メジャーでも二刀流を目指す日本ハム・大谷翔平投手
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日本ハム・大谷翔平投手(23)は、今シーズン終了後、ポスティングシステムを使って、大リーグ移籍が濃厚。10月9日、楽天との今季最終戦でも野手・大谷として、出場が確実視されています。故郷、岩手に近い、宮城でのラストゲームには、
「最後まで変わらずにやりたい」
と前向きで、栗山監督もその意気込みに応える姿勢。
二刀流とはいうものの、どうしてもスポットを浴びるのはピッチングですが、メジャーのスカウトは打撃に対する評価が高いことも忘れてはなりません。「ものすごい素質をもって、相当なレベルにある」とタイコ判を押します。以前、大谷はバッティングについて、
「基本的に全打席、ホームランを狙っている」
並みの打者では、ジョークととらえてしまうことも、大谷なら「やっぱり」と頷いてしまいます。だから、あれだけの集中力がはっきできるのでしょう。
10月4日のオリックスとの札幌ドームの本拠地最終戦は、「4番、投手」で出場し、日本のプロ野球界の伝説となりました。2リーグ分立後、パ・リーグ初の「4番、投手」のリアル二刀流で、9回を2安打10奪三振の完封。自ら先制のホームを踏むなど、これがリアル二刀流の真骨頂です。
「疲れました。100パーセントの状態には、まだまだでも、完封ができたのは良かった。思い通り、体が動かなくてもゲームをつくれた」
通常なら、これだけやれれば大満足といいたいところでしょう。でも、大谷はノーヒットノーランを狙った様子でしたが、それができずに悔しそうな表情を浮かべていました。やはり規格外です。
おそらく、日本でのラスト登板になるということで、札幌ドームには両親の姿もありました。一方、札幌地区のテレビ視聴率が、31.5パーセントと驚異の数字だったことは、ほとんどのファンが、「メジャーでも、頑張って」というエールに違いありません。そして、大収穫といえば、この試合を視察したMLBの関係者、18人でしょう。故障の影響で、一時は評価がガクッと下がっていたものの、赤マル急上昇ムード。いずれもノドから手が出るほど欲しい、と顔に書いてあるかのようでした。
ただし、大谷の希望はあくまでも二刀流です。分業制がより明確なMLBでは、異例中の異例。これを快く受け入れてもらえるかが、移籍の決め手になる。これまでも、
「自分は待っている立場。二刀流でやらせていただけるかです。技術を結果で提供していくつもりがある。その技術を見込んでほしい」
と静かな口調で猛アピールしたこともありました。リアル二刀流で9戦9勝という勝負強さを発揮しているだけに、なおさらでしょう。
心配なのは、手術を控えている右足首。もうひとつ、左太もも裏の肉離れで不本意なシーズンを送ることになりました。4月に発症した肉離れの影響で、太ももが3割ほど細くなり、左右のバランスを整えるため、8月中旬まで思うような調整ができない状態。4日はラストチャンスで大いに燃えたことでしょう。
ちなみに、投手・大谷でMLB関係者が絶賛しているのは、ストレートよりもスライダーです。「今すぐに通用するだろう」。ポスティングを表明した後、どれほどのフィーバーとなるか、ちょっと想像ができません。
10月6日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」