中東のテロ組織は統制の取れていない愚連隊 高嶋ひでたけのあさラジ!

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6/1(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

アフガニスタン爆破テロで90人が死亡~日本人大使館員ら2人も負傷
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

People survey the the scene of a suicide bomb attack in Kabul, Afghanistan, 31 May 2017.

カブールで起きたテロによって破壊された建物=20170531アフガニスタン・カブール 写真提供:時事通信 People survey the the scene of a suicide bomb attack in Kabul, Afghanistan, 31 May 2017.


アフガニスタンで大規模な爆発テロが発生

5月31日、アフガニスタン首都カプール中心部の大使館街で大量の弾薬を積み込んだバキュームカーが爆発。自爆テロとみられる。90人以上が死亡、400人以上が負傷し、日本人の大使館員ら2人も軽傷を負った。アフガにスタン政府は自爆テロとの見方を示している。

高嶋)アフガンの爆発、分からないなと思うのが、あの「タリバン」だ「イスラム国」だ、もうほんとバラバラにいろいろ入っちゃっているのですねここは今。

佐藤)いろいろ入っているのですが、欧米とか日本の組織のやつのようにはっきりとした組織ではない。フワーっとしています。別の組織のメンバーが「お、あそこよくやっているな。それじゃうちも頑張るか」という形で、例えばイスラム国がやっているからアルカイダでやるという奴もいれば「イスラム国という名前で俺はやろうか」と、こういう感じの連中もいるのです。
基本は、今シリアでイスラム国掃討作戦が成功してイスラム国が追い込まれているからこういう風になるのです。皆さんここで半分だけ空気が入っている風船を創造してください。上で今ギュッとシリアで捻っているのですね。空気どこに行くかというと、下に行く。その“下”がアフガニスタンであり中央アジアなのです。ということは今イスラム国掃討作戦自体が上手くいっているから、他の局面で戦線を広げて体制を立て直そうと。「俺たちはまだ強いぞ。お前ら掃討作戦なんか上手くいっていないんだぞ」と見せることが目的ですね。


イスラム国の狙いはコプト教徒を襲撃してエジプトが割れること

高嶋)別の情報ではイスラム国が27日、エジプト中部のあるところでキリスト教の一派「コプト教徒」のバスを襲撃とあります。

佐藤)この話は日本での報道では小さいのですが、すごく深刻な問題です。エジプトという国の10%はキリスト教徒なのですね。それでその内の9割、すなわち総人口の9%がコプト教徒なのです。コプト教徒というのは5世紀の終わりに他のキリスト教から分かれてできた独自の発展をしているキリスト教ですけれども、例えば、前国連事務総長でガリさんっていましたよね。あの人コプト教徒です、クリスチャンです。
それでイスラム国の狙いはコプト教徒をテロでやるでしょ、そうすると当然今のシーシー政権はイスラム国を攻撃する。そうしたらイスラム国は「あいつらクリスチャンの味方をして、俺たち仲間のイスラム教徒を殺しているぞ。そんな政権は叩き潰せ」と言うとエジプトの中にもイスラム原理主義者がいますから、これは穏健な人達だけれども原理主義者だから、やはり「キリスト教徒に加担してイスラム教徒を殺すのはけしからん」と思う。それで国が割れることを狙っているのですよ。その割れた後でイスラム国がエジプトの中で拠点を作ってイスラム国をエジプトに移転すると、こういう構想ですね。

高嶋)私、本当に世界は皮肉だと思うのですけど、あの「アラブの春」がチュニジアで起きたときに、ようやくそういう時代になったかと思いましたけども。今考えると例えばエジプトはムバラク大統領だった、シリアはアサド大統領だった、リビアはカッザーフィー大佐だった。ああいうとんでもない人たちが上から押さえつけているときの方が多少は平和に見えたのだなという。

佐藤)国際的な安定、対外的な安定というのだったらそうですね。たとえばこれは暴力団、それを想定した場合に組のトップが統率きちんと取れているときというのは抗争が起きにくいですよね。

高嶋)山口組3代目とか。

佐藤)それでトップが「これで止めだ」と言うと、例えば「仁義なき戦い」でもあの代理戦争でも見えるように、上がいつの間にか手打ちをしちゃったと。そうしたら下は言うことを聞かざるを得ないと。ところが下でずっと走り続けて上が全然統制が無いというと、ああいった暴力団の抗争も本当に深刻になりますよね。よく似ています。

高嶋)そうか。じゃあとにかくそういうところで生活せざるを得ない、生きている人たちというのは大変な不幸ですよね。

佐藤)ただ独裁国家というのは政治に触らなければ国民に対しては無関心ですから、だからそんなに極度にひどいことはしていないのですね。


中東のテロ組織はまるで統制の取れていない独立愚連隊

高嶋)でもイスラム国、このコプト教徒、こういう弱いところを狙うみたいな、こういうようなもう情け容赦の無いことをやっていくということは、より弱いところへ浸透していこうということですよね。

佐藤)そういうことです。だからこれに関して対話は不可能だから、やはり基本的には力による政策でインテリジェンス業界では中立化、すなわち殺すということですね。こういう厳しい方法しか無いですよ。

高嶋)アフガンではタリバンとイスラム国ってどっちがデカいのですか?

佐藤)これはファジーにやってもよく分からない。タリバンが同時にイスラム国でイスラム国が同時にタリバンだと、こういう感じですから。

高嶋)我々の理解を越えていますね。

佐藤)だから我々の感覚で理解しようとすると、こぼれが多くなってしまうのですよ。

高嶋)国と国との戦闘というようなイメージとは全く違うのですね。

佐藤)一昔前よく西麻布で「半グレ」とか問題になっていましたよね。半グレ間の抗争と思った方が良いですね。明確などのグループにいるか分からないような、昔の独立愚連隊みたいなこういう感じですから、統制にうまく入ってこないのですよ。

高嶋)統制取れないからより乱暴であると。

佐藤)そう、それだから面倒くさいのです。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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