読書週間~紙の本も電子出版も“あり”だよね!
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10月27日から11月9日までは「読書週間」。
でも、ここ数年、ずーっと「出版不況」と言われていますよね。出版科学研究所によると、昨年の紙の出版物の推定販売額は1兆4,709億円と、12年連続で減少。20年前より1兆2,000億円も少なくなっているそうです。
ただ、その一方で、電子書籍や雑誌配信といった「電子出版」は好調。昨年は1,900億円、2020年には3,000億円を超えると言われています。いまや読書のスタイルは「紙」と「デジタル」が同居している状態と言えますね。
電子出版の販売額の8割はコミックによるもので、やはり日本の文化という感じ。すでに出版業界では、電子コミックを売るだけでなく、新人の発掘や育成の場としてデジタルの世界を活用していて、海外在住の外国人にもアプローチをしています。
また電子書籍の数が増えていることも新サービスにつながっています。講談社が今年5月からスタートさせた「じぶん書店」。講談社の電子書籍から、好きな本を選んで、推薦文とともにWeb上に公開して販売できるシステムで、売れれば10%のアフィリエイトコインを獲得できます。
スマホやタブレットでは画面に表示できる電子書籍はそれほど多くありませんから、なかなか目に留まらない本もあります。それをユーザー同士で薦め合うことで、さらに電子図書を活用してもらおうということなんですね。
もちろん「紙媒体」にも様々な努力があります。本や雑誌に触れる機会を増やそうと出版取次業・全国3位の「大阪屋栗田」が今年1月から手掛けているのが、「ホワイエ」というサービス。
従来、新規に書店を開業するには、多額の保証金など高い壁があるんですが、このサービスでは保証金も必要なく返品も可能で、欲しい本を1冊から取り寄せることもOK。本を販売したい人が参入しやすいよう、ハードルを下げたんですね。
しかも、このサービスは本屋さん以外のあらゆる店舗に本を搬入するので、ペットショップに動物の本、子供用品店に絵本を置いて販売することも可能。普段は書店に行かない人でも、本に触れる機会、本を買う機会が増えるわけです。
このサービスの発端は、「書店空白地」の増加にあります。全国の書店数は、減少を続けていて、「書店ゼロ自治体」が全国の2割もあります。(香川県除く)
このような現状を憂いて、全国のいろんなお店で1冊からでも本を売れるように、出会えるようにと始まったのが「ホワイエ」のサービスなんですね。今後は「書店以外でも本が買える」というのが、当たり前になりそうです。
紙の本と電子出版が共存する現代の読書環境。紙媒体も様々な努力をしていますし、電子出版も進化しています。
何はともあれ、せっかくの読書週間ですから、秋の夜長に1冊、どうですか?
11月2日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00