6/20(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
NATOと分裂でEU問題はさらに複雑化する
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター富坂總(ジャーナリスト・拓殖大学教授)
止まらないテロ、揺れ動くヨーロッパロンドンでは昨日、ラマダン中のイスラム教徒に向かってワゴン車が突っ込み、一人が死亡、10人がけがをした。一方、パリのシャンゼリゼ通りでは、治安部隊のワゴン車に乗用車が突っ込むというテロ未遂事件が起こっている。総選挙でもそれぞれの結果となったイギリスとフランス。ヨーロッパの情勢はこれからどう動いていくのでしょうか。
高嶋) ヨーロッパの情勢についていろいろ伺いたいのですが、相変わらずテロが起きていて、選挙の結果をひとつ見ても、イギリスとフランスでは雲泥の違いですよね。メイさんのほうは大敗して。
富坂) 大きな意味で責任問題になるはずの大敗でしたよね。
高嶋) 辞めるのかなと思ったけど辞めない。北アイルランドの10人と協定を結んで。内容はハッキリしていませんが。
富坂) 苦しいですよね。足が立って政治するという雰囲気ではなくなってしまいました。
フランスの選挙結果は既存政党への否定高嶋) フランスのほうはこのデータがすごいと思いませんか? マクロンさん一強になりましたけど、2回目の選挙の投票率が42.6%。いままで二大政党だった社会党が30議席になってしまい、共和党は112議席になってしまった。信じられませんよね。女性議員が約4割で38.8%、新顔の議員が425人で73.7%。どういうことですかね?
富坂) 投票率の低さがあって。そもそも政治が白けている状況が見えるじゃないですか。投票率が非常に低かった中で、すごい風が吹いちゃってフレッシュなものになってしまった。これからの政経運営は不安ですよね。上の数名の人間のイエスマンとして働く可能性が高いので、イギリスとは別の意味での日常的な不安定さが出てくる。
高嶋) 前大統領が二期目に挑戦できず、社会党は284議席もあったのが30議席になってしまった。となると選挙に行かなかった5割の人は何を思いましたかね?
富坂) ルペンさんが出て来たときにドキュメンタリーをたくさん観ましたが、「ルペンさんが良いんじゃなくて、既存政党が嫌だ」と。NOを見せつけるための選挙だとさんざんやっていましたから。
高嶋) 棄権はNOだということですね。イギリスはていたらくになって、フランスもマクロンさんが勝ったけど非常に不安定な状況ですね。
EUとNATOが分裂高嶋) EUとイギリスの交渉はどうなりますか?
富坂) EUは連鎖的に良い条件で出ていかれたらたまらないので、しっかりとイギリスにペナルティを求めていくと思います。交渉は楽なものにならないと思います。ただEU自体がいろんな軸に線が入ってしまっています。もともとキリストをすごく大事にするドイツ的な価値観と、イタリア、ギリシャ、スペインなどの経済的に緩い人たちとの軋轢がある。さらに移民を認めるかどうかの線も入っている。今回イギリスが別の線を入れてくる。EUはどこの軸で対立しているのか、ものすごく複雑な線が入っています。しかもNATOとEUが分裂していることが出てきているので。
高嶋) NATOとEUがおかしくなってきているということは、対アメリカ、対ロシアということですね。
富坂) 対ロシアで。NATOはアメリカの支配がすごく強いので、NATOはロシアとガッチガチですけど、EUは融和的にやろうとしています。上半身と下半身が分裂しているような状態です。
高嶋) どこへ行くのか、EU。という感じですね。