3つの必要なもの~それは“食料・灯り・情報”「ニッポン放送オリジナル本当に必要な26種類の防災セット」製造秘話その②【ひろたみゆ紀・空を仰いで】

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22年前の阪神・淡路大震災で被災した株式会社メテックス代表取締役の田中廣さん。
被災して実感したことは「備えの大切さ」でした。

株式会社メテックス代表取締役田中廣

その当時、非常用持ち出しバッグ=防災セットを持っていませんでしたが、水・食料など偶然にも物の備えができていた田中さん。
運良く使うことができた駐車場の自家用車のカーラジオから大切な情報も得られました。その情報を元に正しい判断をすることができ、被災生活を乗り切ることができたのです。

その経験から、田中さんは「備えさえあれば、助かる命もたくさんある」と言うことを実感しました。頭の中では、いざという時に持ち出せる非常用持ち出しバッグ=防災セットのようなものが必要だとは思っていましたが、数年の月日が経ち、実現するまでには至りませんでした。そんなある日、仕事でアウトドア用品の輸入フェアに行った時、”あるモノ”を見て「これだ!」とピンと来ました。本当に役に立つ非常用持ち出しバッグ=防災セットが実現化した瞬間です。

被災後は「48時間」が一つのキーワードになっています。
田中さんの経験からも、今の日本なら、最初の2~3日を自分でなんとかしのげれば、なんらかの助けが来てくれます。
そこで、夫婦2人がまさに被災後の2~3日を過ごすために、被災生活に役立った「あってよかったと思ったモノ」と、またあの時「あったらよかったのにと思ったモノ」を検討し非常用持ち出しバッグ=防災セットを作ってみました。

被災したら、倒壊しなかった家か避難所のどちらかで過ごさなければなりません。
避難所まで避難するときに役立つもの、または自宅や避難所での被災生活で役立つものが必要です。
さあ、では具体的には、どんなものを入れたのでしょうか?

3つの必要なもの、それは「食料」「灯り」「情報」です。
まずは食料の工夫、基本はレトルトパックでそのまますぐに食べることが出来るものです。

1. 保存水:生きていく上で、最低限必要なものです。

2. 主食は白かゆ:非常食はアルファ化米が多いが、水で戻すと美味しくない。被災してお湯があることはまずない。おかゆなら戻す必要もなく、そのままでも食べられる。のどごしもいいので、お子さんもご年配の方も食べやすく、水分も取れます。

3. 馴染んだおかず=筑前煮と煮込みハンバーグ:不安定な非常時だからこそ、普段食べ慣れているものが大切です。

4. 発熱剤と加熱袋:レトルトパックを温めて、寒い日でも温かい食事が食べられます。

5. 食べやすいフォークスプーン:これ1本で、おかゆもおかずもOKです。

6. 食品用包装ラップ:残ったお皿に被せて使えばお皿を洗う水は不要です。

食料

そして、田中さんがあの時、「あったらよかったのにと思ったモノ」の一つ。
…それは、電池切れのない”灯り”と情報収集のための”ラジオ”でした。さらに最近では携帯電話の”充電器”も必要です。
そこで、この3つが1台にまとまっている「AM/FMラジオ付自家発電ライト」を入れました。
取っ手をくるくる1分間回すと…ライト点灯10分•ラジオ聴取6分•携帯電話待ち受け10分•通話1分が可能です。

手回し充電ラジオ

さらに、「マスク」も必須です。
被災地は想像もできないほどのホコリが出ます。
「街が燃えた後の空気の凄まじさは忘れられない」と顔をしかめる田中さん。
マスクなしに街を歩くのは危険を伴うことさえあるのです。

マスク

他にも、防水ポーチ、ろ過フィルター、ガーゼ付救急絆創膏、包帯、トイレットペーパー、簡易トイレセット、雨合羽、軍手•ロープ•笛セット、アルミシート、カッター、ゴミ袋と本当に必要なものが揃っています。

防災セット1

ここまでのものは、ある程度の防災セットには含まれているものもあると思いますが、実は田中さんが輸入アウトドアフェアで見て、非常用持ち出しバッグ=防災セットを作るきっかけになった”あるモノ”…これが一番重要でした。

※この話の続き 非常用持ち出しバッグは使われないほうがいい「ニッポン放送オリジナル本当に必要な26種類の防災セット」製造秘話その③ はこちら>
※この話の前段 あの日、自分が被災者になって判ったことがありました「ニッポン放送オリジナル本当に必要な26種類の防災セット」製造秘話その① はこちら>

レポート:ひろたみゆ紀

ニッポン放送オリジナル 本当に必要な26種類の防災セットはこちらから>

ひろたみゆ紀,空を仰いで

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