トランプ氏長男と会談したロシア人弁護士はワシントンでは知る人ぞ知る人物【高嶋ひでたけのあさラジ!】

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7/13(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

ロシアゲート事件に新展開
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)

ジュニア氏はロシアからの情報を歓迎していた

アメリカ大統領選挙の選挙戦中に、トランプ大統領の長男、ジュニア氏が、ロシア側とやり取りしたメールで、対立候補のクリントン氏に不利な情報のロシア側からの提供を、歓迎する意向を記していたことが分かりました。
ジュニア氏が「透明性を確保するため」として公開したやり取りですが、外国からの選挙支援を禁じた法律に抵触する恐れもあります。

トランプ大統領の長男であるドナルド・トランプ・ジュニア氏は、11日に、去年6月の大統領選挙中にロシア政府と関係のある、ロシア人の女性弁護士との面会を仲介した男性とのメールのやり取りをTwitterで公開しました。
ジュニア氏はメールの公開について「完全な透明性を確保する為」と説明しているのですが、ニューヨーク・タイムズから「メール内容を報道する」と通告された直後に公開したとされています。
一連のメールというのは去年6月3日から8日までのもので、「ロシアの検事総長がヒラリー・クリントン氏に不利な公文書や情報をトランプ陣営に提供する意向だ」と仲介者の実業家が通知したのに対し、ジュニア氏は「もし本当なら、今年の夏の後半だと特にすばらしい」と、期待を表明したメール内容です。仲介者はメールで「機密情報を伝達するため、モスクワからアメリカを訪れる、ロシア政府の弁護士と直接面会するように」とも打診されており、実際にジュニア氏と弁護士は、6月9日にトランプタワーで面会しています。
この面会には、トランプ氏の娘婿のクシュナー現大統領上級顧問や、トランプ陣営の選対幹部だったマナフォート氏が同席していました。仲介役の実業家というのは、ゴールドストーンという人物で、トランプさんが運営していたミスコンテストである「ミス・ユニバース」で、モスクワ開催のスポンサーを務めたことがありました。
一方、モスクワからニューヨークを訪れたロシア人の弁護士はベセルニツカヤという女性弁護士で、彼女との面会が実現したのは、最初のメールからわずか6日後の、6月9日でした。この女性弁護士は、ロシア政府や、ロシアの検事総長と親密なことで知られています。また、面会時期がクリントン陣営にサイバー攻撃が仕掛けられ、大量のメールが流れた直前に当たるだけに、今回の疑惑を捜査している、モラー特別検察官も、調査に着手する模様です。
ジュニア氏は11日のFOXニュースで、「弁護士との面会は時間の浪費だった」としており、「重要な情報提供はなかった」と強調する一方で、「慎重にやれば良かった」と反省の弁も漏らしています。
一方、トランプ大統領は12日のTwitterで、「息子は潔白だ。政治史に置ける、最大の魔女狩りだ」と述べています。

ロシアゲート関連で、最も具体的な情報である

高嶋)これは、ずいぶん具体的な話として出てきましたね。ジュニア氏がどれだけ「内容は取るに足らないものだった」と否定しても、このメンツが揃うと……この女性弁護士というのは、写真で見ただけでも相当厳しい顔をしていて、「やり手だな」と感じました。顔に出ていますよ。山本さんは、ご存じのようですが……

山本)彼女は今回とは別の案件で、アメリカがロシアに対して制裁を科している法律の取り下げをさせるためのロビー活動にも関わっていると言われている人でして。ワシントンの政界では最近、「知る人ぞ知る」という感じではないでしょうか。
ですから、道具立て、舞台立てがどうも臭うのですよ。「これだけやっておいて、何もないわけがないだろう」と思うのですが……

高嶋)ロシアゲートと言われるものの中でいちばん具体的。絵になって、図まで浮かんでくるような。そういう感じですよね。

山本)まさにその通りですね。ただ、「では会ったときに何を話したのですか?」と言うと、「結局、大した情報はなかった」「会ったのが良かったのかどうかは、分からない」ということで逃げを打っているのが、今の状況です。

高嶋)当時の大統領選挙、ヒラリー・クリントンとの熾烈な戦いからいって、ロシアは何らかの意味で、ヒラリーさんよりもトランプさんの方が「御しやすい」と。それに対して、選挙に影響を与えるような何かをしていた」という。これがずっと疑われているわけですね。
これは何か、突破口になっていきそうなのですか?

山本)可能性はあるので、モラー特別検察官も当然調べに乗り出す、ということになるのですが、そのときの具体的なやり取りが立証できないと、突破口にするのは意外とハードルが高いかもしれません。

支持率は延びない代わりに、3割を切ることも無い?

高嶋)本当にドナルド・トランプさんとその一家というのは、大統領の品位とか、格調の高さとか……今更こんなことを言っても始まりませんが、無茶苦茶ですよね。ビジネスについても。

山本)ビジネスについて言うと、もうハチャメチャですね。共和党系の集会に行って、出てきた水が「トランプブランドのミネラルウォーター」だったり、「外国からミッションがきた」と言って、忖度として、「トランプホテルに泊まる」とか。あのホテルは、高いのですけどね。宿泊料もステーキのお値段も。ワインも4,000ドル(約45万円)くらいのが置いてあるそうですから。

高嶋)フロリダの方も潤っているのでしょうか?

山本)潤っているでしょうけれど、あそこは一応、別荘の中ですから。どのくらいお金が落ちているのかは知らないですが……

高嶋)こんなのが、ずっと続いてしまって良いのでしょうか?

山本)良いはずはないと思うのが、「これまでの政治でこういうことはなかったよね」というのがスタンダードな意見なのですが、彼は「これで良い」と思ってやっているわけですよね。しかも、3割以上の固いトランプ支持者というのもいますから。だから、支持率が延びることもない代わりに、3割を切ることもあまり無さそうですので、このまま行くのではないでしょうか。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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