友好ムードの裏でけん制し合う米中の軍事実態とは?

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11/28(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

韓国に配備のTHAAD~米の目的は北朝鮮ではなく中国への監視
7:02~ ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター 富坂聰(ジャーナリスト、拓殖大学教授)

中国の最新ICBM『東風41』を来年配備 射程距離は北米

今年は北朝鮮が次々とミサイルを飛ばし、注目が集まりました。その裏側に隠れながら、アメリカと中国とロシアはせめぎ合いを続けています。今朝のコメンテーター、ジャーナリストで拓殖大学教授の富坂聰さんに詳しく伺いましょう。

高嶋)今日の読売新聞に小さい記事でしたが『中国ICBMを来年配備か、新型東風41、北米射程圏内へ』と。考えてみると北朝鮮のICBMばかり気にしていましたが、中国対アメリカでもいろいろやっていましたよね。いまは互いに訪問して友好ムードですが。本音では何かあったらやり返すというところは変わっていないですよね。

富坂)ベースですよね。米露、米中は最先端のところで競争をしていますので、相互確証破壊という、やられたらやりかえせるという体制を必ず作っていくことはマストです。いつも北朝鮮のICBMだけを捉えていることにびっくりしますが、北朝鮮は記念日に飛ばして再突入できるかの話ですよね。中国の場合はわれわれの見えないところでけっこう飛ばしていて、1回2回という話ではなく毎日飛ばしているような感覚ですよ。数センチ単位で誤差を修正して正確なミサイルを飛ばしています。ここは北朝鮮のミサイルとその他というのも、米中露は次元の違う話なので。たとえば突然、弾頭化という話が出てきましたが、あれは普通の話で、ロシアと中国から飛んでくるミサイルも100%弾頭化です。そういう話が出ると、アメリカは北朝鮮をどこまで脅威に思っているのかなと。ロシアなんかのミサイルは列車で動かして、いつどこにあるかわからないよう国内にずっと動かし続けて飛ばすこともできます。

高嶋)発射台をいつも動かしているのですか?

富坂)貨物列車のようなもので、屋根がパカッと開いて飛ばせます。他にもいろんなものがありますし、潜水艦発射弾道ミサイルのSLBMは北極海の氷を割って飛んできますので。

高嶋)海の底ってすごいみたいですね。

富坂)潜水艦は水温が変わるところでキャッチができなくなり、そのくらい深いポイントがいくつかありますから。北極海は取り合いになっています。

韓国とルーマニアのTHAAD配備、真の目的は中国とロシアを丸裸にすること

高嶋)基本的な性格でアメリカと中国が思っているところはどうですか?

富坂)アメリカが圧倒的に強いですよね。アメリカは「自分は攻撃できるけど相手に攻撃をさせないという状況をつくりたい」、中国は「攻撃されたらアメリカの10分の1でも返したい」という感じだと思います。今のところ中国は10分の1の打撃力を返す力は持っていますよ。

高嶋)日本から見ると、左側に中国で右側の遠いところにアメリカとなっていますけど、北極のほうから俯瞰すると、中国とアメリカ大陸は近いですね。

富坂)攻撃しようとすると、北極の近くを飛んでいく感じになりますよね。だからロシアとアメリカが激しさを増しているのは北極海の取り合いです。

高嶋)たとえば韓国国内にTHAADを配備する、中国が非常に嫌がった。そこが基本的な姿勢ですが。アメリカの「俺のところはやられたくないけど相手はやっつける」という精神はまさにTHAADに当てはまりますよね。

富坂)そうですね。北朝鮮のミサイルが飛んでくるから朝鮮半島に配置となっていますけど、ルーマニアに配備するTHAADと朝鮮半島に配備するTHAADのXバンドレーダーによって中国とロシアを丸裸にしようということが狙いです。北朝鮮はあまり関係ないです。そもそも高高度迎撃ミサイルという名前がつけられていますが、北朝鮮から飛んでくるミサイルは低高度ですから(笑)。ひとつひとつ見ていくとおかしな話がたくさんありますが。

高嶋)友好の陰に隠れて、せめぎ合いがずっと続いているのですね。

富坂)そうですね。今年はその裏側がとくによく見えた年ですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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