4/18(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
娯楽なく緊張状態の中での任務
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター小野寺五典(元防衛大臣・自民党政調会長代理)
寄って来る現地人が善人なのか悪人なのかわからない高嶋) 自衛隊の南スーダンPKO活動5年余り、第一陣が明日青森に帰ってくると。ホッとされたと思います。行かれたことがあるということですが、ジュバはどんなところでしたか?
小野寺) 隊員の皆様にはお疲れ様でしたと言いたいと思います。防衛大臣で初めてジュバに行ったのは私のときでした。とても熱くて任務も大変で、非常に雨季と乾季がはっきりしていましたので、日本人が住むには大変なところだと思いました。
高嶋) 大統領派と元副大統領派とドンパチやって、どちらが味方か敵かは映像を見ても全くわかりませんでしたが、危険というものはほとんどありませんでしたか?
小野寺) 私は現地に行ってヒヤッとする部分もありました。例えば街に出ると現地の方々が寄ってくるわけですよ。この方々が日本の支援に感謝のために来たのか、それとも日本にもっとこうして欲しいと来ているのか、あるいは酔っぱらって来ているのか、危害を加えるために来ているのか、顔色を見ただけではわかりませんでした。隊員が一番大変なのは、日本人であれば「この人変」や「この人は大丈夫」と皮膚感覚でわかりますよね。ところが言葉も通じず、文化も違う。この寄ってくる人たちは良い人か悪い人かわからない中で、隊員は緊張感を持っておりまして。万が一危害を加えそうだと思って武器を持って対応し、もし良い人だったら大変なことになる。逆に言えば躊躇したらやられてしまうかもしれない。これは現地に行って直面しないとわからないことだと思います。
隊員の一番の楽しみはアイスクリームを食べること高嶋) 今回問題にあった駆けつけ警護はありましたか?
小野寺) 当時は任務が付与されておりませんでしたし、要請もなかったので、逆に言えば本来駆けつけ警護が必要な場所に自衛隊はあまり行かない方がいいです。自衛隊がPKO活動をするのはあくまで平和が成り立った後に人道支援目的で、難民キャンプの造成をし、橋を作っていくわけで。危ない場所に自衛隊が行くというよりは、まず治安を安定させてくださいと相手国政府に言う方が基本だと思います。
高嶋) 「もし死ぬような人が出たら私は総理を辞める!」という安倍さんの大見得があったので、慌てて5月いっぱいで撤収だと野党は言いますが、その辺はどうでしょうか?
小野寺) それはちょっと違っていて、私が行ったときは3年半くらい前ですが、そのときはまだ難民キャンプの造成をしてほしいだとかいろいろな要請がありましたが、最近はどうも難民キャンプの造成はひと段落して、むしろ他国の軍のための基地を造成するという作業に入っておりましたので、ある面では人道支援目的とすればひと段落ついたので「そろそろかなあ」と。
高嶋) 区切り時であると。やっと帰れると新聞の活字には書いてありますが、娯楽もほとんどなくて、怖い面もありますから緊張状態が続いてやってきたわけでしょう?
小野寺) そうですね。コンテナハウスのようなところで寝泊まりをして、楽しみと言えば日本から送ってくるビデオとか、ときどき出来るインターネットで家族との通信とか。一番人気だったのはアイスクリームですね。隊員はアイスクリームをたくさん食べられることが幸せだと言っていました。
高嶋) 本当にご苦労様でしたということですね。