ヤンキース・田中将大 今後の契約を有利にする大きな1勝

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田中将大

大リーグ 田中将大 ニューヨーク・ヤンキース 2017年10月8日 写真提供:時事通信

敗れれば、シーズンが終了。インディアンスとの地区シリーズで、田中が快投を演じてヒーローになった。試合後、なぜ、あなたはビッグゲームに強いのか?の質問に、

「そういう状況を日本ではおいしい場面といいます。つまり、おいしい場面が巡ってきただけ」

と珍しくコメントがさえました。ところが、その後がまずい。

「自分で自分をほめてあげたい。だけど、まだ、1試合ですから…」。

つまり、有森裕子の名言を頂戴したわけですが、日本人記者にはわかっても、地元メディアは無反応でした…。

7回92球を投げ、その内65球がストライク。抜群の制球力を披露しています。2連敗でヤンキースタジアムに帰ってきたわけですが、田中がフィールドへ登場すると、これまでになかったような大歓声で迎えられたのが印象的でした。1回、先頭打者を迎える前、右手をプレートにそっと置いて、心を落ち着かせる。かつての桑田のようなパフォーマンスで大一番を迎えました。

今季はレギュラーシーズン、30試合へ登板し、13勝をあげたものの、エースが12敗では許されない。防御率が4.74と散々。ニューヨークタイムスなどの地元紙は、

「ヤンキースの敵 バッドマサ」

といった大見出しが何度も躍っています。不振の原因は右ひじの不安からくる、負の連鎖。具体的なものがわからない。チームは復活プロジェクトでさまざまな要因を探ります。

結局、結論は投球フォームにある、と結論づけました。投げ急ぐと、肩が開いて、腕が下がる。ボールの切れ味がさっぱり。好不調の波が激しく、安定感がない。当然、制球力も激減するといった具合。強打を誇るインディアンスはアメリカン・リーグ中地区で102勝をあげています。しかも、残り試合が50試合から、42勝。勢いに乗っている。田中は中8日での登板を不安視されていましたが、逆に気持ちがリフレッシュされたのかもしれない。

今シーズン、100勝以上をあげたのは、インディアンスを含め、3チーム。ナショナル・リーグでは西地区のドジャースが102勝で、他ではアメリカン・リーグ西地区のアストロズが101勝でした。とはいえ、レギュラーシーズンで大きく勝ち越しても、ワールド・シリーズへ行けるかとなると、また別の話。100勝以上をあげたチームは、なかなかワールド・シリーズへ進出できないところが、勝負の不思議です。

一方、ヤンキースのジラルディ監督は昨日の試合で負ければ、解任説が浮上していた。そんな状況もあり、

「私が見た、これまでの彼のピッチングで間違いなくベストパフォーマンスだ」

と大絶賛。

田中にとっても、昨日の1勝はとてつもなく大きかったのは確かです。4年目の年俸が、24億円。シーズン終了後には、オプトアウト条項を行使できる権利が与えられます。要は、FA権を得て、ヤンキースとの契約を破棄することが可能になる。しかし仮に権利を使っても、レギュラーシーズンの内容から、どこも獲らないのでは、とささやかれていました。それを1試合で評価を覆したのです。

本日は、ドジャースのダルビッシュがダイヤモンドとの地区シリーズ第3戦に先発します。田中に続き好投することを期待しましょう。

10月10日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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