中国の南シナ海南沙諸島埋め立てはもう終わっている!?
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11/14(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
李克強首相「南シナ海を平和、友情、協力の海にしたい」
7:17~ やじうまニュースネットワーク:コメンテーター 富坂聰(ジャーナリスト、拓殖大学教授)
ASEAN首脳会議~フィリピン、ベトナムともに中国になびきつつある
アメリカとASEAN(東南アジア諸国連合)の首脳会議でアメリカのトランプ大統領は昨日、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題で連携を呼びかけた模様です。一方中国もASEANと首脳会議を開き、南シナ海の領有権問題解決に向けた行動規範の作成に向け協議を始めると宣言し、批判をかわしたい狙いです。
アメリカのトランプ大統領、それから中国の李克強首相は昨日それぞれASEANの首脳との会議に出席しました。トランプ大統領はASEAN首脳会議の冒頭で「われわれのパートナーは自分の運命を自ら選び取る強い独立した国であってほしい」と発言しまして、南シナ海の強引な軍事拠点化を続ける中国へのけん制とみられる発言をしましたが、中国と名指しはしませんでした。
トランプ大統領は10日、ベトナムでのアジア政策の演説でも南シナ海問題には触れませんで、ASEAN加盟の10ヵ国では「アメリカにとっては東南アジアの優先度は低いのではないか」というのが共通認識になりつつあります。
一方で李克強首相は昨日のASEAN首脳会合で南シナ海の領有権問題解決に向けた行動規範について、具体的な条文をつくるための協議を始めますと宣言しまして、南シナ海問題の批判をかわそうとし、一方で経済連携の強化を図る考えでして、ASEAN関連の議長国であったフィリピンは、インフラ分野、観光客誘致で中国から大盤振る舞いを約束されて、どうも長年にわたる親米国であるフィリピンも中国になびきつつある。
南沙諸島などで領有権を争っているベトナムも「社会主義の隣国、重要な協力パートナーとして中国との運命は固く結び付いている」という声明も出しています。李克強首相は昨日のベトナムの首相との会談では「南シナ海を平和、友情、協力の海にしたい」と述べまして、南シナ海問題はどうも中国が優勢な形で進んでいるということです。
高嶋)鳩山由紀夫さんみたいなことを言い出しましたね。以前は領有権を争うフィリピンやベトナムがたいへん反発しましたよね。南シナ海に勝手に島を作ったりしてこっちもピリピリしていました。噂によると3つの人工島とかミサイル格納庫ができていると。富坂さんが先ほど打合せのときに言いましたけど、王毅外相が「埋め立てはどうなりますか?」と質問したら。
王毅外相が人工島の埋め立ては終わったと公の場で発言
富坂)「うちはもう終わりました」と。
高嶋)それは本当ですか?
富坂)今年の春か夏のASEAN外相会議で言いました。日本は北朝鮮問題で大騒ぎをしていたので、このニュースは全然入りませんでした。
高嶋)やることをやってしまったと。もう運用されていますか?
富坂)今埋め立てをしているのはベトナムなので、ベトナムに聞いてくれと公開の場で言いましたよ。今になって大きなニュースになっていますが、昨年の秋からこの状態です。7月12日に裁定が出てわっとなりましたよね。そのあと日本ではあまり見かけませんでしたよね。フィリピンですごかったのは国内の過激派退治のための武器強要を中国から受けましたが、それの受け渡しをアメリカのスービック基地でやっています。
高嶋)フィリピンが国際仲裁裁判所に訴えた南シナ海問題で中国が悪いというのは消えたも同然ですか?
富坂)東南アジア諸国にとっても痛し痒しで、開発はいろんな国がいろんなふうに進めているところで、すべて島がないという裁定ですから。実はちょっと受け入れがたいところもあります。南シナ海すべてではないですよ。下のほうの南沙諸島というのは島ではなくすべて岩だという裁定が出ているので。
高嶋)スプラトリーは全部岩だと。
富坂)それが中国とASEANの話し合いを促進してしまったところがあって。秋にはこの状態になっていました。
高嶋)政治家はみんなカメロンですね。一筋縄ではいかないと。トランプさんもオバマさんがやってことだと言っていますからね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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