【月イチ連載コラム:工藤大輝と偶像音楽論(通算 第12回)】
可愛いだけじゃダメじゃないですが、既にもう可愛いだけじゃ収まりきらない魅力がある。
そう、人の人生において思春期は一度だけとは限らない。何度もモンダイ山積みホント急展開の繰り返しを経て、夢見る思春期は思春期を超えまた次の思春期へ。
ララララ・ライフ / 夢みるアドレセンス
オマージュ元の2017年上半期話題だったあの有名ミュージカル風映画のことは敢えて触れないでいこうと思いますが、一言だけ言うと、ここまでやりきってるならもう観てるこっち側としては楽しむだけ。
夢アドさんはクリエイター陣がいつも豪華絢爛で、全く違った曲調をしっかり自分達のモノにしてリリースしているイメージが強かったですが、今回のこの楽曲はガチッとハマった感じが凄くあります。声質と曲調がマッチしているのかなとも思います。ナチュラルに歌えて雰囲気も出せる。セリフもあって、歌いあげる感じではない部分がより良さを倍増させている気がします。
それに、夢アドさんはユニゾンの声質が本当に素晴らしくて、アイドルグループとして確実に説得力のある声が出ていますが、それが顕著に聴ける作品になっています。
加えて、ここまで豪華にちゃんと生音でレコーディングしているアイドル楽曲も珍しいです。この手のミュージカル系は打ち込みでやってしまうとチープになりがちですが、そこは流石の一言です。
振付に関しても、分かりやすさ一点勝負的な部分が多いです。グループの属性にもよるんですが、構成移動が多かったり複雑な振付を魅せる良さは今までかなり語らせていただいていますが、今回はその真逆。
立ち位置は最小限に移動して、サビは基本定位置横一列で行うことが多く、振付自体も「ダンスが上手く見えること」ではなく「どれだけ可愛く見せられるか」にフォーカスが当たっているのが特徴な気がします。
横一列で定位置安定で踊ることの良さはとにかく観やすさ。少人数グループでは特に効果的で、どこに誰がいるのか、自分の推しはどこにいるのか、知らない人も目で追える。顔を良く見れる。これはグループにあった魅せ方だと思います。
複雑なことや難解なこと、珍しいことをやっていくスタンスのタイプが増えつつある中、その点に関しては王道を崩さない格好良さがここにあります。
なにより、小林れいさん完全復帰で新たなステージへと進み今後どういった方向に進んでいくのか楽しみでなりません。年内中になんとかライブに足を運んでみたいです。
海老食べられなくてカニ食べれる人、いますよね。ちなみに僕の親は逆のパターンです。
と、そんなところで今回はこの辺で終了とさせていただきます。次回も楽しみにしていただけると幸いです。したっけ。
文:工藤大輝