トルコ国民投票でエルドアン大統領は事実上の独裁者となる!高嶋ひでたけのあさラジ!

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4/20(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

トルコが狙うのは中東の大国の地位
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

トルコ非常事態再延長へ~トルコ・アンカラで群衆に向かって手を上げるエルドアン大統領(右)=20170417 写真提供:共同通信社

トルコ非常事態再延長へ~トルコ・アンカラで群衆に向かって手を上げるエルドアン大統領(右)=20170417 写真提供:共同通信社


エムドアンの独裁は命ある限り続く

高嶋)トルコの、この間の選挙。国民投票はきわどい所でエルドアンさんが「OK」ということですけれど。「独裁化する」と言われていますが、これはどう考えていますか?

佐藤)これは、エジプトのシーシー大統領。これも事実上の独裁者ですよね。それからイランのハーメネイ最高指導者。こういうのと並んだということですよね。ですから、トルコが民主主義国だとか、トルコはNATOの一員ではあるのですが、欧米と価値観が近い国とは、もう思わない方が良いですね。

高嶋)はい。

佐藤)エルドアンさんという人は、どちらかというとイスラム原理主義なのです。ただ、穏健なイスラム原理主義なのです。そうするとイスラム原理主義の過激派から見ると「けしからん!」ということになります。一般の世俗化からすると、これはやはりイスラム主義を進めるのではないかと。それから、宮殿を造るなど、自分を選挙によって即位した王様だと思っているのではないかと。その文脈で事実上の独裁者になるような、大統領に全権限が与えられるような憲法の改正をしようとしたのです。これは相当の不正が行われたとOSCが言っていますから。

高嶋)だけど、いろいろと作為があったようで。その中で、なぜ彼は強大な権限を得ようとした?

佐藤)この前のクーデター未遂事件でしょう。トルコはそもそも軍人が中心となって造られた国です。民主的な軍人たちの力というのが大きかったのだけれども、そこを削ぎたいのでしょうね。

高嶋)何しろ、2029年までの続投が可能だと。

佐藤)そんなの、その度にいくらでも続投して終身大統領になりますよ。

高嶋)彼の命がある限り、絶対的な権力を握っている……

佐藤)ということは、この権力を外すためには、命を中立化する……業界用語で「殺す」という意味ですね。エルドアンさんを中立化しないと問題が解決しないということになるので、ものすごくこういうことをすると、実は社会が不安定なのですよ。

高嶋)いろいろな作為があった。しかし表向きは、半分、わずかちょっと超えただけだけれど、エルドアンが大統領に。

佐藤)最初から大体そこに設定していたでしょう。圧倒的な多数にはならないけど。

高嶋)なにか既得権益みたいなものを持っている人も結構いるのでしょうか?

佐藤)そういったことよりも、反対派の連中には全然活動させない。それから組織、政府機関、学校などを使って徹底的に「賛成に行け、賛成に行け」と、こういう動員をかけると。メディアもアンフェアで、ありとあらゆることをやったわけですね。


ヨーロッパではなく中東の大国の地位を狙う

高嶋)かつてトルコはヨーロッパになりたがった。それでヨーロッパばかり見ていました。

佐藤)もう見ていない。率直に言って今のヨーロッパはトルコから見ても、トルコと同程度にテロがあるでしょう。決して安定した国ではない。中でもいさかいばかり続いている。それならイラン、サウジアラビア。こういった国と並ぶ、中東の中の大国としての地位を確保するようにしたら良いのではないか? という方角に変わっていますよね。そうすればトルコ系の人たちは東にどこまでいるのか。実は皆さん驚くかもしれませんが、中国なのです。中国の新疆ウイグルまではトルコなのです。だから、広大なトルコの影響圏を作っていこう、と寝ぼけたことを考えていますね、あのオジサンは。

高嶋)アジアとヨーロッパがちょうどコネクトする場所ですよね。

佐藤)そうですね。ただ、それをやるとイランとの関係が緊張するのです。その間にイランだけがトルコとは違う系統のペルシャ人で、しかも宗教が十二イマール派のシーア派というグループなので。それ以外は皆トルコ系で宗教も一緒なのです。だから、宗教で纏めれば巨大帝国になり得るのです。そういう野望に取りつかれていますね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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