サッカー・香川真司 日本代表で力を発揮できないのはなぜ?
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楽勝の前評判が、あわや、ホームで敗戦。後半のロスタイムで、日本を負けから救ったのは香川でした。酒井のシュートを香川が触れて、コースを変更。これには相手DF陣もなすすべがなかった。決して、内容はホメられたものではありません。しかし、香川は久々に存在をアピールしました。
「次があるとは考えていません。集大成のワールドカップにしたい」
と、ロシア大会が自身最後という覚悟ができている。昨日のハイチ戦で日本代表としての出場は89試合目。キングカズ・三浦知良と並びました。そのカズは以前から香川を実にかわいがり、エールを送り続けています。
ところが、チームはともかく、日本代表のユニホームを着ると、全く良さを発揮しません。ハリルホジッチ監督は、「長い間、故障があったからだ」と分析しているものの、「コンディションはとてもいい。ケガは治っている」と本人は断言しました。故障は、6月7日のシリアとの親善試合で左肩を脱臼。この時、ハリルホジッチ監督からの指令が、
「ボールをもっていないところで一生懸命、動け」
だったそうです。
生まじめな香川はそれを着実に実行したものの、ヤル気が空回りしました。ポジションは司令塔。ただし、一発で勝負の流れを変えるようなタイプではない。卓越したテクニックで、周囲を活用して、自らも輝く。いい例が所属するドイツ、ドルトムントで今季2度目の先発出場を果たした9月30日(アウクスブルク戦)のループシュートでしょう。
「状況をみて、左足の甲へボールを乗せた」。
ドイツはもとより、ヨーロッパ各国で「芸術作品」と大評判の、タメ息が出るほどのゴールです。
ドルトムントではできても、日本代表ではできない。不思議に感じますが、やはり周囲と合っていない証拠かもしれません。香川の才能に目を向けているのは、カズばかりではない。この日、キャプテンをつとめた長友も同様です。
「今の代表のサッカーは、ワールドカップ南アフリカ大会の頃に戻っている。守ってのカウンター勝負。だから、経験があって判断力がある(香川)真司が必要です。どうやって力を引き出せるか、ぼくは考えている」
と話していました。
今回の2戦。本田、長谷部、岡崎など代表の常連組は招集を見送られています。あくまでも、他の選手のテストを最優先に考えたからでしょう。30代の選手を招集しなかった理由を、
「日本代表の未来のために見送った」
とハリルホジッチ監督は説明。でも、長友はポジションに代わりがいないから特例でした。
かつて、日本代表といえば、親善試合でも大入り満員確実のプラチナチケットだったはずが、今回はスタンドにも空席が目立ち、当日券を販売。関係者はもとより、選手も自身のSNSなどで「どうかスタジアムヘ足を運んでください」とアピールしたにもかかわらず…。監督にも、選手にも魅力がなくなってきた。
11月には、ヨーロッパへ遠征し、ブラジル、ベルギーと日本は強化試合を行う。「今日の内容からすれば、ブラジルが相手だったら10失点」とハリルホジッチ監督は怒り心頭の表情でした。
香川真司選手、当人、今、何を思う、というところでしょうか。
10月11日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」