懐かしさと新しさが共存する廃線の観光利用
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利用者の減少で鉄道が運行をやめてしまう「廃線」。地方の過疎化などもあり、やむなく廃線に至る鉄道は年々増えていています。鉄道が廃止されると、人口流出や過疎化が進む可能性もあり、住民の生活にも大きな影響を与えますが、今、その「廃線」を逆手に利用して、観光客を呼び込めないかと、「廃線を観光資源とする活動」が進んでいます。
調べてみると、いろんなところで「廃線の観光地化」が行われているんですが、代表格とされているのが、飛騨市にあるレールマウンテンバイク『ガッタンゴー』。
廃線となった線路の上に、自転車2台を並べて走るという乗り物で、レールに沿って自転車を走らせながら、飛騨の自然を満喫できるんですね。取組を始めて10年。今では年間4万人が訪れる人気になっているそうです。
もともと、この「ガッタンゴー」が利用している線路は、2006年に廃線となった「神岡鉄道」の跡地。神岡鉄道は、神岡鉱山から掘り出された鉱石を運ぶことを主な目的としていましたが、輸送手段がトラックに切り替わったことで利用者数が激減し、廃線に至りました。
その後、この廃線を観光や町作りに活かせないかと検討した結果、レールマウンテンバイク「ガッタンゴー」が開発されることになりました。この取組は、日本観光振興協会が主催する「産業観光まちづくり大賞」でも金賞を受賞するなど注目を集めています。何事も知恵とアイデアという気がしますね。
ほかにも、宮崎県高千穂町では高千穂鉄道の跡を利用して観光車両を走らせています(高千穂あまてらす鉄道(株))。かつて日本一高い鉄橋と言われた、水面から105mの「高千穂橋梁」をオープンカーで走るのは日常にはない体験で、年間2万5,000人を集客しています。
ほかにも、秋田県の大館市と小坂町にも、旧小坂鉄道を活用したレールバイクがありますし、「小坂町レールパーク」という鉄道の観光施設もあります。各地域で廃線の活かし方を考え、それを実行して観光客を喜ばせているんですね。
4月には、岐阜県飛騨市のNPO法人を中心に「日本ロストライン協議会」が発足。地元を愛する有志の皆さんの取組が、廃線を観光資源にしていこうという取組が、全国的に広がっています。自治体が廃線の観光化に本格的に乗り出すのも近いと思います。各地域が連携することで、新しい観光資源になればうれしいですね。
10月5日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より
高嶋ひでたけのあさラジ!
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