マクロン新党圧勝は都民ファーストの会に追い風!?高嶋ひでたけのあさラジ!

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6/13(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

マクロン旋風で新党圧勝のフランス~新政権が短命に終わりそうなイギリス
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター手嶋龍一(外交ジャーナリスト)

パリのエリゼ宮(大統領府)で記者会見したフランスのマクロン大統領=20170612 写真提供:共同通信社

パリのエリゼ宮(大統領府)で記者会見したフランスのマクロン大統領=20170612 写真提供:共同通信社


好対照なフランスとイギリスの総選挙結果

フランス国民議会の総選挙は第一回の投票の結果、マクロン大統領の新党『共和国前進系』が圧勝し、公約のEUヨーロッパ連合強化に向けた基盤固めに成功する見通しとなりました。一方イギリスのメイ首相は12日、内閣改造を受けて初めての閣議を開き、EU離脱交渉に向けた結束を呼び掛けました。

フランス国民議会下院の総選挙の第1回投票が11日に行われまして、国営テレビフランス2(ドゥ)の獲得議席の予想では、マクロン大統領の新党『共和国前進系』が定数577議席の7割以上にあたる415~455議席を占めて圧勝する勢いです。新党前進の公認候補のおよそ半数が公募に応じた選挙経験のない市民候補でして、弁護士だとかボランティア活動家、著名な数学者、中には女性闘牛士もいるということです。
一方前回200議席以上を獲得しました中道右派連合は70~110議席に議席を減らしまして、同じく前回300議席を獲得した左派の社会党系に至っては20~30議席と大幅に議席を減らす見通しです。また極右国民戦線のルペン党首自身も第一回投票では議席を獲得することはできず、第二回の投票に進むことになりました。こうした選挙結果に続いて9月に連邦議会を控えるドイツのメルケル首相はマクロン大統領の新党の躍進を手放しで喜んでおります。ここでドイツ・フランスが足元をしっかり固めておかなければ、イギリスのEU離脱交渉が迷走しかねないという懸念があります。そのイギリスではメイ首相が今月8日の下院選挙の後の内閣改造を受けまして、初めての閣議を開きました。総選挙では保守党が第一党になったものの過半数割れということで、北アイルランドの保守系の地域政党『民主統一党』に閣外協力を要請しておりまして、下院が召集される13日までの合意を目指すということです。メイ首相は組閣作業では去年の保守党の党首選の対立候補で、政敵とも見られておりましたEU離脱強硬派のゴーブ元司法大臣を環境・食料などの担当大臣に起用する一方で、お友達とも言われております大学時代から交流を持つグリーン前雇用年金担当大臣をナンバー2の筆頭国務大臣のポストにあてたということです。ただ党内では地域政党の閣外協力を得ても新政権は数か月程度の短命に終わるのではないか、こういう見方も出ております。


マクロン旋風は小池新党にも影響する?

高嶋) イギリスとフランスの好対照な結果で。外交ジャーナリストの手嶋さんとしてはどういうことが見えてきますか?

手嶋) まずフランスの動きがとても重要です。マクロン旋風がまさに吹き荒れている。最終的な議席はこれからですが、予測を見て一言で言いますと既成政党は壊滅的な打撃を受けている。マクロンさんが新しい『共和国前進』という政治連合にあらゆる人たちを統合することになります。
一方でいうと、投票率が比較的低い。フランス全体ではやや白けた、しかしマクロン支持派は投票に行くということになりますから。ここの中でも既成政党は組織力が生きていないということもあります。これは全世界的な傾向なのかもしれません。昔ならではの政治家に対する不信。日本にもありますよね。そういう傾向がクッキリと出ていると思います。

高嶋) なぜか小池百合子さんがにっこり微笑む姿が思い浮かびましたが。やっぱり影響はあるでしょうね。

手嶋) 構図としてはそうだと思います。既成政党を向こうに見て、政敵と見立てて、まったく新しい政党を立ち上げて選挙で勝ったトップが議会も多数を目指していく。ただし構図がずいぶん違いますから思惑通りにいくのかどうか。

高嶋) マクロンさんの例を見ていると、短期間で巨大なうねりを生じさせて、自分は大統領になって。そして急に出て来たにわかのタケノコみたいなのが「わあっ!」と育って。これだけの巨大勢力になっていくという。よっぽどの何か思いが、フランスの中にはあるのでは?

手嶋) それと同時に、ここでも家族が非常に重要で。25歳年上の夫人がいますよね。ブリジットさんが政治指南役ということになりますから、家族の存在は非常に大きい。


氷の宰相、薄氷の上を歩く

高嶋) 対照的に、イギリスの苦悩ぶり。メイさんは基本的には強気のようですけど、EUの関係はどうなりますか?

手嶋) メイさんは氷の宰相とも呼ばれていますよね。大変冷徹なという意味ですけど。今日の読売新聞では『薄氷の』という見出しがついているのは大変示唆的ですよね。良い見出しだと思います。氷の女が薄氷をそろそろと。先程お話がありましたように、踏み方を間違えると数か月の短命になるかもしれない。とくにグリーンさんというのは今度閣僚に起用されますが、親欧州連合派と呼ばれていますから。こういう人たちも抱き込んで、どこで閣内不統一になるかわからないということになります。ここが非常に気がかり。一方でドイツのメルケル首相はマクロンさんと独仏連合をやっていきますから、マクロン旋風が吹き荒れて独仏の関係ががっちりと固まるというのはプラス。自分たちの選挙にもプラス。政治家はみんな自分たちのことしか考えていませんから、その点でまさに自分に都合よく、してやったりと思っているかもしれません。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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