北朝鮮、グアムにミサイル攻撃の検討 トランプ大統領は報復の考えを示す【高嶋ひでたけのあさラジ!】

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8/11(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

ひでたけのニュースガツンと言わせて!
コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・元外交官)

強国の大統領にもかかわらず、まるで子供レベルの喧嘩

高嶋)北朝鮮の朝鮮人民軍の戦略軍司令官が、中距離弾道ミサイル4発を、グアムの3、40キロ沖合に撃ち込む案を検討しているとか。そして、日本も「島根、広島、高知の上空を通過する」と予告して。「8月中旬までに最終完成させる」と。このようなことを言っていました。そうしたら、今度はトランプさんが、「グアムに何かすれば、北朝鮮で見たことも無いようなことが起きる」と述べたとか。

宮家)何だか、金正恩と同じようなことを言っていますね。困ったものです。この「4発撃つ」という話の前に「世界が見たこともないような炎と怒りに直面するだろう」トランプさんが最初に言っているのです。天下のアメリカ大統領が、金正恩氏と同レベルの喧嘩をやってどうするの、と私は言いたい。トランプさんは恐らく、必ずしもミサイルではなくて、「韓国に対して何かするのでは?」というのに対して、「韓国に手を出したら、とんでもないことになるぞ!」と言いたいのだろうけれど、この発言には問題があります。なぜトランプさんの最初の言葉が問題かというと、前提条件を何も付けずに「炎と怒り~」と言っていることです。「もしかしたらアメリカから先制攻撃をするのでは?」という間違ったメッセージを送ったら大変なことになる。

高嶋)ティラーソンさんが言っているのが面白いですよ。「金正恩さんが外交的な表現を理解しているとは思えないので、理解できる言葉を使って、大統領は言っているのだ」と

宮家)「子供に対して、子供が理解できる言葉を言いました」ということですね。冗談じゃない。「子供に対して、70歳の大人が、子供レベルの喧嘩しかできない」ということですよ。危険はゼロでは無いし、下手をすると戦争が再発してしまう

高嶋)私はこの発言が本気とは思いません。というのも、とにかくトランプさんは、大勢の人と会食などをしているときに、そのようなことを言っている。普通、もしこういうことを言うのなら、きっちり記者会見で、真面目な調子で相手の国にそれを伝えるのが筋だと思いますが、今回は「雑談の延長」みたいな感じで言っている。
そして、それに対しての世界の反応。たとえば日本も「存立危機事態が~」とか、けっこう大げさな反応になっています。これはどう捉えたらいいですか?

宮家)トランプさんは今まで即興で、アドリブで喋ってきて、「自分は凄くいい判断をしていて、もの凄くいいことを言っている」と自分で信じている。だけど、周りの人はそう思っていない。このギャップが全然埋まっていないので、相変わらず即興でやっているわけです。

高嶋)北の本気度はどうですか?

宮家)北は自分から手を出すわけがない。でも、今回のグアムについて、グアムが狙いなのかは分からないけれど、ICBMを本当に完成させたいのであれば、真上に撃っていては再突入の実験が十分に出来ないので、ある程度の距離を飛ばさなければいけなくなる。すると、方向としてはやはりグアム辺りの近くに落とす。そういうことを考えてはいると思います。ですが、それで本当にグアムを狙ったりしたら、北朝鮮は一発で終わる。そんなことを彼らがするとは思えません。

高嶋)でも、グアムの方角に一発撃つ可能性は否定できない?

宮家)残念ながら否定できません。

高嶋)そのとき、アメリカはどう思いますか?

宮家)いろいろなやり方があります。迎撃も出来る。ですが、そうなった場合、下手をしたら戦争が再発してしまいますからね。

高嶋)いずれにしても危険はゼロではない、ということですね。

 

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