イギリス総選挙~追い込まれるメイ首相 高嶋ひでたけのあさラジ!
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6/9(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
結果次第では首相交代も
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・外交評論家)
メイ首相の命運を分けた2つの判断ミスイギリス総選挙が日本時間で本日午前6時に行われましたが、メイ首相率いる保守党は労働党に激しく追い上げられており、EU問題等も見通しがきかなくなってしまいました。
高嶋)注目されているイギリスの選挙ですが、予想通りですね。メイさんが、ここに来て追い込まれて。それで第一党は確保する見込みであるが、ギリギリだ、と。
宮家)過半数を割れてしまうかもしれない、と言われていますね。
高嶋)過半数が326ですが、保守党は330あった。いまでもギリギリだったのが、今度はもっと低くなってしまうかもしれない。メイさんにとっては「何のための選挙だったのか?」ということになります。
宮家)もちろん、彼女の権力基盤を強化するためにやったのだけれど、判断ミスがあったのでしょう。これから詳しく調べることになりますが、2つあると思う。1つは、途中で方針変更をしたこと。すなわち、社会保障のいろいろな問題があって、途中で折れてしまった。もう1つは、テロが続いたことが悪影響を及ぼしたのかもしれません。いずれにしても、EU離脱の問題1つとっても、国内が分裂しているわけです。国論を再統一するのは難しいということでしょう。サッチャーみたいに、彼女は1980年代に活躍したのだけれど、どうもメイさんは必ずしもサッチャーではないのかもしれませんね。
高嶋)サッチャーさんなんて、フォークランド紛争。あの一件を細かく聞くだけで、スゴい。やはり「鉄の女」ですよね。
宮家)それだけの力がイギリスにあったのかもしれませんね。
首相交代もありうる高嶋)メイさんはどうしますか? よもや、EU離脱を止めるわけにはいきません。
宮家)止めないでしょう! だって、もう追放してしまったのだから。
高嶋)それで、今度は「交渉します」と言って、3月から始まっているのですよ。どうなるのだろう?
宮家)EUからすれば、今の段階では「メイさんが何をやっているのか知らないけれど、何もかもがさっぱり分かりません」ですよ。これから新しい与党を作るそのときに、彼女が中心となって連立政権を作るのか、そうではないのか知らないけれど、いずれにせよ、イギリスが何を望んでいるのかEUが分からなければ話が進みようがないでしょう。ということは、これは相当な長丁場になるか、大混乱になるか。大混乱でも、うやむやで「止めちゃえ!」というわけにはいかないでしょう。
高嶋)外に対して約束していることは、どうしてもやらなければならない。もうその大義は決まっているわけですよね。だけど国内は非常に纏まりにくいという。ひょっとすると、首相交代ということもあり得ますか?
宮家)あり得ますね。イギリスみたいな国には頑張ってもらわないといけないと思うので、これから組閣、連立の可能性はありますから。頑張ってもらいましょう。
高嶋)7つの海を支配したイギリスはどこに行ってしまったのか。昼頃、体制が判明します。