「文部科学省は硬直的だ」閉会中審査は収穫なし【高嶋ひでたけのあさラジ!】

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7/11(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

「何かあったら総理を辞める」喧嘩腰の発言から全てが始まった
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター富坂聰(拓殖大学教授・ジャーナリスト)

「文部科学省は硬直的だ」閉会中審査は収穫なし【高嶋ひでたけのあさラジ!】

【政治 前川喜平・前文科事務次官を参考人招致】民進党の福島伸享議員の質疑に対し挙手する前川喜平・前文科事務次官。右後ろは萩生田光一官房副長官=10日午前、国会・衆院第1委員室 写真提供:産経新聞社

前川前次官、政府と真っ向対決

政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡る衆参両院の閉会中審査で、参考人として出席した文部科学省の前川喜平前事務次官は、総理官邸側から対応を早く勧めるよう促されたと改めて証言しました。
ただ政府側は官邸の関与を否定し、双方の主張は対立したままでした。

加計学園問題を巡る昨日の衆参両院の閉会中審査は午前午後合わせて7時間におよびました。午前中の衆議院の閉会中審査では文部科学省の調査で確認されなかった萩生田光一官房副長官『ご発言概要』という文書について、前川前事務次官は在任中に目にしたと説明しましたが、当の萩生田官房副長官は「発言した記憶はない」として議論はかみ合いませんでした。
また午後の参議院での審議でも前川前次官は政府と真っ向から対立しまして、萩生田官房副長官の文書について「松野文部科学大臣が追加調査でも確認できなかった」と力説しましたが、前川前次官は首を傾げながら「探せば出てくると思う」とこのようにやり返しました。
昨日改めて総理官邸の働きかけがあったと強調しました前川前次官、一方で獣医学部誘致を進めてきた前愛媛県知事加戸守行さんのお二人の証言です。

前川前次官) 官邸の動きがあったというふうに思っております。和泉洋人総理補佐官がさまざまな動きをしておられたということは明らかだと思っている次第でございます。渦中にいたものから考えますと、初めから加計学園に決まっていたと。加計学園に決まるように進めてきたと。

加戸前知事) 強烈な岩盤規制のために、10年間我慢させてきた岩盤にドリルで国家戦略特区が穴を空けていただいたということで。歪められた行政が正されたということが正しい発言ではないのかなと私は思います。

森田) 前川さんの先輩、旧文部省のOBでもある加戸前知事は「文部科学省は硬直的だ」と古巣を批判しました。一方、前川前次官はこの衆参両院の閉会中審査が終わったあと、国会内で記者団に次のように述べています。

前川前次官) やはり不十分だと私は思います。私としては総理が率先して事実関係を解明してくださることを期待しています。

ただ前川さんも昨日は新たな事実や文書については示しませんでした。自民・民進両党は今日国会対策委員長会談を開くことで合意しております。
民進党は安倍総理出席の予算委員会の集中審議や臨時国会の早期解散を改めて求める方向ですが、自民党としては国会でやるべきレベルの議論ではないとしまして、予算委員会の開催に否定的です。
「何かあったら総理を辞める」喧嘩腰の発言から全てが始まった

高嶋) 昨日の閉会中審査を見て、どんなことを感じられましたか?

富坂) 前川さんは腹を括って出てきていますので、それに対して政府側は何度もシミュレーションをしてうまく潜り抜けられるようにやってきたと思いますけど、通用しないところに来ていると思います。

高嶋) 前川さんの先輩にもあたる加戸前愛媛県知事の溢れるお気持ちとか、今まで味わった無念さとか。10年くらいずっと却下され続けて、最初から加計しかなかったと。他に誰かが手を上げたのなら別だけど全くなかった。だから加計ありきではなく、加計しかなかった。あれはけっこう説得力がありました。翻って思うと、安倍総理が最初に「岩盤規制をドリルで穴を空けたのは俺だけど、たまたま加計だったから」と。何も要求も言われたこともなく「何かあったら私は総理を辞めますよ」と。あの喧嘩腰の最初のフレーズが全てを縛ったと思います。

富坂) その通りですよね。危機管理の間違いは最初のボタンのかけ違いから始まっています。小出しにしないでドンと一括やっていれば、逆に野党は困ったかもしれませんね。

高嶋) 総理の指示、総理の御意向がなぜ悪いのかと言ってしまえばいいのに。昨日も和泉洋人さんの「総理が言えないから私が言う」ということだって全部隠そうとするじゃないですか。「言っていない、文書はない」と。みんなそうやって蓋をするからむしろおかしくなってしまう。

富坂) 蓋をして文書が出てきて、言った通りだったと。完全に拡大再生案になっていて、最初の喧嘩腰も危機管理としてなっていない。都議選のときの秋葉原での発言もそうです。これまでの対立軸をつくって自分を強く見せるのはひとつの政治手法だと思いますけど、よくないですよね。

安倍内閣支持率は35%まで下がった

高嶋) 加計考太郎さんとゴルフをやっている写真がいっぱい出てしまいまして。『印象操作』は総理がつくった言葉ですかね? 誰がつくったか知りませんが、極めて印象が悪かったですね。今さらどうしようもなくて、支持率は出てくるたびに下がっています。

森田) そうですね。昨日もNHKの支持率も35%まで低下しました。このあと内閣改造で松野文部科学大臣や山本幸三地方創生担当大臣や萩生田官房副長官を変える方向ではありますけど。

高嶋) 昨日、雁首を揃えて答えていた人で、菅さん以外はいなくなってしまうわけですよ。それで正義ある回答なのか。全く違うじゃないかと国民は肌で思います。根本で安倍さんが信頼されなくなったということですよね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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