EUとのEPA交渉の大枠合意を本日宣言

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7/6(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④

難航していた日本車とEU産チーズの関税が合意
7:17~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター佐藤優(元外務省主任分析官・作家)

経済連携協定,EPA

日欧州連合(EU)経済連携協定(EPA)閣僚協議に臨む(右から)山本有二農水相、岸田文雄外相、マルムストローム欧州委員、ホーガン欧州委員=2017年7月1日、東京都港区の外務省飯倉公館 写真提供:産経新聞社

日本車は7年、EU産チーズは15年で関税を撤廃

日本政府とEUヨーロッパ連合は、EPA(経済連携協定)を巡る交渉の大枠合意を6日の首脳会議で宣言すると決めました。関税をなくす品目の割合を目指す自由化率はTPP(環太平洋連携協定)の95%と同じ程度の水準になる見込みです。

この交渉自体は4年前から始まりました。発行すれば世界のGDPのおよそ28%を占める強大な自由貿易圏と言われています。安倍総理は昨日ヨーロッパに出発する前に次のように記者団に述べております。

安倍総理) 二期、EU、EPAはアベノミクスの重要な柱のひとつです。また世界の自由貿易を推進していく上においても、大きな意味を持ちます。

安倍総理は今日大枠合意を正式に記者会見で発表する方向です。EUのトゥスク大統領と会談する方向です。日本とEUとの交渉は、EU産のチーズと日本車の関税撤廃で難航していましたが、最終的に両者が歩み寄りました。日本車についてEUは10%の関税を発行から7年で撤廃する、逆に日本はパスタやチョコレート菓子の関税を10年で撤廃するとしています。
焦点だったEU産のチーズについては、輸入量の一部に低関税枠を設けて、15年間をかけてその低関税枠の税率をゼロにする方向です。この他EUは日本酒や緑茶の関税をただちにゼロにする一方で、日本もEU産のワインの関税をただちになくすということです。
EU高官は最終的な合意には数か月かかる見通しだとしまして、年内の最終合意を目指す方向です。日本政府は国内農業への打撃を抑えるために支援策も検討する方針です。

ヨーロッパ、政治状況が悪いため経済を良くしたい

高嶋) アメリカはトランプ大統領の方針で、それぞれの国と対で交渉すると。揺れるヨーロッパが日本との間にも関税に関して、けっこう近付いてきていると思いますが。この辺の動きはどう判断しますか?

佐藤) ヨーロッパとしては背に腹は代えられない。政治の状況が悪くなっているので、経済を良くしないといけない。ヨーロッパの経済の強い部分はより強くして、弱い部分は再編していくという考え方を比較的時間をかけてやっていく。チーズが15年ですから。一言でいうとヨーロッパも日本も良識が強い。短期的にはマイナスで、中長期的にこういう方が良いよねと考えていて、アメリカと中国だけが考え方が違います。

高嶋) ヨーロッパにとってワインの関税撤廃など、撤廃する本当の心はどこにありますか?自信があるから買ってくれるはずだということでしょうか?それとも南米などのワインも日本にどんどん入ってきていますから、競争するためですか?

佐藤) まさにそこのところだと思いますよ。昔だとワインは高い物という意識がありました。いまでは1,000円以下のワインはたくさんありますから。そこの部分にヨーロッパのワインもたくさんあるので、むしろそちらのほうが大きいと思います。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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