやら外国タバコやらターンテーブルやらクルマまでが宇宙遊泳?!個人的には山口百恵さんの最高傑作だと思っています。針を落とすと聴こえてくる「OPENING」でロケットエンジンに点火発射テイクオフ!そして大ヒット曲「乙女座 宮」(作詞:阿木燿子さん/作曲:宇崎竜童さん)では、シングル盤でカットされたロングイントロでもって我が心は♪ペガサス経由で牡牛座廻り蟹座と戯れ獅子座の貴方と一緒に…無重力状態です!今聴いても全く色褪せない昭和のスペース歌謡オペラはダフトパンクのフレンチエレクトロユニバースを先んじていたと確信していますトレビア~ン、One More Time!

あああ~、このままでは胸が張り裂けそうな…摩天楼ジャケ!
郷ひろみ『スーパー・ドライブ』(1979年)

郷ひろみ,スーパードライブ

キンキーブーツの足元に哀愁な瞳の主人公。そして!バックを務めたのは御当地の“24丁目バンド”!ハイラム・ブロック、ウィル・リー、クリフォード・カーター、スティーヴ・ジョーダンがイイ仕事しています!みんな若いです!当時ハイラム君は24歳でウィル君は26歳ですからしてエネルギー大爆発!あの大ヒットシングル「マイレディー」はコチラのアルバムの収録曲です!作曲家陣は林哲司さん、芳野藤丸さん、網倉一也さん、菅原進さんなどなど多彩な面々。萩田光雄さんアレンジのディスコありボッサありAORあり何でもありの超クロスオーバーなアーバンサウンドです!70年代後半、横尾さんは世界的シンセサイザー奏者な冨田勲さんのアルバム『バミューダ・トライアングル』(1978年)を手がけます。その同じ年、忘れてはならない作品がコチラ!
新津章夫『I・O(イ・オ)』(1978年)

新津章夫,I・O

作曲/編曲/演奏/録音/エンジニアリングまで全部一人で実行したマルチクリエーター新津章夫さんのデビューアルバム。エレキギターと楽器の多重録音によるインストゥルメンタル作品はナントモカントモ摩訶不思議な世界へと誘う迷い道クネクネなサウンドです。9年間の活動で3枚のアルバムを制作して活動休止、49歳で天国へと旅立った幻の音楽家のアルバムジャケも横尾さん!冨田勲さんと新津章夫さんというふたりの天才のアートワークを手がけたのも運命のなせる技だったのでしょうか。

それでは最後に横尾さんの近作ジャケットを。
新沼謙治「雪の宿/ふるさとは今もかわらず」(2012年)

新沼謙治,雪の宿

平成24年に両A面として発売されたシングルです。新沼さんの故郷である岩手県、そして東北地方を襲った東日本地震からの復興を祈って御自身が作詞作曲。そして2013年には「ふるさとは今もかわらずシンフォニックVer./合唱Ver.」としてもリリースされました。その優しさと美しさに学校コーラスや卒業式の歌としても歌唱されるように。静かに温かく、故郷を見つめ続ける歌手の肖像画。胸が熱くなるジャケットです。

いつもどこかの全国各地の美術館で横尾さん個展が開催されていますね。そして、2012年に開館したのは兵庫県神戸市の『横尾忠則現代美術館』!8月20日(日)まで世界への旅で広がったイマジネーションの横尾作品を展示する開館5周年記念展「ヨコオ・ワールド・ツアー」を開催中です。行かねば!そしてそして、横尾さん公式サイトに掲載されている日記に依りますと、ロマン・コッポラ監督の最新映画に協力するらしいです。映画の中に登場するレコードショップに陳列されている架空レコードのジャケットのデザインとか!いや~これは面白そう!期待モリモリです!そんなこんなで、『雑学と音楽 ザツオン』第22弾いかがでしたか? 音楽のもうひとつの楽しみ方、次回もお楽しみに♪

神部恒彦(a.k.a 北大路おさんどん)
1960年北海道生まれ。
1981年「オールナイトニッポン」のADとして放送業界で活動開始。
音楽やドキュメンタリーを中心としたテレビ・ラジオの構成/選曲を担当する。
1992年いったん全ての仕事を終了してシベリア鉄道で渡欧。
1年間に渡りフランス/スペインを拠点に欧州各国の景勝地や美術館を見て回る。
さらに渡米、自動車でアメリカ大陸を横断しながら様々な音楽聖地を巡って帰国。
幅広い音楽/雑学知識と好奇心でジャンルを問わない番組/イベント構成を手がける。
趣味:大相撲/F-1観戦、全国各地の居酒屋訪問と見知らぬ人々との会話。


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