ソフトバンク・工藤監督 大きな力となった王会長からの一言

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工藤監督

【プロ野球日本シリーズ ソフトバンク対DeNA 第6戦】場内を1周するソフトバンク・工藤公康監督=2017年11月4日ヤフオクドーム 写真提供:産経新聞社

ハラハラドキドキ。今季のポストシーズンは、ファイナルステージからプロ野球史上に残る、熱戦が展開されました。

「泣かないと決めていた。でも、苦しかったことが頭をよぎって、涙してしまった。こんなに緊張し、ドキドキした日本シリーズはありません」。

第6戦で劇的なサヨナラ勝ちで2年ぶりに日本一を奪回した、工藤監督はこう話しています。

現役では入団1年目、19歳で日本シリーズ初出場を果たし、11回の日本一を経験。また、監督に転じてからも、3年で2回の日本一を飾るというひと際、輝かしい記録の持ち主でも、今年の勝利は別格のようです。やはり、昨年が忘れられないからでしょう。ペナントレースで11.5ゲーム差をつけながら、日本ハムに大逆転を許し、CSファイナルステージでも敗退。2度の屈辱を味わった。もし、今年も4日の第6戦で敗れていたら、横浜DeNAの勢いが勝った可能性があります。

日本一優勝監督インタビューで、まず行ったのは、ベンチへ向け、「内川キャプテン」と声をかけて、呼び出したこと。スタンドのファンへ

「最高の男です。皆さん、拍手をお願いします」

と9回に飛び出した、同点アーチを放ったヒーローをたたえました。さらには、サヨナラ打の川島へ、

「慶三、よく打った」

主役は選手と言われるものの、こんな感謝の方法もあった。工藤流です。

現役時から、工藤さんは担当記者とよく野球論議をかわしています。もっとも、論議ではなく、講義ともいえますが…。ところが、1年前はめっきりと口数が減り、「進退伺を出すのでは」と噂が流れ、張り込む記者も出ました。

ターニングポイントは、CSファイナルステージの第3戦でした。試合開始前、工藤監督が自ら円陣の中心となって、

「もっとバカになろう」

とかけ声を。これでいまひとつ、ペナントレースの強さを発揮できない、チームの雰囲気がガラリと変わったのです。

そして、王会長のさりげないサポートも、工藤監督の大きな力になった。3日、シーズンでもなかった、練習に顔を出して、監督室へ足を運び、

「さい配は、コイントスと同じ。裏が出れば、叩かれる。言いたいやつには言わせておけ」

と力強いひとことをおくったそうです。それから、王会長は報道陣へ、

「日本シリーズでは、ヒーローが4人出れば、勝てる。もう、3人出ているから、あと1人」

と、さりげなく。第6戦の工藤監督は、追い込まれても、どっしりとした安定感があった。きっと、王会長が工藤監督を信頼しているように、選手を信じていたからでしょう。

試合後、敗れたラミレス監督へあいさつに出向いたそうです。

「素晴らしいチームをつくりましたね」

と健闘をたたえ、2人でハグをしたということです。いいエピソードを聞きました。

11月6日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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