7/11(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
アバディ首相、IS拠点のモスルを制し勝利宣言
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター富坂聰(拓殖大学教授・ジャーナリスト)
追い詰められるIS、完全消滅しない限りまた出てくる可能性がある
イラクのアバディ首相がモスルとの戦いに勝利したと宣言しました。ただフィリピンではISを名乗る人たちが蜂起しています。今後どうなるのでしょうか。今朝のコメンテーターはジャーナリストで拓殖大学教授の富坂聰さんです。
高嶋) イラクのアバディ首相が10日、北部モスルでのISとの戦いに勝利したと宣言をしました。映像を見ると、ISが相当追い詰められていて、あとわずかに残るだけと。後ろにチグリス川が流れていて、あそこに飛び込んで逃げた人もいました。一つの国家のように、旅券を作ったとか、車とナンバープレートを用意したとか、お金や裁判所も造ったとやっていましたが。
富坂) 国家宣言をしていましたからね。モスクが一週間か10日前に砲撃されて崩れたと聞いたときから、明らかにダメになっていく感じはありましたよね。
高嶋) バグダディという人がカリフ宣言をしたという。
富坂) やはり世界に散らばるということは一番懸念されていることですし、モザイク模様に敵の敵は味方のような状況がたくさんあります。
高嶋) コロコロ変わりますよね。
富坂) 誰がどういうふうに、どの国がどこを支援しているのか複雑にありますから。なくなっても全部消滅しない限りまた出てくる可能性がずっとあるということです。アジアに飛び火してくるのは怖いですね。
IS蜂起であのドゥテルテ大統領が慌てて帰国高嶋) 人によって説明がずいぶん違うように思えますけど、例えばフィリピンでISが蜂起していろいろやっている。これがシリアやイラクでやっていることとは種類の違う人たちだという解説もありますが。富坂さんはその説は取らないのですね?
富坂) 違いますね。いろんな勢力はありますが、中国のウイグルからISに渡った人たちというのはフィリピンやインドネシアで捕まっているケースがけっこうあります。ここを経由してISと連絡を取って行く、というのがひとつルートとして定着しているのは間違いないです。そして私が驚いたのは、ロシアに行っていたドゥテルテさんがスケジュールをキャンセルして慌てて帰ったこと。かなり大変なことが起きているのではないかと感じ取りました。
高嶋) 彼の生まれ故郷のミンダナオが一番すごいらしいですからね。
富坂) だからよく状況が分かったと思います。私もモロ民族解放戦線のミスアリさんの関係で一ヶ月ちょっと行ったことがありますが、政府の手が届いていませんでした。もともとガバナンスが届いていないところにそういう人たちが入っていくと、しんどいことになる可能性があります。インドネシアももちろんそうなので。これまでニュースとして遠いところで起きている問題が、すぐ近くのものになるというイメージになるかもしれません。深刻だと思います。バリ島でもときどきテロが起きたりしますよね? これからあの一帯で増えてくるかもしれません。
高嶋) そしてISがシリアの首都と言っているラッカ。ここがどうなるかということでまた変わってきます。より一層複雑で、大国の思惑がありますから。
富坂) 一番大きいのはアメリカとロシアですよね。今回G20でもこのことはすごく話し合って、マネージしていうという意味ではなんとなくいい感じにはなっていますが。プレーヤーとしてはイランもトルコもいますので、きちんとした合意形成は容易ではないよ思います。
高嶋) 解放と言われるとちょっとホッとしてしまいますけど、ますます混沌としていると思った方がいいですね。