中国共産党大会~習近平が目指すのは毛沢東!

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10/12(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

ポイントとなるその肩書と腹心の置き方
6:29~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)

習近平

中国の最高指導者・習近平は、2017年9月30日、中国北京の天安門広場で国民の日に先駆けて英雄の記念碑に花束を贈る式に出席する。中国は10月1日に国民の日を迎え、68周年を迎える。 EPA / WU HONG 写真提供:時事通信

中国共産党大会が18日に開催~注目は独裁体制の仕上げに入る習近平主席の動き

今月18日に、中国では5年の1度の共産党大会が開かれます。注目されるのは、やはり習近平国家主席の動き。独裁体制を目指す習近平はどのような方針を取るのか、具体的な内容について、産経新聞論説委員の山本秀也さんに伺います。

高嶋)来週に共産党大会が控えています。5年に1度ですよ。スピードを求められる現代で、5年に1度の大会、というのはスゴいですよ。意味合いが深くて。

山本)そこが共産党なのです。5年区切りで何をやるか決めていかなければならない。

高嶋)今度のポイントは何ですか?

山本)今度はもう、「習近平の独裁体制の仕上げ期」に入る。一言で言うと、そういうことだと思います。

高嶋)やはり独裁体制ですか。

山本)独裁は間違いないですね。そこで今度は、彼をどういう地位に……もちろん、彼はトップですが、「トップをどういう肩書きで固めるのか」、そして、「自分の腹心をどれだけ周囲に集めるのか」、この辺だと思います。

高嶋)いちばん注目される人の名前を上げていただけますか?

山本)王岐山さんです。彼は粛正をいままでやってきた、汚れ役を過去5年間、引き受けた人です。この人はもともと、大変有能な方ですが、いま年齢が69歳になりましたから、定年は超えましたので、当然、勇退しなければいけない。

高嶋)68歳で定年ですよね。

山本)68歳で定年ですね、ただ、この人が「どうしても残る」と言った場合に、どうなるのか。まあ、本人が「残る」というより、習近平が「残しておきたい」と言ったときに、無理押しをして残すのか、残さないのか。いままで皆さん、当然「降りる」という読みで見ていたのですが、どうも夏の会議、北戴河会議が終わった後に、この人の動静がいまひとつ読みにくくなりまして。いまの段階で、この人が絶対に降りるかまでは、残念ながら取材できませんでした。

高嶋)降りたら、習近平さんの力が、やや弱くなったということですか?

山本)そうとも言えないのです。その辺は、かなり反発が強かったので、カードを引っ込めたな、ということになるのでが、代わりに自分の子飼いの部下を持ってくるので、習近平一派優位という構造に代わりはない、ということですね。

習近平が目指すのは毛沢東~皇帝になりたい

高嶋)習近平さんは、非常に権力志向のようなイメージで最近とらえられるようになりました。「毛沢東になりたい」みたいなことを、週刊誌に書かれていましたけど。これはどういう意味ですか?

山本)彼は10代のときに文化大革命にあって、あのときに、一家揃って、ひどい目に遭っている。

高嶋)農村地帯ですね。

山本)父親は失脚中だったし、母親が特にひどい目に遭ったのが、青年時代の習近平の心を深く傷つけた。本人も良家で育っていたのが、陝西省という、高度高原の農村民で、肥担桶を担いで、歩かされる、ということをやっていて。彼の政治的なモチベーションというのは、「いつか見ていろ」というリベンジですよね。それだけで、多分いままで来ていると思います。それで、彼が見るときに、モデルとすべき対象は毛沢東以外に無いのだと思います。鄧小平のやったことというのは、彼は本音では「否定してしまいたい」と。「自分がフリーハンドでもう1度作り直したい」と思っているはずです。

高嶋)鄧小平を否定したら、いまの中国の発展は無いのでは?

山本)そこは、経済発展の部分だけがっつりいただく。だけど、鄧小平が同時に行った、一言で言えば、「お金は儲けて良いから、とにかくお前らやれ」というやり方。結果として、それで皆が汚職をする時代になってしまった。それで、1期目にやったのは、皆がやっているのは承知の上で、「汚職は許さない」と。

高嶋)そうか、経済で白猫黒猫みたいな話ですね。

山本)ええ。一言で言うなら、鄧小平は「とにかく儲けてこい」だったのですが、そこまでですね。無理に押したのが、今後5年間で、彼の行きたいところにおそらく行こうとするのだろうな、という節目です。

高嶋)では、習近平さんの精神構造というのは、「虎もハエも叩け」で、いままで当たり前と言われていた汚職体質と言うようなものを、「これも鄧小平の、1種の遺産にすぎない。それをきっちり正す」というのなら、相当良い人じゃないですか。

山本)汚職を正した後で、「自分に全員ひれ伏せ」ということなのですよ。

高嶋)皇帝になりたい?

山本)そうです。一言で言えば、本当の皇帝になってしまう可能性がある、ということですね。

習近平も歴史の定石どおりに、どこかで失速する

高嶋)そういう風にもし体制作りになってしまうと、先の中国というのは、山本さんから見ると、良くなるのですか? 悪くなるのですか?

山本)まあ、中国の歴史で見ると、「皇帝が繰り返し登場して、潰れていく」というのが歴史ですので。袁世凱という人も100年ほど前にいて、ポシャりましたけど、習近平さんもいずれどこかでコケると思っています。

高嶋)しかし、皇帝の魅力というのはスゴいのでしょうね。

山本)中国の政治構造で見ると、皇帝にならなければ勝ったことになりませんから。

高嶋)永楽帝の本もお書きになりましたが、相当、乱暴なことをやってますよね、あの人。

山本)乱暴ですね。永楽帝も皇帝になったはいいけど、「自分は正しい」ということを証明したくて仕方がない内に、人生が終わってしまった。同じことになると思います。

高嶋)そっちを向いて走っているのか、習近平という人は……

山本)そう思います。

高嶋)その中国共産党大会が、5年に1度、今月18日から始まります。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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