夏休みシーズンに突入しました。海外に旅立つ人達で空港も賑わう季節です。重いスーツケースと格闘しながらも、浮き立つような笑顔。みなさんどちらに行かれるんでしょう。
日本で人気の旅行先の一つにタイがあります。微笑みの国・キンキラキンのお寺と仏像が眩しい国・食べ物が美味しい国…そんなタイと日本が交流するようになって今年で130年。
今、東京国立博物館・トーハクでは、日タイ修好130周年を記念した特別展『タイ~仏の国の輝き~』が開かれています。
タイにはおよそ3万の寺院があり、95%が仏教を信仰、仏教は人々の暮らしの中に息づいています。その長い歴史の中で様々な仏教文化が花開きました。
この展覧会には、タイ王国門外不出の名宝と選りすぐりの仏教美術が140件も並んでいます。
会場では、古代からスコータイ・アユタヤー・ラタナコーシンまで、仏教がタイの文化形成に果たしてきた役割を王朝ごとに紹介。600年に渡る日本とタイの交流の歴史を裏付ける品々も展示されています。
時代によって中心地も代わり、美術品の表現も随分違います。時代を追ってじっくり観て行くと、タイの歴史を経験しているような気分になるから不思議です。
お宝の数々から、いくつか観てみましょう。
最初に迎えてくれるのがタイ展一押しの美しい「ナーガ上の仏陀坐像」です。悟りを得た仏陀が瞑想する間、竜王ムチリンダが傘となり仏陀を風雨から守ったという説話から作られました。東南アジアでは水と関係する蛇の神ナーガをとても大切にしているそうです。凛々しい涼やかなお顔ですね。
私のお気に入りは「仏陀遊行像」。しなっと優雅に歩く仏様は日本では見られません。タイの舞踊音楽が聴こえてきそう!何より後ろ姿を是非ご覧下さい。たおやかな美しい腰つき…後に付いて行きたくなります。
日本との交流がわかるのが日本刀。これは、鐔と柄はタイで作られましたが、刀身は室町時代の日本のものです。朱印船貿易で、山田長政をはじめ戦国時代の浪人たちがタイ(シャム)に渡り、いざという時には傭兵として戦ったそうです。
この図でも、象に乗ったシャム人指揮官や外国兵と共に、頭を剃り上げ薙刀を手にした日本人義勇兵が歩いています。大きさと精緻さに圧倒されるのが、黄金の「ラーマ2世王作の大扉」。第一級王室寺院ワット・スタットの正面の扉でした。見上げるほどの高さは5.6m。なんと!一本の木から彫り出されているのです。天界の雪山に住むという様々な動物や植物などが幾重にも立体的に重なっています。どうやって彫ったのでしょうか?それも王様が自ら!完成した後は真似されないように、使った道具をすべてチャオプラヤー川に捨てさせたという逸話まで残っています。火災で一部が焼けましたが、日タイが協力し保存修理作業が進められました。ここは写真撮影OK!タイの第一級の国宝の技をご堪能下さい。
タイと言えば忘れてはならないのが象!象は王の象徴でもありました。象に乗る時の大きな鞍なども展示されています。
枚挙に遑がないタイの名宝の数々。今回は特別で、もう二度と見られないものも多いそうです。トーハクでのタイ展自体も30年ぶりです。
この展覧会のために、タイ仏像大使のみうらじゅんさん、いとうせいこうさんが監修したオリジナルグッズもユニークですよ。
夏休み、お休みが少なくて遠出できない方、タイが大好きなあなた、是非、トーハクの特別展『タイ~仏の国の輝き~』でタイ気分を味わって下さい。
日タイ修好130周年記念 特別展『タイ~仏の国の輝き~』
期間 ~8/27(日)まで
東京国立博物館 平成館
休館日 月曜日(8/14は開館)
開館時間 9:30~17:00(金曜・土曜は21:00まで、日曜は18:00まで)
招待券プレゼントのお知らせ
日タイ修好130周年記念 特別展『タイ~仏の国の輝き~』の招待券を5組10名に方にプレゼントいたします。
ご希望の方は、メールにて応募ください。締め切りは2017/8/10です。
当選者は発送を持ってかえさせていただきます。
宛先:1242mobile@1242.com
※メールタイトルに「タイ招待券希望」、本文に「お名前」「ご住所」をお願いします。