ジンバブエのクーデター~裏に中国の存在か
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11/24(金)FM93AM1242ニッポン放送『宮家邦彦のあさラジ!』今日の聴きどころ!①
権力は時間と共に腐敗していく
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!
ムガベ大統領が辞任、ムナンガグワ氏が次期大統領就任へ
ジンバブエはクーデターにより、1987年以来大統領を続けて来たムガベ氏が失脚、新たにムナングワ前第1副大統領が大統領に就任する見通しになった。ジンバブエ独立当時は支持されていたムガベ氏が、なぜこのような結末を迎えることになってしまったのだろうか。
宮家)この時間、注目するニュースは「ジンバブエの大統領辞任」です。
森田)ジンバブエではムガベ大統領(93)が21日に辞任して、ムナンガグワ前第1副大統領(75)が、今日、新しい大統領に就任します。ジンバブエは、1980年に独立したアフリカ南部……下の方の内陸国で、面積は日本とほぼ同じ。人口は1,600万人程、ということです。ムガベさんは教員を経て、黒人解放運動に参加し、1980年のジンバブエ独立と同時に首相に就きました。1987年に大統領に就任して以来、93歳の現在まで、世界で最高齢の首脳とされていました。
ただ、2000年以降、白人の大規模農場を強制収容や野党への弾圧等を行い、イギリス等の欧米諸国が反発し、経済制裁を課していました。それから、今月6日には、軍と関係が深い、今度大統領になるムナンガグワさんを第1副大統領から解任し、「浪費癖がある」とされている、ムガベさんの奥さんで、41歳年下の52歳であるグレースさんを後継の大統領にしようとして、国民の反発が強まり、軍がムガベさんを自宅に軟禁していたようです。宮家)権力が腐敗するということですかね。ジンバブエが独立した当時、彼(ロバート・ムガベ)はヒーローだった。しかし、それから37年。やはり権力は腐敗していくのですよね。こうして見ていると、やはり「民主主義はいいなぁ」と思いますね。
それで、2つ言いたいことがあります。1つは、このクーデターの数日前の出来事です。ジンバブエの軍の首脳が、中国を訪れました。そして、帰国直後にクーデターが発生しました。なので、一部では「中国が裏で操っていたのでは?」とか、いろいろ言われていたそうです。確かに、中国はアフリカを非常に重要視していて、ジンバブエも含めた多くの国を支援していますから、その意味では、軍の方も何か事をしでかす前に、仁義を切りに行った気もするのですが、そこは、恐らく真実は出てこないと思います。独裁の悪循環を繰り返さないように監視が求められる新政権
森田)やはり中国はジンバブエにも人を送って、インフラ等もやっているのですか?
宮家)投資はしていますね。その意味で、「新しい政権になっても、よろしくね」ということかもしれません。
もう1つ思うのは、さっきの「権力の腐敗」に関しての続きなのですが、2011年にエジプト革命がありました。あれも、ムバーラク大統領が自分の息子を後継者にしようと画策した結果、民衆が反発してしまった。どうしても権力者は、自分の関係者に権力を渡したい、ということなのかなと思いました。やはり、ある程度の一線を越えてしまった気がするのです。よく考えてみれば日本でも、いろいろな選挙区を息子が継いでいる場合もあるのだから、どちらが良いのかは分かりませんが、この場合は37年間も……93歳で、元気なのはいいけれど、こういうことを繰り返していてはいけないな、と。その意味では、ある時代が終わった。
しかしこの後も、軍の強権を持っているわけですから、ムナングワさんが同じような形で独裁者にならないようにちゃんと監視していかないといけないと思いますが、欧米の制裁の解除はまだまだ先になると、私は思っています。森田)ムガベさんはカダフィ大佐の様に銃殺されるような、そういうことは無いですよね?
宮家)一応、免責をもらったみたいですね。しかし、何が起こるか分かりません。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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