帰省シーズンに安くて快適「高速バス」選ぶポイントは?【ひでたけのやじうま好奇心】

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帰省シーズンに安くて快適「高速バス」選ぶポイントは?【ひでたけのやじうま好奇心】
国内最大規模の高速バスターミナル「バスタ新宿」が新宿駅南口にオープンしたのが、去年4月。
利便性が増したことで、1日1,200便発着だったのが、現在は1,600便以上と激増しています。

当然の如く、高速バスの利用者は実に多くなりました。
国土交通省の統計によりますと、年間の高速バス利用者は1億1,000万人。
空前の夜行バス開設ブームが起きた1989年(平成元年)の5,050万人と比較すると、およそ2倍となっているのです。

帰省シーズンに安くて快適「高速バス」選ぶポイントは?【ひでたけのやじうま好奇心】

なぜこれほどまでに利用者が増え、さらに増加傾向にあるのか?

一番の大きな理由は、「安さ」です。
たとえば、利用者が多い東京―大阪便。新幹線なら14,450円。バスなら1,900円からある。

それから「乗り換えナシで行きたい場所に行ける」、というのも大きな利点。
例えば、「奈良」「和歌山」「岐阜」「島根」「松山」「高知」・・・列車で行こうと思ったら、必ず乗り換えがある場所は多い。
ところがバスだったら、東京駅なり、新宿駅なり、一旦乗ってしまえば、その場所へ一発で運んでくれるワケです。

ではどんな人が利用しているのか?

“安くて、鉄道・飛行機よりは時間がかかるから、若者ばかりでは?”と思う方、もはや今は高速バスはそんな時代ではありません。

サラリーマン、老夫婦、子連れファミリーの帰省や旅行、はたまた演歌歌手の地方巡業。
年間1億1,000万人の利用ですから、実に様々な人が利用しているのです。

もちろん若者たちの利用者も非常に多い。
特に、好きなアーティストのライブで地方まで遠征している若いファンは、行き帰りに高速バスを使うことが多いのです。
例えば、嵐の全国ツアーともなれば、高速バスの座席があっという間に埋まる。
安く上げて、浮いたお金をグッズの購入に回します。

帰省シーズンに安くて快適「高速バス」選ぶポイントは?【ひでたけのやじうま好奇心】

さて、全国のバス会社はどのくらいあるのか?

乗合バス事業者は1,453社、貸切バス事業者は4,392社、合計で5,845社と、大変な数なのです。

これらの会社全てが距離の長い高速バスを運行しているわけではありませんが、とはいえ、相当な数のライバルが存在する。
よって、バス会社は様々な工夫で顧客を獲得しようと画策します。

その工夫の一つが「行先に特化して独自性を出す」。

たとえば、温泉地に直行する高速バスがいろいろ出ているのをご存知でしょうか。
群馬県の伊香保温泉、草津温泉を巡る「上州ゆめぐり号」は毎日8便運航。
修善寺と新宿を結ぶ「伊豆長岡・修善寺温泉ライナー」は毎日2便。

パワースポットへ直行するバスというのも、目の付け所がイイ。
島根の出雲大社へは、11時間もかかりますが、8,200円からと安い。
縁結びの神様がいるだけに女性客が多いのが特徴です。

それから伊勢神宮へは3,450円からと格安、さらに世界遺産の高野山へも高速バスが出ています。

しのぎを削る各社、最近の大きな傾向は「バス車内の豪華化」です。

ドリーム号

様々なサービスを搭載しているドリーム号(JR高速バス ドリーム号 公式サイトより)

高速バスには、列車や飛行機以上にいろんなタイプがあるのをご存知でしょうか。
一番運賃が安いのは4列シート。よくある観光バスの座席のアレ。
トイレはナシで、サービスエリアでトイレ休憩があるパターンです。

そして、隣が通路になっていて独立性が高まるのが3列シート。
シートはかなりリクライニングが効いて、スリッパ付き、トイレ付き。
冷たい水はもちろん、ポットが備え付けられ、ホットコーヒーや紅茶など飲み物も自由に飲める場合が多い。
当然、値段もちょっと上がる。

そして、ここ近年評判となっているのが2列シート。
座席は左右両方だけで、つい立てやカーテンによって仕切られ、さながら完全個室。
シートは飛行機のファーストクラス張りの心地よさで、フルフラットに近い。
よって熟睡度が全く違う。

いろんなバス会社がこうしたタイプを出していますが、注目度が高いのはかつての国鉄バス、現在のJRバスの「ドリーム号」。

昭和44年、東名の開通の年から「東名ハイウェイバス」の夜行バス版「ドリーム号」を始めただけあって、座席開発に余念がない。
ドリーム号は数々の進化を遂げ、最新進化系が「ドリームルリエ」。
大阪まで2列シートが13,000円から。

もはや新幹線と大して変わらない値段ですが、タブレット端末「iPadmini4」を設置、インターネットテレビ局「AbemaTV」や雑誌・動画等のコンテンツを無料で楽しめる。
「充電用コンセント」、「フリーWi-Fi」、「空気清浄機つきエアコン」、「毛布」は当然標準装備。
くつろぎの空間は高級ホテル並みということで、予約も評判も上々です。

また、バス会社は訪日観光客にターゲットを当てました。
去年、全国の高速バス59社がタッグを組んで、外国人向けの『高速バス乗り放題パス』4か月の期間限定で発売しました。

これは「高速バス92路線が乗り放題」で、7日間20,000円、14日間28,000円。
日本人が利用できないのが残念ですが、外国人には大変利用価値が高かった。
それもあってか、新宿のバスタは今、多くの外国人に認知され、連日ごった返しています。

しかし、一番気になるのは安全性、ということではないでしょうか。

日本バス協会は、貸切バス事業者を対象に、安全性の評価を一つ星から三つ星まで認定しています。
三つ星を取るには、厳しい審査があって、最低でも6年かかります。
なんらかの星を持っているのは全国で1,013事業者。
こうした星については、ネットで公開されていますから、参考にしてみるのもイイのではないでしょうか。

帰省シーズンに安くて快適「高速バス」選ぶポイントは?【ひでたけのやじうま好奇心】

また、バス自体の改良も進んでいて、平成26年の新型車からは衝突被害軽減ブレーキや、車両安定制御装置の装着が義務付けられています。
さらには今年11月からは、「車線逸脱警報」も付くことになり、おかしな車線のまたぎ方をすると警報が出るようになります。

進化する高速バス、今後の課題は「LCCと高速バスがどうタッグを組むか?」。
双方とも、値段の安さが魅力ということで、さらに新しい可能性が開けるのではないかと、関係を模索しているとのことです。

8月1日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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