夏登山のシーズン。登山ブームは相変わらずで登山人口は約1,000万人。
中高年を中心に依然として高い人気を誇っています。
そんななか、危惧されているのが「山での遭難事故」。
しかも増えているのが「低山での遭難事故」なんですって。
警察庁によると、低山が多い首都圏では遭難事故の件数・人数ともに5年連続で増加。
一言でいえば「低い山でも気を付けなきゃいけない」ということですね。
低山での遭難、最も多い理由は「道に迷うこと」。
警察庁の発表でも、遭難事故の約4割が「道迷い」が理由とされています。
低山は分岐が多く、登山道もあれば、林業の管理道、動物が通る獣道もあります。
これを登山道と間違ってしまい、遭難するケースが多いそうです。
特に下山時は、登りきった満足感から注意力が散漫になっている場合が多い。
登る時には、ルートを確認しながら一歩一歩進んでいたのに、下山時には、山頂まで到達した喜びを友達と話しているうちに道をはずれてしまい、全く違うルートを歩いていることも多いそうです。
また、歩いているうちに体力がなくなり、徐々に日が落ちてきて、身動きが取れなくなるというパターンもあります。
道に迷い、体力が低下すると、早くふもとに戻りたいという思いが強くなります。
そうなると「とにかく下っていけばふもとに着くよね」という甘い考えで登山道をはずれ、結果、遭難してしまうんですね。
ちょっとした油断が 遭難事故を引き起こす可能性があるというわけです。
また特に低い山の場合、初心者が出掛けることも多いので、事前準備を怠っている場合も多いです。
●登山靴の用意
●防寒具やレインウェアの用意
●ヘッドランプの用意
●地図やコンパスの用意
●登山届の提出
など、山登りの基本を守ることが大事です。
山登りをする人にとっては当然のことばかりですが、その事前準備を怠る人がいるから事故が起こってしまうんですね…。
しっかりとした準備が大切です。
また、気を付けたいのが「身体のコンディション」。
●健康状態は大丈夫か?
●日々トレーニングをしているか?
●睡眠時間は足りているか?
低い山ほど自己管理をしないまま、軽い気持ちで登ってしまう初心者が多い…。
例えば、標高599mの高尾山。
ここ数年、緊急救助要請が増えていて、年間100件ほどの救助要請があるそうです。
救助要請の多くはケガと急病。疲れから足を踏み外して痛くて動けなかったり、高齢者の持病の悪化もあったり…今の時期なら熱中症の危険もあります。
低い山であっても、自分の体が山登りに適しているかどうかしっかりと見極めないと、大変な事態になる可能性があるということです。
標高の低い山。初心者でも簡単に登れると思いがちですが、低い山だからこそ、待ち構えている危険もあります。
来週には「山の日」を控えて、夏登山を楽しむ人も多いと思いますが、今一度、事前準備や自己管理、しっかりと考えてみてください。
山の危険は、高い・低いじゃないですよ…。
8月3日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より